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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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夏野菜のサンドウィッチ

 今の時期外を歩くと、ものの数分で汗が吹き出る。冷たい飲み物を体が欲しがるが食欲は無い。こんな時は、冷蔵庫で良く冷やした夏野菜たちの出番だ。細く切った胡瓜、糖度の高いフレッシュフルーツトマトの薄切り、トウモロコシは軽く茹でて包丁でそぐ。そぎ残したトウモロコシを器用にかじれば自然な甘さが口中に広がる。これこそ夏野菜の王者だ。シソの新芽や、赤や黄色のピーマン、今では日本の食卓に定着したズッキーニ、加茂茄子は生でもリンゴのような味がして以外と清涼感がある一品。これらを適当に切り、塩コショウとバージンオイルで和えてサンドする夏野菜のサンドウィッチ。
 スライスした角食パンを焼色がつかない程度にトーストしてから、サンドウィッチにして食べるのが私は好きだ。角食パンは8枚切りでは少し厚く、 12枚切りの通称サンドウィッチスライスでは少し薄い。一斤10枚切りが私の理想の角食パンの厚さである。体が喜び、ビールにもフルーツパンチにも合うこの一品で夏バテ知らずの体を作るのはいかがでしょう。
 以前、本紙で紹介したトルコの“サバサンドウィッチ”のなんちゃってバージョンを紹介しよう。文化干しの焼きサバにたっぷりの安いトマトのスライスをのせて、私流のトーストでサンドしただけの“サバサンド”。これも意外と暑い日に食べると美味しい。但し、小骨に注意。

おいしいパンの秘密の話

 タケノプランニング代表の竹野豊子さんから一冊の本が送られてきた。「おいしいパンの秘密の話」である。竹野さんは 1989年に会社を興し、“パン教室”や“パン講座”“パン講習会”など幅広い活躍をされており、著書も30冊に及んでいる。海外からも招聘され、現地企業を指導されたりと竹野さんの活躍には目を見張るものがある。「パンについて求められていることについては、全てくまなくこの足で歩き調査する」(著書より)という意気込みには脱帽の限りだ。
 こういう人達が消費者の裾野を広げてくれているからありがたい。オールアバウトジャパンの清水美穂子さんにいたってはパン作りから、パンを食べる、パンのアレコレなどホームページを見ていると非常に興味深い。例えば「パンフリーク達の食べ歩き批評」コーナーでは“ベストパン☆2003結果発表”など、かなり辛辣な批評があったりして経営者にとってはとても参考になるので、ぜひ見ていただきたい(当社サイトからリンクしています)。清水さんの熱いメッセージが満載。
 最後に竹野さんからいただいた著書より「パンというロマンのある食べ物に一層力を入れて仕事に取組み、プロとして世の中に商品を生み出していき、仕事を通して社会にほんの少しでも貢献していきたいものです」。定価本体1600円、東京書籍発行。業界の皆様には是非読んでもらいたい一冊です。

期待して食べる

 今年3度目となる訪タイでつくづく感じたことは、多彩な料理の美味しさはもちろん、タイ国の人々のこぼれるばかりの笑顔と人の良さ。訪れるにつれてどんどん好きになってくる。東京オリンピックの時代にタイムスリップしたような屋台では活気に溢れ、朝から深夜まで誰もが食べて食べて食客のつきることは無い。街中が”食“の台所と化しているかのようだ。その熱気は”今日を楽しく生きるため“とかつての江戸っ子のように「宵越しの銭は持たない」気質がタイ人にはあるらしい。
 以前書いた「タイのフカヒレスープ」についてプレジデントベーカリーの社長に話したところ「今度は究極のフカヒレスープをごちそうしましょう」と招待していただいた。タイの公務員の給与は平均2万円だと言われているのに一杯2千バーツ(6千円)するフカヒレスープを食べに開店からごったがえしているこの店は一体何なのだ! 私はその味を”オイスターソース味“と期待していた。いや思い込んでいた。ひと口含んだ瞬間思わず背筋を伸ばした。これはただものではない。残念ながら今回はこの店のスープのナゾ解きは出来なかったので、日本に帰っても作れなかった。だがひとつだけ教わったキーワードは初めて聞く名の”マッシュルームソース“。期待を込めて次回の訪タイにこのナゾ解きを賭けてみたい。
 食はいつでも、”期待しながら食べる“のが美味しい。それにしても最近では”何も期待しないで食べる“食品が世の中に氾濫しすぎているのは情けない。

abandonとre-learn

 私は最近つくづく後悔することが多くなった。それは何事も知らず知らずのうちに「自分本位」で物事を考える癖があるようなのだ。コミュニケーションもその典型で、気がつかないうちに自分本位に解釈していることが多いようだ。 ピーター・F・ドラッガー博士の提言で、「役に立たないものは思い切って捨てる(abandon)良いものは学び直す(re-learn)」。これもなかなか実行できないが、自分本位の解釈こそ役に立たないもので、複数の意見を聞く耳を持つことがre-learnなのだと最近つくづく思うようになった。弊社の創業社長が亡くなってから3年後に行った50周年を立案した時、山崎製パンの飯島社長に一喝された時の言葉「その内容は君一人の考えですか。これに拘る色々な人の意見をまず聞くべきでしょう」。自分本位を見事に喝破され、私は必死になって大勢の方から話を聞き、アドバイスを得た結果、皆様のご支援により宴は大盛会となった。先月10日、日本パン菓新聞社は創業57周年を迎えることができた。 abandon/re-learnの精神で学習力、知識力を更に磨きlearning powerを引き出し、業界の発展に少しでもお役に立てればと願っております。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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