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コラム 三寒四温

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アラをクエ

 先週、和歌山の友人が「幻の高級魚・クエ」の切り身三kgも!クール便で送ってくれた。「クエ」は九州では「アラ」とも呼ばれ、先週終わった大相撲の九州場所ではおすもうさんが今が旬の「アラ鍋」をたんと食した事だろう。この鍋を食べれば元気が出るらしく、年六場所ある大相撲でも、とりわけ、九州場所が波乱なのは、食べ物に関係しているのかも知れない。
 ちなみに私は和歌山県日高町の阿尾でとれる「クエ」がことさら好物で、日本一の「クエ」であると確信している。そのグロテスクな面構えと容姿から想像もできない繊細な味わいは、誰もがその味のとりこになること間違いない。特に脂の乗ったゼラチンの部位は絶妙で、口に入れた瞬間旨みが溶け出し、至福の時が一瞬流れる。
 今回送ってもらった「クエ」は超贅沢に切り餅大に切りそろえた大ぶりで、たっぷりのあさつきに、もみじおろしとカボスをしぼって、特製のポン酢と共に大勢の友人を誘っていただいた。「なーに、このプリプリ感!」「魚の甘さって、これを言うのか!」「一口噛んだあとの身離れで旨さが脳を刺激するね!」みーんな料理評論家だあ。
 私の場合、クエ鍋には野菜は入れない。水をはった土鍋に利尻産の昆布を一晩寝かすだけ。何故なら締めの雑炊のために汁に余分な味を付けてはいけないからだ。有精卵を溶きほぐして、ひと塩して鍋の火を止め、軽くおたまでかきまわしてから茶碗に盛り、ハリ状に切りそろえた佐賀海苔をふりかけ、器に残ったツユをほんの少したらして、ハフハフ言いながらいそいで口に運ぶ。雑炊は冷めるのを待ってはならない。茶碗を口に近づけ箸で少しづつ、かき込む。
 これが一番おいしく食べる方法。ただし、くちびるのやけどにご注意。今回はからあげや薄造りはつくらなかったが、フグより美味なのはギャランティ。
 つるべ落としの秋から、いきなり冬がやってきた感のある寒さひとしおの 今日この頃。忙中閑本物のクエ鍋を食べて、師走にそなえてはいかがでしょう。酒は黒龍の「九頭龍」をぬるかんで飲るのもよし、クエのヒレ酒もはまりますよ。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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