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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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白レバー

 デパートの中を家内と一緒に巡る程つらい事はない。その家内いわく、「あなたと一緒に食品売り場は歩きたくないわ」。お互い興味のあるフロアーで時間を つぶすのが一番の方法だと以前から気づいていたが、最近は各自で好き勝手に買い物をする事が多くなって来た。という事で、私は日本橋の三越本店地下食品売 り場が大のお気に入りであります。先週ここの鶏肉専門店から私のケイタイに留守電が入りました。「お待たせしました。比内地鶏の白レバーと砂肝が明日入荷 します。どの位お取り置きしますか?」との事。早速電話をしてキンカンも含めて500gずつと軍鶏のモモ肉を2枚予約しました。
  翌日のディナーは親しい友人を誘って鶏づくしの宴会です。まずは白レバーと砂肝の刺身。「このコッテリとした味わいが奥深いね」「さわやかな食感と風味が ワサビ醤油と相まって脳を刺激するわ」「なんじゃコレ!砂肝って生で食べるの初めてだけど臭みがなくて、しかもこのしっかりとした歯ごたえといい、感動も んだね」「この白レバーのとれる確率は1000羽に一羽らしいよ」「まるで陸の鮭児だね」おいしいものがあると話が弾みます。
  軍鶏は岩塩をおろして尺ぶりにして210度のオーブンで皮目を下にして12分。白長ネギは5分前にオーブンに丸ごと入れ、"しなっ"となったらバーナーで 焦げ目をつけ、丸ごとかじる。これが又、甘くてうまい!先程の軍鶏のモモ肉は一口大に切り分け、熱々をいただく。「これだよね!この力強い肉質。旨みの脂 が口の中を占領しているよ」「パリパリの皮がこの村祐の"夏の酒"に合うね」
  日本酒と湯浅の濃い口醤油とザラメで仕上げた白レバーとキンカン煮には黒龍の"九頭龍大吟醸"を、今右衛門の鍋島牡丹の鮮やかな赤が映える酒器でヌル燗で飲る。この小洒落た器が見た目にもおいしさにゆとりを与えますね。
  今夜のバケットは近所に最近オープンした小さなパン屋から2本買い求めて切り分け、タプナードをたっぷり塗って完食、完飲。一番最後、締めはグラッパを全員で一気飲みして散会した後曝睡。
 今朝の目覚めは閉め忘れたカーテンの外から強烈な朝日がたたき起こしてくれました。

パンの国際大会

世界に数あるパンの技術コンクールの選考基準を考えると我が日本を代表する製パン技術者を選考する制度はこれで良いのかと、ついつい首をふってしまう。
クープ・デュ・モンドもibaカップもモンディアル・デュ・パンも含めての国際大会は、いわば日本を代表するパンの世界選手権であり、又、オリンピックと位置づけたい。で、あるならば、選考の基準は1つであって3つあってはならないのでは、と疑問を感じる。各大会の事務局を1つにまとめて日本のパン産業に従事する会員と合わせて消費者も取り込んで応援するのが一番ではないだろうか。もちろん事務局は既得権を全て排除して事務局の利益は製パン業界の発展にある、という強い理念をもって運営していかなければ世界に通じるブーランジェを送り込むことは出来ない。やる気のある日本の全てのブーランジェに門戸を開き、公正な選考に事務局は真剣に取り組んでいかなければならないのではないだろうか。
 この事により、パン業界を活性化させ、後継者を育て、日本のパン食文化の質や地位向上に努めるという王道をできるものならば全パン連にリーダーシップをとってもらいたいものだ。
 併せて、ジャパンベッカーマイスター協会が行なっている素晴らしいマイスター制度も真摯に受け止め、胸襟を開いて、一元化に向ける努力を行なう事が急務だと私は思う。一日も早くだれもがこの事に気づいて一元化された技術者の検定制度の確立と国際大会で"金メダル"をとれる「真の国際大会代表者選考委員会」を設立するにあたっての議論の場を今こそ早急に行うべきではないかと思うのであります。

