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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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やわらかい景色

強い台風15号は、日本列島を南からなめるように北上して、各地に甚大な被害を与えて22日、北海道の東海上に去っていきました。その前日、21日の会社での昼食時、雨混じりの強風が窓ガラスを叩きつけます。外を見れば、折れんばかりに巨木がしなって小枝が飛び散り、すさまじい風音は猛獣がゴォー、ゴォーと叫んでいるかのように感じる。私は子供みたいですね。昼食もそこそこに、社員に帰宅を促して、私と家内も車で首都高速に乗り、自宅のある六本木を目指しましたが、時折り吹きつける強風にハンドルをとられ、自動ワイパーも最大限にフロントガラスをせわしなく拭いているのですが、視界が悪く徐行運転を余儀なくされます。
 3時に帰宅して、帰りを待ちわびていた愛犬と一緒に溜池のジャンクションを雨が吹きつけるベランダから見下ろすと、どの方向も上下線がビッシリ詰まってビクとも動いていません。時折り、酔った感じで体が揺れたので、地震かな? と思って部屋に戻ってTVをつけると、どこの局も台風情報一色です。どうやら風速25m超えの強風が30階建てのビルを揺らしているみたいです。すでに東京と近郊の高速道の入口は閉ざされ、地下鉄、JR線や各私鉄は運休になり、もちろん航空機は飛ぶ事もありません。3・11と同じく、東京都心の駅近辺は早くも多数の帰宅難民であふれ、バスを待つ人、タクシーを待つ人でごったがえす新宿・渋谷・新橋のターミナルがTV画面に写し出されます。
 自然の脅威に、ナント人間は弱いものか。災害予測の想定内の範囲はどれを基準に備えたらよいのか。大変難しくも難題な、「宇宙とは」との問いにも聞こえてきます。
 翌日、台風一過の秋晴れは、路上に捨てられた原形をとどめぬビニール傘以外は「平穏な景色」に見えるのがつらいですね。
 もみじの落葉があふれる池に、風が吹き、おどる紅葉。こんな〝風〟が秋を運んで来て欲しいものです。景色がやわらかく感じられる、〝いい感じ〟の秋ですよー、きっと。

ブラボー

 ♪カップスタ~ 食べたその日か~ら 味のとりこにとりこになりました パピプ・ペポパポ ハ・フ・ホー! ちゅるん ちゅるん(バック・コーラス)……♪ 確か、こんな感じでしたか。最後に桜田淳子さんが「とっても一番、おいしいカップ」と締めくくった30年程前のTVCМ。当時の私は、このCМに触発されたのか感化されたのか、とにかく歌詞の通りに、食べたその日から虜になってしまいました。カップスターを食べ続けて30年! 味は変わらずに私は変わった。あっという間の四半世紀超えであっても当時と変わらぬ定番の醤油味には飽きがくる事がありません。不滅のロングセラーですね。
 私のB級グルメ番付ではカップスターは西の張り出し横綱です。東の正横綱は「横浜・崎陽軒のシウマイ弁当」。これは多分、永遠に不動でしょう。よーく考えられた、手を抜かずに愛情込めて作られたおかず達のバランスに、冷めてもおいしい、シウマイと俵めし。さすがですね崎陽軒さん。では、西の正横綱は? まちがいなく、ジャム・マーガリンのコッペパンです。毎日食べても飽きません。ですから、私の体型は変貌を遂げつつ、進化? しているのです。
 しかし、カップヌードルをも寄り切るカップスターは残念ながら今場所を限りに十両落ちとなりました。なぜって? まず、斬新なデザインで熱いカップを持つ手に優しいギザギザが、なんと印刷になってしまいました。遠目に見ればギザギザがありますが、これではいけません。「ギザギザ」プラス「味」が、カップスターの取り柄だった事をサンヨーさんはわかっているのかな。さらに、私が住んでいる溜池山王界隈のファミマやセブンイレブンに売っていない。これにはガッカリです。リバイバル・ギザギザカップと、こまめな販促で西の正横綱を目指して出直してもらいたいものです。ちなみに西の正横綱でもう一品、味の素の冷凍チキンライスです。冷食の〝奇跡〟といっても過言ではありません。
 素晴らしい味と卓越した日本の食品技術にブラボー!

