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コラム 三寒四温

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感動

 「勝負は時の運」といはいえ、練習に次ぐ練習で技術の研鑽を積み重ねて、一国の代表選手が選ばれるオリンピック。人類最高の技を競い合う競技の数々に、TV桟敷に釘付けになっている私は、期間中、仕事が手につきません。中でも女子モーグルの上村愛子さんの競技には特に力が入りました。
  オリンピック前から彼女の特集番組をTVで見るにつれ、かなりの上村愛子通になってしまったのは私だけではないでしょう。日本国民の期待の星、メダルに一番近いと言われ続けて相当のプレッシャーもあったと思いますが、彼女とモーグルの出会いは中学2年、14歳のときにカナダへ初めての海外ひとり旅をしたときだそうで、帰国後はオリンピック出場を目指して、猛特訓に励み、そしてその努力が花開き、その後は数々の国際舞台で活動して優勝も経験しました。
  そして念願のオリンピック出場を長野五輪で果たしたものの大舞台となるオリンピックでメダルに手が届かないもどかしさの中、彼女は4回目となるオリンピックの代表選手に選ばれました。それは思い出の地、カナダ・バンクーバー冬季五輪です。この運命ともいえる今大会で、報道に煽られた国民はだれもが彼女のメダルを信じたでしょう。――実は私もそうなのですが――。
  TVの実況でアナウンサーが絶叫します。「上村早い! 上村早い! すごいぞ、上村!」ものすごいスピードでコブだらけの斜面を駆け下りる姿はとても美しい。「エアが決まったあ! 上村やりました――!」ゴールにたどり着いた上村選手は白い大きな息を吐きながら、ゴーグルを外して遠方を見やりました。その瞬間は全てが静止して見えたかもしれません。「あのときと同じ空だわ」地鳴りのように歓声と拍手が徐々に大きく聞こえてきます。
  結果は4位、メダルにあと一歩届きませんでした。世界の壁はこんなにも厚いものか。技術の進化は人類の限界を少しずつ変えていく。極限を求めて。そう、それがオリンピックゲームなのですね。
  上村愛子さんは私たちにメダル以上のプレゼントを与えてくれました。それは「感動のプラチナメダル」です。
  また、いつか貴女の勇姿を見たいと願っています。不屈のチャレンジ精神と極めた限界の技を。ありがとう、上村愛子さん。

報道の罪

ハイチ地震の死亡者が23万人を超えた。これは2004年に起きたスマトラ沖大地震、インド洋大津波の犠牲者を凌ぐ悲劇的な数字だ。
  ハイチ復興へ向けて世界各国から援助の手が差し伸べられているが、今回はスマトラ沖の場合と何かが違う。そう、火事場ドロボウでは済まされない児童の誘拐が多発していることだ。狙われる子どもたち。その目的は臓器売買と労働従事にあるという。なんとおぞましいことか。義援金ぐらいでしか協力できない身としてはこのようなニュースを見ると怒りよりもむなしさを感じてしまう。正義が優先してほしいと願いつつ子どもたちの無事を祈るばかりです。美談の報道もあります。アフリカの貧困国に暮らす子どもたち。その地域の子どもたちは靴を履いていません。そんな子どもたちに靴を贈ろうとある百貨店が下取りセールを行い、たくさんの子ども靴を集めて、コンテナに乗せ現地に送りました。ボランティアの人たちがサイズの合う靴を一足ずつ分け与えます。ニコニコはしゃぎながらヒビ割れた踵の素足ではいて何度も飛び跳ね、走って、ボールを蹴って喜ぶ子どもたち。カラフルなゴム長靴の女の子もいました。みんながみんな、目がキラキラ輝いています。
  北朝鮮の〝コッチェビ〟は今どうしているのだろうか。ふと頭をよぎりました。ヒートアップしていた報道も、視聴率をとれなければそれで終わり。子どもの誘拐も忘れ去られてしまうのでしょうか。TVって何だろう。人は報道に振り回され、泣いて、笑って、怒って、そしていつしかその事を忘れてしまう。まるで発表される日までの宝くじのようです。ワクワク、どきどき、夢を見ながら、外れたら夢と一緒にゴミ箱行きです。いま、問われる報道の罪とはいったい何なのだろう。流され、泳がされて、結局はただ見ているだけの視聴者の自覚が問題なのでしょうか。

