直伝の味
経理事務の仕事をしている家内が、仕事の合間に会社のキッチンで小気味の良い包丁の音を立てている。トントントン、サクサクサク。そこへ三浦記者がお茶を飲みにやって来て「もうこんな季節なんですねー」と、感慨深くお茶をすする。
そうなんです。我が家の名物、ネギ味噌は毎年今頃になると社員へふるまわれるのです。その会話を聞いて私もキッチンへ行ってみました。柔らか白ネギが50本?茗荷が大量!大葉が大箱に2つ、青唐辛子百本?ぐらい。味噌3種類、各1kgずつ。これらの食材が台所に所狭しと置かれているのを、まな板でひたすら切る、切る、切る。すべてを微塵にするんです。大きな洗面器2つに次々と微塵切りにされた野菜が入れられていきます。そこで登場するのが米酢、ザラメ、本味醂、日本酒です。ザクザク、ドボドボ入れちゃいます。まるで目分量の神の域に達しているかのように。メジャーカップなんて必要ないんです。見ていてハラハラしますよ。そしてざっくり手を入れてかき回して味見。「ウンウン、酢をもう少し」「ウンウン、ヨシヨシ」。人差し指にたっぷり乗せた出来立てのネギ味噌を私に無言で食べろ!と突出します。無言の圧力です。そしてその目には自信がみなぎっています。そう、私は〝勝たない〟〝勝てない〟〝勝とうとしない〟の我が家のルールを守っていますから、ア・ウンの呼吸なんです。「なんだよ、今はいいよ」なんて言えません。「う、旨い!」。この味は本当にホンマものです。
ネギ味噌は実は私の母の直伝の料理なんです。世界で一番の我が家の味と自負してます。よろしかったらおすそわけしますよ。
早速お昼にいただきました。前日の残り飯をおにぎりにしてありましたので、よーくオーブンで焼いて一面を残して醤油にまぶし、残り一面を上にしてネギ味噌を塗り、もうひと焼き。お椀には小匙2杯のネギ味噌にお湯を注げばネギの味噌汁の完成です。大葉、茗荷、青唐辛子が彩りよく、目が喜びます。そして口にうれしい、喉においしい。明日は冷や麦につけてたぐってみますか。
そうなんです。我が家の名物、ネギ味噌は毎年今頃になると社員へふるまわれるのです。その会話を聞いて私もキッチンへ行ってみました。柔らか白ネギが50本?茗荷が大量!大葉が大箱に2つ、青唐辛子百本?ぐらい。味噌3種類、各1kgずつ。これらの食材が台所に所狭しと置かれているのを、まな板でひたすら切る、切る、切る。すべてを微塵にするんです。大きな洗面器2つに次々と微塵切りにされた野菜が入れられていきます。そこで登場するのが米酢、ザラメ、本味醂、日本酒です。ザクザク、ドボドボ入れちゃいます。まるで目分量の神の域に達しているかのように。メジャーカップなんて必要ないんです。見ていてハラハラしますよ。そしてざっくり手を入れてかき回して味見。「ウンウン、酢をもう少し」「ウンウン、ヨシヨシ」。人差し指にたっぷり乗せた出来立てのネギ味噌を私に無言で食べろ!と突出します。無言の圧力です。そしてその目には自信がみなぎっています。そう、私は〝勝たない〟〝勝てない〟〝勝とうとしない〟の我が家のルールを守っていますから、ア・ウンの呼吸なんです。「なんだよ、今はいいよ」なんて言えません。「う、旨い!」。この味は本当にホンマものです。
ネギ味噌は実は私の母の直伝の料理なんです。世界で一番の我が家の味と自負してます。よろしかったらおすそわけしますよ。
早速お昼にいただきました。前日の残り飯をおにぎりにしてありましたので、よーくオーブンで焼いて一面を残して醤油にまぶし、残り一面を上にしてネギ味噌を塗り、もうひと焼き。お椀には小匙2杯のネギ味噌にお湯を注げばネギの味噌汁の完成です。大葉、茗荷、青唐辛子が彩りよく、目が喜びます。そして口にうれしい、喉においしい。明日は冷や麦につけてたぐってみますか。