秋の訪れ

 ハンバーグを期待してはいけないハンバーグ。この摩訶不思議な食べ物に私は30年間はまっているのです。
 30年ほど前に高円寺商店街の一角に「ニューバーグ」というレストランが開店しました。一時は北口近辺に3店舗あったのですが、現在は2店舗が営業しています。そして高円寺以外に「ニューバーグ」はないのです。
 なじみの床屋が高円寺にあるので今でも3回の床屋に一度くらいの頻度で立ち寄って、ひとり楽しんでおります。実は家内も子どもも孫も、みんなここの〝ハンバーグ〟は嫌いなのです。全員が口を揃えて「ハンバーグじゃない!」と言います。だから、家族に遠慮することもなくひとりで来られるのです。私が必ず注文するメニューはメキシカンハンバーグ。ライス、味噌汁、目玉焼き1個付き480円。
 いびつな構造の店舗を象徴するかのように波打ったカウンター越しに狭いオープンキッチンが広がります。ガスコンロ、グリドル、電子レンジ。この3つの機器で〝ハンバーグ〟なるものを調理するのですが、ガスコンロはハンバーグや目玉焼きなどを調理後に乗せるための鉄板を温めるものです。グリドルは型に割入れた卵を目玉焼きにするもの、そして電子レンジは調理済の〝ハンバーグ〟を温めるもの。だから、〝ハンバーグ〟はふにゃふにゃなんです。木枠に乗せられた熱々の鉄板の上に〝ハンバーグ〟とゆでて塩コショウされただけのパスタとコーン、グリーンピースの温野菜が少々、そして半熟の目玉焼きと少し辛めのメキシカンソースがかけられて出来上がりです。
 ここのメキシカン〝ハンバーグ〟を食べる時には私なりのルールがあります。まず、半熟目玉焼きを皿に盛られたライス(皿にあるとライス、茶碗だとご飯、何だか変ですね)の上に移動して、フォークで黄味をつぶしながら多めに醤油を掛け回します。次はメキシカンソースがかかった〝ハンバーグ〟にタバスコをこれでもかー!というぐらいかけまくります。ナイフは使用せず、フォークで割ってまずは一口。「グホッ、グホッ」とタバスコでむせながらぐちゃぐちゃになった卵混ぜご飯を食べてから、具がほとんど見つからない味噌汁を飲むというルール。何とも至福のひと時であります。この至福とは「おいしい」という意味ではないのです。「ああ、ニューバーグだ」との安堵感の意味なのです。例えると新宿にある熊本から出店のとんこつスープの〝桂花ラーメン〟みたいな感じです。「三度食べに来てください。きっと病みつきになります」と書かれてあった桂花ラーメン店内の貼り紙。嘘か誠か、二度と行かぬか、また食べたくなるのでしょうか。
 あなたも高円寺に行ったら三度とは言いませんから、一度挑戦してみませんか。
 帰路に、うっすらとした空を見上げれば十三夜のおぼろ月夜。弱々しいセミの鳴き声を鈴虫の大合唱がかき消していました。もう秋なんですね。

アンビリバボー

ミドルホールの第2打を、私は迷いもせずに7番ウッドを手に160ヤード先のグリーンへ向かってパートナーのアドバイス通り、軽いスイングを心がけてフィニッシュを決めると黄色いカラーボールは雲ひとつない夏空へ舞い上がりました。
 8月30日火曜日。この時期には夏日というのに珍しく、涼しい風がコースを吹き抜ける絶好のゴルフ日和、最後の夏を惜しむかのような蝉しぐれを浴びれば、トンボがつがって空を舞う。そんな中、3人のパートナーは絶好調でショットにムラもなくフェアウェイの中央を悠々と進むのですが私にはそんな余裕はありません。「今日はやけに左にひっかかるよー」と友人に愚痴をこぼすと、「アドレスでは右足を少し後ろに引いてごらん」とのアドバイスを受けて、自己流を捨て素直に聞き従うことにしました。そして、私は〝運命の一打〟を放つのです。
立野クラシックゴルフクラブ17番ホール。レギュラーティーからピンフラッグまでは365ヤード、パー4のミドルホールは、左に強いドッグレッグのコース。ショートカットでグリーンを狙うには200ヤード先の背の高い林を超えなければならず一般ゴルファーには無理な訳でありまして、まずは右バンカー脇のセンター220ヤードくらいに落とすのがベストよ、とキャディさんに言われ、精神を集中した私はドライバーを手にティーグランドに立ちアドレスに入ります。もちろん、友人のアドバイス通りに右足を少し引いて、トップからゆっくりと〝力〟を抜いて振り下ろすと、打球は狙い通りにバンカー脇220ヤードのフェアウェイにドンピシャリと着地したではありませんか! パートナーとキャディさんから「グッド・ショー!」の祝福です。私は久々にフェアウェイセンターを横綱歩きです。第2打地点からグリーンはピンまで160ヤードとキャディさんが囁きます。今日初めてのパーオンでも狙ってみますか。「右足を少し引いて、力を抜いて、振り下ろす」自分に言いきかせながら軽く振りぬくときれいにフィニッシュが決まったではありませんか!またまた「グッド・ショー!」
 黄色いカラーボールは一直線にゆるやかな放物線を描いてグリーンを目指します。そしてグリーン手前に落ちたボールは2~3度バウンドしてグリーンに乗り、ピンへ一直線にころがり視界から消えました。「アー、消えた! 消えたよー!」「エッ、ウソー!?」「ヤッタネ!イーグル?」みんな大騒ぎです。でも、あまり実感がわきません。皆のプレーを見守りながら、グリーンに一緒に上って小さなホールを見下ろします。「黄色いボール、あったあー!やったね!」ここでジワジワーと感動がわき出てきました。ミドルホールでイーグル達成!
 今年の後半は、まぐれで二つの良い事が起こりそうです。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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