センチメンタル ジャーニー
「ピーポに乗って箱根に行くんだよね、お母さん」私がまだ幼少の頃、年に2~3回は箱根の温泉旅館へ母親に連れていかれた想い出がよみがえったのは、熱海への出張当日、私が新幹線をやめて、小田急線の小田原経由で行くことを決めたときでした。自宅を出た時、なぜか母親に背中を押された感じで小田急の新宿駅に来てしまったのです。
「のぞみ」のような流線型の車体は少しは昔の面影を残していますが、近代的な車内設備の中にある展望車や車内サービスは昔のまま、そして最もうれしいのは、「ピーポー」という電子音です。ロマンスカー専用のプラットホームをすべるように発車しました。車窓の景色こそ変われど、在来線と同じ軌道の特急電車は昔のようにゆっくりと都心を抜け、やがて鉄橋を渡り、私の母校をのぞかせてくれました。
ガラス窓に両手をついて流れる景色に見入る子どもの隣にはほほえみながらミカンの皮をむいている母親の姿。なんか和やかだなぁ。
小田原からは東海道線に乗り換えて約20分。トンネルを抜けると海景色のくり返しの連続で、トンネルを抜けるたびに車窓に繰り出す大海原の雄大さについつい口ずさんでしまうのが加山雄三の「うーみよー」だったりして、今回はちょっとセンチメンタルジャーニーな独り言でした。
とにかく、ご同輩諸氏、歳を重ねるにつれなぜか毎日が忙しく、慌しくて、一日、一年がアッという間に過ぎ去りませんか。そんな時は少しゆとりを持って、こんなローカルの出張はいかがでしょう。「一人になる時」なんて滅多にありませんから。そして、何かを想い出して感傷にひたるのは私にとっての“クスリ” ですから…。
「忙中閑在リ、一服ノ薬ト成ル」
「のぞみ」のような流線型の車体は少しは昔の面影を残していますが、近代的な車内設備の中にある展望車や車内サービスは昔のまま、そして最もうれしいのは、「ピーポー」という電子音です。ロマンスカー専用のプラットホームをすべるように発車しました。車窓の景色こそ変われど、在来線と同じ軌道の特急電車は昔のようにゆっくりと都心を抜け、やがて鉄橋を渡り、私の母校をのぞかせてくれました。
ガラス窓に両手をついて流れる景色に見入る子どもの隣にはほほえみながらミカンの皮をむいている母親の姿。なんか和やかだなぁ。
小田原からは東海道線に乗り換えて約20分。トンネルを抜けると海景色のくり返しの連続で、トンネルを抜けるたびに車窓に繰り出す大海原の雄大さについつい口ずさんでしまうのが加山雄三の「うーみよー」だったりして、今回はちょっとセンチメンタルジャーニーな独り言でした。
とにかく、ご同輩諸氏、歳を重ねるにつれなぜか毎日が忙しく、慌しくて、一日、一年がアッという間に過ぎ去りませんか。そんな時は少しゆとりを持って、こんなローカルの出張はいかがでしょう。「一人になる時」なんて滅多にありませんから。そして、何かを想い出して感傷にひたるのは私にとっての“クスリ” ですから…。
「忙中閑在リ、一服ノ薬ト成ル」