食卓のリフレッシュ

 もうそろそろ梅雨明けですね。暑い夏が今年も又やって来ます。、大手量販店の棚に、PBが席巻する中、消費者の認識は大したもので、ここのところジワリとNBに活気が出て来たように感じる今日この頃です。
  毎日食べる食卓に直結した食パンは、やはり安全で安心、しかもおいしくなくてはならないという事を理解されているからではないでしょうか。リーズナブルな PBも同じ食パンには違いないのですが、いつも食べ慣れていたNBで作るサンドイッチやトーストに回帰するのはおいしく頂く食のスタイルに安心感や安堵感がプラス作用するのではないかと考えられます。そんな中、夏に需要が減少される食パンを元気にさせるのは、涼しげに見た目もキレイでおいしく頂けるサンドイッチに変身させると、言うのはいかがでしょうか。暑い夏には、旬の夏野菜が名わき役として控えております。そしてメインとなるおかずもいつも和食の味付けで作っていた一品をかつをダシをコンソメにしたり、醤油をオリーブオイルに変えたりする事で、フレンチやイタリアンの一品に変身させるお料理方法は、女性誌やインターネットで広く紹介されています。気分を変えてこの夏を逆手に取り、家庭の食卓をリフレッシュさせてはいかがでしょうか。
  私は、と言うと、骨切りされた旬の"ハモ"を買い求めて、ハケで吉野の葛をまぶしてから、湯通ししたものに特製のタルタルソース(6月25日号に掲載)をかけて、皿の周りには素揚げした八つ切りの茄子をきれいに並べて、シャンパンビネガーと日清オイリオの出雲の国の向日葵油をチョンチョンとアクセントをつけて飾りがけます。湯種の食パンをちぎりながら、ソースにつけて、今日はモロッコの白ワインと洒落てみますか。

カーボン・オフ・セット

 最近、メディアを賑わせている「カーボン・オフ・セット」。これは我々が日常の生活で作り出すCO2(カーボン)をCO2を吸収する森林を育てることにより、これを埋め合わせ(オフセット)することなのですが、どうやらこれがとんでもない世界的ビジネスとして利用されているのをご存じですか。そう、 CO2の使用量取引です。
  簡単にいうと、大量にCO2を排出するどこかの国の大企業が、あまりCO2を出していない国の企業から、その権利を買い取る、という単純なことなのですが、右から左に聞き流すと、なにかとても良いことをするビジネスに聞こえますが、よく考えれば、CO2の排出量は変わらないんです。これでは地球温暖化がますます進み、世界の食糧事情は今後一変する事でしょう。
  我々はそれを防ぐために今、何をすべきなのか、それは企業単位ではなく、一人ひとりの自覚をうながすしかありません。「木を植えることがまず第一です。」と"もったいない"の提唱者、マータイさんも言っています。"もったいない"といえば、我々が日常で使用している"水"はどうでしょか。
  我々、業界的見地から考察すると、1kgの小麦を作るのに2000リットルの水が必要です。これは一人が使う8日分の水道使用量に匹敵します。それでは 1kgの牛肉を作るのにはどれだけの水が必要でしょうか。答えは20,600リットル、一人が使う85日分の水が使われています(東京大学沖教授資料より)。この生活に欠かせない安全な飲料水を利用できない世界の人々は、WHOの2005年報告書によると11億人、なんと世界人口の18%に達しています。この大切な"水"も植林によりもたらされているのです。植林された大地には雲が湧き、やがて恵みの雨を降らせるのですから。
  当社は今年のユーロパン2008研修ツアーで、いち早くカーボン・オフ・セットの旅行を行いました。使用した飛行機、バス、食事から出るCO2の全てをアバウトではありますが計算して、このツアーで排出したカーボンを南フランスの土地に植樹して、また地元の植林連鎖の会を行っている教会に寄付をしてオフセットしました。
  参加者会員が、カーボン・オフ・セットに目覚めた瞬間です。読者の皆様もぜひ、この取り組みにご参加して下さい。そして次世代に素晴らしい地球を残そうではありませんか。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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