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コラム 三寒四温

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天地創造

全国の交通渋滞情報がTV画面に流れる。「下りも上りもどこも込んでるな」と、ベランダに出て首都高のジャンクションを見下ろすとすでに都心も渋滞となっている真夏のお盆の日、旧暦では〝立秋〟なのに、この暑さは一体なんなんだ!ふきでる汗を手でぬぐいながら、頭上から照りつける太陽を目を細めて見やると、ふと〝天地創造〟が頭をよぎった。旧約聖書の創世記第一章第一節より三節まで。「はじめに神が天と地を創造した。地は形がなく何もなかった。闇が大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた。そのとき神が『光よ、あれ』。と仰せられた。すると光ができた」。私は今、その光を見ている。その輝きはすべての物を照らして恵みを与えてくれる。朝焼けから夕焼けまでの光の変化を神々しく感じるのはこういう訳なのだと再認識しました。
 『失われたときを求めて』で有名な作家のマルセル・プルーストは「神に対する最高の賛辞は無神論者による神の否定だと言われている。彼らは天地創造の完璧さは創造主である〝神〟なしではすまされない域に達していると考えているからだ」と、語っています。釈迦は「宇宙空間は果てしないのか、果てがあるのか」との弟子の問いに「物事のはじめが明らかになることがいったいなんの役に立つのだろう」と、天地創造の謎には触れなかったと、私が読んだ『創造者たち』(集英社)に書かれておりました。お釈迦様も心の中では神が天地を創造されて現世があると思っていたかもしれないと想像すると人生観が変わっていきそうです。宗教は世界に数々ありますが、やはり〝天はひとつなんだ!〟とつくづく思わされました。
 日本は旧暦のお盆で民族大移動をしています。クリスチャンも仏教徒もヒンズー教徒もお盆はお盆。そして12月25日はみんなの〝クリスマス〟なんですね。友達、家族、大切な人を想う素敵な風習は誰もが大事にしなければなりません。

自分の居場所

とんかつの「とんき」目黒本店へ久し振りに家内と2人で行って来ました。確か30年以上前になるかな、私の母が「とんき」のとんかつが大好きで、当時の高円寺の自宅より運転手として、よく連れて行かれたのを覚えています。開店時間は16時でしたが今はどうだろうか。当時は開店時間前から行列ができて、あっという間に、40人は座れるコの字の白木のカウンターは満席になっていた記憶。16時30分を過ぎればカウンターの後ろにある、ウェイティング用のベンチシートはすでにいっぱいになって、入口のガラス戸にまで立って待たされる程の人気店であった記憶がよみがえり、南北線の目黒駅の階段を上るのももどかしく、ついつい急ぎ足になってしまいました。
 着いてみると外観は昔と相も変わらず、周辺のビル群に、2階建ての店舗が溶け込んでいました。白地に黒の平仮名文字で「とんき」と書かれた暖簾をくぐり、ガラス戸を引き開けると、30年前にタイムスリップしたみたいです。「ナ、何も変わって無い!」ぜいたくな程の広さのオープンキッチン内ではノリのきいた白衣に白帽の、とても清潔に感じる従業員が規則正しく接客しています。ながめていると楽しいですよ。とんかつの皿に盛られた千切りのキャベツが少なくなるとザルにいっぱいのキャベツを菜箸で「おかわりいかがですか?」ってカウンター内を走りまわる係が何回でも盛っていました。「変ってないなー」そう! 私は大のキャベツ好き! 今日は3回くらいおかわりをしそうです。
 10分程の待ち時間でカウンターに座れた私達は、ビールと熱燗をそれぞれ注文。ピーナッツと塩昆布が2皿ずつサービスされるのも同じで、有料のお通しではありません。ロースとフィレの定食をそれぞれオーダーして酒をひと口飲んだら、「アッ」と気づきました。さっきから何か足りない、と感じていたんだ。それは30数年前、アトランダムにウェイティングシートで待つお客様のオーダーと順番を正確に覚えてくれていたお姉さん。それはそれはまるで神技でしたよ。席が空くと手を差しのべて「そちらの3人様、どうぞこちらへ」。お客の顔、全て覚えている訳です(それを一人で仕切るのです)。聞くところによると、今はご隠居の身ですが毎晩閉店前の9時過ぎ頃に店へ遊びに来て店内を眺めているそうです。引退しても自分の居場所がある。なんかほのぼのしますねー。あの技、もう一度見てみたいな。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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