義の人
前ケニア駐日特命全権大使のデニス・アオリさんが10カ月ぶりに日本へやってきた。現在の仕事はケニアの首都ナイロビに本拠を持つ豊田通商のアフリカ大陸の八ヵ国を統括する役職にあるという。今回の来日はケニア共和国のオディンガ首相の随行なので分刻みのスケジュールでは中々再会のチャンスもないが、アオリさんは以前から「日本に行ったら、どうしても訪れたい場所が二つある」と常々電話でおっしゃっていた。一つ目は四年前、当時は農水大臣であった故中川昭一さんの自宅を訪れ焼香することであった。私が農水大臣室にアオリ大使を連れて紹介したのが中川さんとのお付き合いの始まりで、政調会長就任を前にした農水大臣として、ケニア視察も決まり、キバキ大統領や各要人との意見交換やミーティングに忙しく職務をこなされていた中川大臣はとても輝いておられました。その時、私もお供させていただいたのはつい昨日のことのようです。
公務の合間を縫って、旧知の友人でもある中沢フーズの中澤康浩社長と私の家内とアオリさんの四人で中川邸を訪れた。郁子(ゆうこ)夫人が出迎える玄関には「中川昭一」の表札が達筆な文字で彫られている。たくさんの花と写真で飾られた仏間とリビング、中川さんの思い出がたくさん詰まった部屋だ。焼香を終えたアオリさんとケニア訪問時のアルバムを一緒に見て思い出を語る郁子夫人。〝井戸を掘った人を忘れない〟の例え通り、義を尽くされたアオリさん。中川昭一先生のご冥福をお祈り申し上げます。
オディンガ首相が帰国された次の日の夜、私たちは高円寺の〝さぬきや〟の暖簾をくぐった。故中川昭一先生もこよなく愛した創作酒肴とうどんの名店で私がお連れして常連となってしまった業界人は数知れず。その料理法は本にもなった。そういえば昨日焼香に訪れた中川さんの仏壇にもその本は確かに置かれていた。少しずつ出される酒肴の味と盛り付けの美しさ、そして合わされた酒に感動して、アオリさんが大使だった頃、大使館の総料理長のオソゴさんも料理見習いに1カ月修業させたほどの入れ込みようであった。久々に〝さぬきや〟の味に舌鼓を打ち、翌日、あわただしくケニアに帰国されました。今度は私が訪れる番ですね。
公務の合間を縫って、旧知の友人でもある中沢フーズの中澤康浩社長と私の家内とアオリさんの四人で中川邸を訪れた。郁子(ゆうこ)夫人が出迎える玄関には「中川昭一」の表札が達筆な文字で彫られている。たくさんの花と写真で飾られた仏間とリビング、中川さんの思い出がたくさん詰まった部屋だ。焼香を終えたアオリさんとケニア訪問時のアルバムを一緒に見て思い出を語る郁子夫人。〝井戸を掘った人を忘れない〟の例え通り、義を尽くされたアオリさん。中川昭一先生のご冥福をお祈り申し上げます。
オディンガ首相が帰国された次の日の夜、私たちは高円寺の〝さぬきや〟の暖簾をくぐった。故中川昭一先生もこよなく愛した創作酒肴とうどんの名店で私がお連れして常連となってしまった業界人は数知れず。その料理法は本にもなった。そういえば昨日焼香に訪れた中川さんの仏壇にもその本は確かに置かれていた。少しずつ出される酒肴の味と盛り付けの美しさ、そして合わされた酒に感動して、アオリさんが大使だった頃、大使館の総料理長のオソゴさんも料理見習いに1カ月修業させたほどの入れ込みようであった。久々に〝さぬきや〟の味に舌鼓を打ち、翌日、あわただしくケニアに帰国されました。今度は私が訪れる番ですね。