今年の春は行きつ戻りつまったりやってきたのに、秋はいきなり〝ストーン〟という感じでやってきて、いつのまにか木枯らし吹く冬になだれ込んでしまいました。2006年の師走も残すところあと半月ばかり、長期気象予報では暖冬と言われていたが、にわかに信じられないこのところの寒さであります。
さて、巷はクリスマス一色。イエス・キリストを信じる者も、信じない者も国民的行事のこの時期は一億総クリスチャンとなるようです。そうあれば争い事もなく、平和な日々が続くのでしょうが、年の瀬の世間に吹く風は一段と寒く感じられ、とんでもないニュースが報じられるのもこの時期が一番多いのではないでしょうか。
私はクリスマスキャロルが街中に流れる中、晴れた日の夜は夜空を見上げて星を探します。そう〝ベツレヘムの星〟です。人間の身勝手な欲望うずまくこの世を嘆いて、イエス・キリストが2000年前にイスラエルの田舎の馬小屋でお産まれになった場所へ導かれたという、あの〝ベツレヘムの星〟に再度導かれて再臨されるのではないかと。その場所を見極めるべく夜空を眺めるますと、不思議といつも満月なのは何故でしょうか。
Mere Karikimaka & Haori Maka Hikiho! (ハワイの言葉で、Merry Xmas & Happy New Year)
2007年もまた良い年でありますように。
おいしいものは大好きです。うなぎ、寿司、そば、インド料理にイタリアン、そして中華料理にベトナム料理。私の中のおいしい店は海外にもたくさんありますが、今回は日本にしか無い「フグ料理店」の新規開拓冒険編です。
福岡は中洲入口にあるリョーユーパン北村社長の行きつけの「割烹 稲垣」の天然トラフグは、前日迄の予約が必要です。これはもちろん板長が早朝にフグの目利きに河岸にでかけるからで、吟味に吟味を重ね、仕入れられ調理されるから極上の天然トラフグ懐石が食べられる訳です。もちろん値段も良いのですが、それよりも最後に出されるフグ雑炊を北村社長が作ると、お世辞抜きで絶品に仕上がるのはやはりフグが良いからなのでしょうか。
そのフグ雑炊で先日はたまげた雑炊をいただいてまいりました。「六本木・味満ん」知る人ぞ知るフグ専門店で、毎年7月から9月の3ヶ月間はフグが獲れないのでお休みするほどの名店です。3杯作ってもまだ黄金色に輝く極上ヒレ酒をすすりながら、まずはテッサから。厚めに切られたテッサ3枚ほどに、たっぷりの芽ネギと湯引きされた皮をのせ、アサツキにうもれたポン酢につけて大口を開けて一口でほうり込む。至高の幸せはこれを噛むとき。二噛み、三噛み、フグの旨味が口中に広がり、鼻腔に抜けて思わず天井を見上げてしまう。「フグって本当においしいわね」とただ笑うのみの家内。この後、フグ料理は色々出たが、最後の仕上げの雑炊に私達は目をむいてたまげたのでありました。その雑炊はちり鍋のだし汁でもちろん作るのですが、なんと大ぶりの先ほどいただいた白子焼き、しかも一人前2個です、2個ですよ。ハンペンみたいな食感でフウフウ云いながら口の中でころがしていると溶けてしまうのです。その旨味が喉を伝わっていく時の幸せ「こんな幸せな時はないね」と家内と無言で見つめ合い感動しました。その白子が今度は大ぶりにひとつほどよく火が入れられまして、雑炊の真中に堂々と鎮座しておりました。「もう痛風も糖尿も何でも来いだ!」とレンゲで白子を少しずつ切りながら雑炊と共に口にフウフウと運ぶ。「これは贅沢の極みだね」2杯、3杯と鍋の中の雑炊は全て無くなるのでありました。
パリの「プラザ・アテネ」とモナコの「ルイ・キャーンズ」で、共に3つ星レストランのオーナーシェフ アラン・デュカス氏は、世界各地を駆け巡り超多忙ながらも12月3日、氏がシャネル社とコラボレートして銀座シャネルビル10階に2年前にオープンした「ベージュ・アラン・デュカス東京」にて、自ら厨房に立ちその日のために集まった特別の客72名のためにのみ「アラン・デュカス原点から今日まで」と銘打ったコレクションディナーを催した。
赤座エビとキャヴィア(オシエトラ・ロワイヤル)、濃いナージュのアミューズから始まり、この日出された6品はいずれもアラン・デュカスシェフ渾身の力作で、見て楽しみ、食べて喜び、サービスに満足した次第。
すべての一品々の料理に合わせたワインは、1997年CHAMPAGNE‐La Grande Bollingerから始まり、デザートに出された2000年のCHAMPAGNE‐Brut rose Louis Roedererまで全7種のワインも料理と抜群の相性に目を細めるばかり。
料理とともに出されるパンはアンデルセンが提供している。デュカス氏のレシピを忠実に守り焼き上げられたミニバケットとそば粉のパンには、ボルチーニ茸のみじん切りと無塩エシュレバターを混ぜ合わせたベージュ特製のテーブルバターで、あまりのおいしさに私の家内は2皿目の料理の時にはパンを完食。5皿目のステーキの頃には半分ほどが私の皿に移動してきた。パンはおいしいけれど、ほどほどがよろしいのでは。
ちなみに12月2日、新宿伊勢丹にオープンしたアラン・デュカス氏のレストラシオン・ラピッド〝beブーランジェピシェ〟は、2002年10月にパリ市内に〝be〟として出店して以来、日本では初出店で、アラン・デュカス氏の思いが形になったパンやサンドウィッチ、スープ、デザートの数々や選び抜かれたエピスリーが日本でも気軽に味わうことができる店で、このパートナーが㈱アンデルセン(吉田正子社長)だ。2011年までに日本で5店の店舗展開を計画している。