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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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ビーチB・B・Q

 ハワイでのビーチバーベキューにかかせない一品。それは骨付カルビやソーセージ、殻付きオイスターではない。”ハンバーグ“だ。焼いてお皿にのせ、ご飯を添えればハンバーグライス。バンズではさめばハンバーガー。たっぷりの牛ひき肉に生卵、パン粉、炒めた玉ねぎ、マッシュルームなど好みの具を混ぜ入れて一パウンドのかなり大きいパテをビーチの木陰で炭焼きにする。忘れてならないのはマウイオニオンの厚切りも一緒にバーベキューすること。パンはバンズでも角食パンでもチャバタでも何でも結構。好きなパンにはさんだら、定番のビネガーマスタードとケチャップで味つけ。レタスやトマト、ピクルス、ベーコン、チーズなど好みのトッピングをたっぷりはさめば、かぶりつくとき肉汁とマスタードが滴り落ちて、手も口もベタベタになる。だからハンバーガーはビーチバーベキューに限る。さざめく波の音、頬をなでるさわやかな海風、サンサンと降り注ぐ太陽の木漏れ日がチリチリと素足を焼きつける。
 弊社主催のベーカリーエクスポ視察研修団Bコース一行9名は、ここハワイのカイルアビーチで今至高の時を過ごしています。シカゴではスタッフドピッツァ、ニューオリンズではケイジャン料理、メキシコシティではモーレ・ポプラーノ。視察後は美味しい研修をたっぷりしたつもりですがやはりビーチB・B・ Qのハンバーガーは格別だと思う。

餃子の赤天

 中央線、高円寺駅北口の「純情商店街」を道なりに歩くと早稲田通りに突き当たる手前の右側に「餃子専門店 赤天(あかてん)」がある。知る人ぞ知る手作り餃子の専門店でメニューには”餃子“(210円)”ビール“(380円)これだけだ。店主の高田さんは若かりし頃フジパングループのゴルフ場でツアープロを目指して頑張っていたが挫折。その後一念発起しておじいちゃんが名古屋で細々とやっていた”赤天“の技術を習得、20年前にここ高円寺に店を開いた。一坪の店内の半分が調理場。カウンターを挟んで四人がけの丸椅子。入口付近に持ち帰り用の小さなカウンターがあるだけ。高田さんの出勤は朝の8時、狭い調理場でキャベツ、ニンニク、ニラをきざんで秘伝のタレとひき肉でアンを作る。ここから皮作りとなるのだが、彼のこだわりはここにある。小麦粉が違う、発酵過程が違う、いわゆる生地作りは秘中の秘なのだそうだが、何が違うのか、いくら質問しても”違う、違う“の一点張り。
 さて餃子の味だが、20年前7個で200円。焼いても持ち帰りの生でも200円。外税になってやっと10円値上げして現在は7個210円、注文は二人前から。タレは特製みそダレを辛油、醤油、酢に混ぜて食す。このみそダレがもう一つの”秘中の秘“と相成る。熱々、パリパリ、シコシコ。ホッホッと言いながら食べる焼きたての”赤天“の餃子と良く冷えたビール。夏バテ解消に是非一度食べに行ってみることをお薦めします。ちなみにアラン・デュカス・ジャポンのファブリス・ルノー代表も今では月に一度は友人や奥方を連れて食べに行くそうだ。この餃子、みんなはまるんです。

加賀太きゅうり

 本当に今年の夏は暑い。35度を超える猛暑が続いた後の30度超えの夏日などは「ああ今日は涼しい」と体感温度が麻痺するほどの異常気象が続く。そんなある日、デパートの食品売り場で見つけた「加賀太(かがふと)きゅうり」。普通のきゅうりの約7本分位はあるのではないかと思われる太いきゅうりである。そもそもきゅうりは”熱を冷ます“効果があるという。そのきゅうりの種類は日本だけでも500種もあるというから驚きだ。最新のきゅうりはイボをなくした「フリーダム」というのが売られているが、ごく普通のきゅうりは「白イボきゅうり」というそうだ。
 ともあれ、レモンイエローのきれいな花を咲かせる”加賀太きゅうり“を使ってサンドウィッチを作らぬ手はあるまい。サンドウィッチスライスの耳取りした角食に薄切りのスモークサーモンを敷きつめ、ケッパーのみじんを散らす。その上に透き通るように水々しい加賀太きゅうりの薄切りをのせ、山芋の千切りを挟みロールしたあと更に焼き海苔で巻く。盛夏に”涼“をもたらす加賀太きゅうりのロールサンドウィッチの出来上がりだ。 いつものサンドウィッチにひとひねり。酷暑も遊び心で楽しい”食“のスタイルに活かしてみたらいかがだろうか。

夏の夜

 行き付けの寿司屋のカウンターでワサビ入りの芋焼酎を飲んでいる時、関東混合機の林孝司社長が以前言っていたアイデアを思い出した。「寿司屋の白木のカウンターでね、若い女性客がロールケーキ巻いて下さいってオーダーするのよ。中の職人は手馴れた様子でカステラ生地に好みのフルーツやトッピングを聞いて実演して見せる。洋菓子の寿司屋バージョンね。これ面白いよ」。なるほどアイデアはどこにでもころがっている。「注文方法、いわゆる呼称はどうしよう。寿司は一貫・二貫と数える。ケーキは一菓子・二菓子かな。箪笥は一棹・二棹、提灯は一張・二張」思いはどんどん違う方向へいってしまった。
 焼酎が回ってきたのかそんな想像をしているところに大将が“ヘイお待ち”とアワビを殻に盛り付けてカウンターに置いた「大将、キモは?」「ヘイ、お好み通りに」。仙台赤味噌にみじん切りの生姜とキモを、まな板の上で丹念にたたいた一品は私の大好物。この味噌をたっぷりアワビにのせて、キリッと冷えた“黒龍のしずく”をグイッと飲み干したらもうロールケーキは忘れていた。
 こんな夜私が帰路必ずといっていい程買いたくなるものが“ジャム&マーガリンのコッペパン”。肝悪いなんて言わない事。これが意外と酒のあとのラーメンより合うのだ。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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