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コラム 三寒四温

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可愛さ余って…

 9月4日付の日経福岡版に小さな記事が載っていた。「製パン地場大手リョーユーパンの北村俊策社長は三日、福岡で記者会見し、子会社のベーカリー(ベルボワーズ)が8月末に博多大丸から退店要求を通告された事を明らかにした上で、『納得できない、法的措置も検討中』と反発した」。
話しは5年前に遡る。北村社長が語る「大丸さんにベルボワーズではたいへん世話になっている。何とか大丸さんを喜ばせてあげたいなあ」。この時期ベルボワーズは月商4千万円弱、一度見て下さいと誘われ一緒に行ってみた。平日の午後2時過ぎ店頭では超人気のガーリック・トーストの焼き立てを買い求める人で溢れていた。店内は4台のレジがフル稼働。オープンキッチンで作られる数々のサンドウィッチが次々とコーナーの棚を埋め、その都度客がトレーにのせていく。混雑する店内の客を避けるように高々と店員が掲げたトレーの中には、奥のキッチンから焼き立てのガーリック・トーストが香ばしい香りをまき散らし、店頭へ運ばれる。「ただ今ガーリック・トースト焼き上がりましたー」店員の声に更に行列が伸びる。
「年内にエリック・カイザーをパリから呼んで、デモンストレーションさせるつもりだよ、大丸は喜ぶぞ」。北村社長はこの光景を見ながら私に言った。その年の暮れ、日商230万円を超える活況に博多大丸の社長以下スタッフは北村社長と共に笑顔で売場を見つめていたのを私は記憶している。
百貨店のテナント入れ替えにはそれぞれ思惑があるだろうが、20年も続く博多大丸内の老舗ベーカリー、ベルボワーズの退店要求に絡む問題は、これにとどまらず全国の百貨店に警鐘を鳴らす事だろう。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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