夫婦円満

「最近物忘れがひどくなった気、しない?」
「そうね」。
  しばらく考えてから家内は応じた。目の前のテレビが騒がしい。最近購入したLEDのテレビは色がきれいなのだが、とにかくテレビ番組の内容がお粗末だ。お馬鹿を売り物にするタレントがキャッキャッいいながらクイズ番組ではしゃいでいる。こんなものを見る方もそうだが、情けない限りだ。
「鳩山由紀夫!そうそう、ユキオだよユキオ!」と、いきなり私が大きな声を出したのでリビングの端で寝ていた愛犬がビクッと立ち上がってそばに寄ってくる。愛犬の名はリュリュ。犬種はボーダーコリーのオスで4歳、黒い顔に白い鼻筋が通った髪の毛がフサフサした牧羊犬だ。“遠くの孫より近くの愛犬”ということで、夫婦二人で溺愛している。
  鳩山由紀夫、どうって事はない。今朝の会話で二人して総理大臣の下の名前が分からず、調べもしないでそのままになっていたのだ。「いやはやお恥ずかしい限りだね」というと、家内はうなずきながらお気に入りの古伊万里のぐい飲みグラスに注がれた吟醸酒を飲み干して笑った。
  とまあ三文小説風に我が家のひとコマを描写してみましたが、忘れたことを「まっいいか」で済ましてしまうと、脳の細胞の一部が死んでしまって元に戻らずボケにつながるという話を聞いてから、極力思い出すように努めているのですが、物忘れをしていることも忘れるほど。もう、お手上げ状態の昨今であります。
  家内と外食をしたときなど、携帯電話を持って出るのをよく忘れることがあります。帰宅してから「携帯が無い!」と慌てふためく私。「ハイ、あなたの携帯ですよ」と、にこやかに渡してくれる家内。ちょっと意地悪な気もするのですが、一度華をもたせてあげました。忘れたフリをして。
「もう駄目ね、あなたは」。この笑顔が夫婦円満のコツではないでしょうか。

スピナッチ・サラダ

 このコラムを書いた翌日の1月29日付東京新聞朝刊の「筆洗」にも引用されていて驚いたのですが、新聞作りに欠かせない「5W1H」があります。なぜ(Why)、何が(What)、誰が誰と(Who)、どこで(Where)、いつ(When)、どのように(How)です。
  新聞社の記者としては情報を的確に文章にするのにとても大事な6つのフレーズですが、企業人にとってもビジネスシーンで欠かせない論理的なコミュニケーションを取る上で大切な「5W1H」ですね。「その主張は聞き手にとってどのような意味があるのか」一つひとつ検証していくことで会議は踊るのでしょう。
  情報を的確に相手に伝える方法に「ホウレンソウ」があります。「報告」、「連絡」、「相談」の略語でサラリーマンの心得だそうで、これは、仕事は命令、指示で始まり報告で終わることだそうです。「会社組織の中で良好なチームワークを作る基本となるもので、常に頭に入れておく必要がある」とNIKKEIの〝ビジネスまるごと情報源〟に書いてありました。最近の企業の導入研修などでは必ずと言っていいほど登場しているそうです。
  ホウレンソウといえば、今が旬の緑黄色野菜の王様です。私の一番好きな料理法をひとつ伝授いたしましょう。よく洗ったホウレンソウを手でちぎり、大きめの皿に盛る。湯がいた小エビをその上に散らし、ピザ用のとろけるチーズもパラパラッと。生のスライスベーコンを2センチに切り、フライパンで炒め、ベーコンオイルがたっぷり出たらフレンチドレッシングと合わせ、熱々をホウレンソウの上に回しかける。私流スピナッチ・サラダです。一度ご賞味あれ。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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