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コラム 三寒四温

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キンキ 王道の食し方

 以前に取り上げました「キンキとメンメ」では、多数の読者の皆様からお問い合わせをいただきました。「本当にお湯で煮るだけで、ウスターソースをかけておいしいの?」「まずくはありません。考え方次第です。煮魚という概念を捨ててから召し上がって下さい」と答えました。
  少し大げさにおいしそうに書きましたが、「それはそれでおいしかったよ」とお褒めのメールも頂きました。しかし、キンキを甘辛く煮魚として食すのは王道でございまして、北海道の皆様には大変申し訳ございませんが、少し道を外れた"一地方の食文化の形"としては大変参考になりましたこと、お礼申しあげます。
  昨夜、私はキンキの王道煮をいただきました。私は水は入れずに、大きめのフライパンにウロコを取ったキンキを寝かせて、たっぷりの日本酒を注ぎます。そして強火で酒が沸いたらたっぷりの砂糖をキンキにかけ、その上に生醤油を回しかけます。生姜ひとかけと長ネギのぶつ切りを入れるのを忘れてはいけません。中火にしてしばらくすると食欲をそそるいい香りを含んだ湯気がキッチンに立ち込めます。日本人にとっての味覚の原点である醤油が、砂糖・酒と相まって、しかもキンキの脂と乳化していい感じのタレができあがり、キンキに味を含ませております。肝を腹の中に入れたままにするのを忘れてはいけません。これは驚くほどの美味なんです。
  煮立てたキンキをひっくり返すのはご法度です。鮮やかな朱色の表皮が傷ついてしまうからです。目で見て味を楽しむのも料理の王道でしょう。だからスプーンで表面にまわりの熱いタレをかけ続けます。
  荒ぶりの釉薬が美しい源右衛門窯の大皿に盛られたキンキはヒレがピンと立ち、プルッと膨れた朱色のその背も腹もただ者の魚ではない存在感に圧倒されます。「まあ、香りからして甘いわ、キレイでおいしそう」とは家内。そして最初に箸をつけるのも家内。首をふりながら「オイシイー」の連発です。キンキの煮付けには熱燗が良く合います。さ、奥方、もう一杯いかがですか。
  肝は半分残しておいてね。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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