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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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チャバタ・バーガー

 観光土産菓子の斎藤製菓さんの話ではありませんが「札幌へ行ってきました」。
初春の札幌の大通りは除雪された埃混じりの黒山となっている残雪があちらこちらに。小雨まじりの夕方の気温は7・5度で意外と暖かく、東京から持参したマフラーは札幌滞在中の3日間とうとう使わずじまいでした。
わざわざ空港まで迎えにきてくれた札幌木村屋の大黒常務の案内で円山公園駅の上にオープンしたばかりのmaruyama class(マルヤマ・クラス)というショッピングモールに直行しました。大通り側の正面エントランスの右側にひと際お洒落なブーランジェリーがあります。ショーウインドー越しに若い女性三人が「かわいいパンねー」「本当おいしそう」「ネェ、ここでお茶しない?」って、キャッキャッしていました。そうです。この店はベーカリーカフェで買ったパンや、メニューの中からコーヒーやサンドイッチを食べられるのです。しかもパリ感覚で。私も大黒常務と中へ入りました。
ここで名前は伏せますが、実はここ「pain au  traditionnel(パン・オ・トラディショネル)」なるブーランジェリーのオーナーは私の良き友人なのです。ひと通りオープンのいきさつなどを聞いたあと、オーナーがハンバーガーを食べて行けとキッチンに注文を入れました。こんなこと初めてです。私に自店の製品を勧めるのは。だって彼のパンついて私は全て知っているつもりだったから。そういえば5年ほど前、我社のサンドイッチセミナーの後、実演コーナーで即席で作ってくれた菜の花のサンドイッチ。オリーブオイルと塩、胡椒だけなのに、あまりのおいしさに感動した想いが頭をよぎりました。
「おまちどうさま」。これはナ・ン・トいうことでしょう。長四角のチャバタの中に荒挽きのハンバーグがふたつ。その上には厚切りのソテーしたオニオンとトマトのスライスが並んでふたつ。けっこうなボリュームですな。ではいただきましょう。ナイフで半分にカットして大黒常務とかぶりつきます。
「このチャバタ、モッチリしていて歯切れがいいね」
「荒挽きのハンバーグと玉葱が"本物"を主張してるね」
 ケチャップとマスタードだけの味付けはハワイのBBQのような自然のおいしさをチャバタが包み込んでいます。トーストやカイザーバンズ、ナンやピタブレッド、私もいろいろ試してはいたのですが、このチャバタハンバーガーには一本とられました。

人生これから

 久しぶりに乗った電車で女子高生から席をゆずられました。「おじいさん、どうぞ」一瞬のことでつり革越しに周りを見渡しても30~40才代ばかり。女子高生は私の目をしっかりと見て立ち上がりました。「どうもありがとう」。か細い声で年寄りをつくろって座り、眠ったふりをしたものです。
「そんなに年寄りに見えるのかなぁー」
  おじいさんはボヤキ混じりにつぶやきました。そういえば50才を過ぎた頃から歯に異常をきたし始めました。今までだれにも負けない歯並びの美しさと丈夫さで、よく子どもたちに自慢したものです。梅干の天神様。ご存じですか? カリッと奥歯でひと齧りでかち割ったものです。あれから十年。今日はかかりつけの歯医者で五本の入れ歯が入りました。近所の歯医者で以前治療していたとき、五本のインプラントで三百六十二万円! の見積りを見せられたときから、頭髪が以前にも増して白くなったのは気のせいでしょうか。でも、このご時勢ですから、インプラントでもなく、ブリッジでもなく入れ歯です。しかも保険内で。治療中に前歯でコリコリとタクアンを食べるのはもういやですから。
  昔はよく本を読んだものです。今ではどうでしょう。老眼はトシを重ねるにつれ、1.5、2.0、2.5と収入に反比例して老眼の度数は上がるばかり。文庫本を一気に読み終えて老眼鏡をはずすとクラクラします。一瞬、あたりはボーっとモヤがかかり、空港の狭い喫煙室にいる気分です。
でも私はまだ62才なんです。女子高生に「おじいさん」呼ばわりされる由縁はない! と、断固コブシを机に叩きつけても行きつけの床屋では白髪ボカシをしています。入れ歯もしっくりいきません。まあ保険内だから……。せめて「おじさん」だったら「ハイ、ハイ」と返せますよね。
人生はこれからです。人生で一番難しい仕事って何ですか? それは何もしないこと……。粋な答えではありますが、なんたって一番難しいのは女房コントロールではないでしょうか、ご同輩。

浮気に時効はない

"全国亭主関白協会"なるものをご存知だろうか? 通称"全亭協"は福岡でタウン誌の編集長をしている天野周一氏が会長を務める亭主のための団体で夫婦円満になるための秘策を伝授してくれる。
  昨年の12月6日に東京アメリカンクラブにて開催された「先進国苦悩サミット」のテーマは"愛の三原則で世界を変えよう"と、アメリカ・イギリス・ドイツ・中国・韓国など世界中から会員が集結した。タイトルは「Change! The亭主。亭主が変われば日本が変わる」である。ちなみに愛の三原則とは「ありがとう」をためらわずに言おう、「ごめんなさい」を恐れずに言おう、「愛してる」を照れずに言おう、である。
  また非勝三原則なるものは「勝たない」「勝てない」「勝ちたくない」で争わないことが真の勇者であり、勝者なのだと説く。
次がおもしろい。浮気の三原則。「しない、してない、する気もない」。浮気に「時効はない」と心得よ。
今回採択された夫婦ウル・オス三原則は冷えつつある夫婦の絆を復活させるべく「しゃべる」「食べる」「触れる」であった。スローガンの「世界中の亭主のため息排出量を二〇一〇年までに半減しよう」を全世界の亭主が批准することを採択して懇親パーティーが行われた。
会員から寄せられた川柳を紹介しよう。
"まだ言うの あの日の浮気は もう時効"
"亭主力 つけば家庭に 春がくる"
全亭協に入会するには関白検定なる試験があり、段位を認定してくれる。興味ある方はどうぞ。ちなみに私は一級です。
最後に天野会長のコラムより一席。
愛妻の「ハイ」は「ハイ、ハイ」に変わり、いずれ「ハァ~?」に変わっていく。

ハナ・ノカ・オイ

 ハワイ諸島のひとつマウイ島。私が好きな町がここにある。"ハナ"。ここは天国に一番近い町といわれるように、空も海も、鮮やかな緑がたくさんある町並みも、全てが時空を超えた別世界。心がなごむ理想郷。
私の好きな場所がここにある。"ワナナルア教会"。緑の壮大な芝生の真ん中にその白いチャペルはあり、青い空に向けて立つ十字架が太陽の日差しを受け光り輝いている。一八三八年に建てられたカメハメハ王朝直系のハワイアン・プロテスタント教会。日曜礼拝にアロハやムームーで着飾った信者や観光客が、笑顔をふりまく牧師のハグを受け、ジャスミンの白いレイをかけられて中へ入っていく。白い木造の教会の開け放たれた窓の外には朝露に濡れた芝生にパームツリーや、ハイビスカスがそよ風にゆれている。木漏れ日が窓際に座る私に降り注ぐ。
木製の長椅子とテーブルは一七〇年の"時"がつくりあげた神々しい艶が歴史を感じさせる。使いこまれた古いオルガンの音色に合わせ、賛美歌が風にのって天井に、空に、海に、しみてゆく。窓のすぐ側にたわわに実をつけたパパイヤの枝にとまった赤い小鳥のチ・チ・チという鳴き声と重なり合って。
「ハナ・ノカ・オイ(ハナは最高!! という意味のハワイ語)」礼拝のラストは全員で手をつないで肩を揺らして歌う賛美歌。誰とでも仲良しになれる笑顔の絶えない白い教会。そうです。ここにくれば明日が見えます。未来が開けます。そして"時"はゆったりと流れ、夢のような4日間が過ぎ去りました。
現実に戻っても、つらい試練と対峙するとき、15年経った今でもいつも心の中にあるハナの白い教会。みぞれ混じりの冷たい雨が降りしきる、そんな日に思い出しました。癒される旅は好きですか? 一度、訪れてみませんか? 私は試練と困難のこの年を乗り越えることができたら、家内とふたりで感謝を捧げに来年は訪れたいと願っています。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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