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コラム 三寒四温

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先入観

韓国ドラマを録画しておいて家内と2人して鑑賞するのが休日の楽しみのひとつなのですが、なにせ2本の60分ドラマを月~金の5放送分、まとめて10話分となると、これは見応えがあります。でも録画なのでCMを3倍速で飛ばす分だけ時短できるメリット…メリットなのかな? とにかくビールに焼酎と氷、チーズにクラッカー、ポップコーンに炙った剣先スルメなど、TV桟敷は宴会場と化しています。ところで、韓国ドラマは食事のシーンが多いですね。特にインスタントラーメンがお好きなようです。アルミの小鍋でインスタントラーメンを作って、鍋のままスプーンと箸で上手に食べるシーンは微笑ましい限りです。このスプーン、最近になって柄が長いのに気付きました。スンドゥブスープを食べるシーンでは、皆で1つの鍋にスプーンを入れて器用に飲んでいます。自分1人で食べるのではなく、大人数で鍋をつつけるスグレものなんですが、衛生上どうなんでしょうか。関西の串カツでいう〝2度づけおことわり〟とは対極ですよね。気にかかります。
 そういえば昨年、ニューヨークの空港ラウンジで韓国人の、モデルのように美しい女性が〝辛〟ラーメンのフタを開けたと思ったら、その丸い紙フタを円錐状に巻いて、カップから麺を2~3本、そのフタの中に入れてフォークで器用に巻いてから口にしていました。スープがこぼれず、カップからダイレクトでなく、丸めた小さなフタ製のカップに入れられた麺は、熱さもとれて合理的ですね。何より、とても上品な食べ方だなーと感心したものです。もちろん、美しい女性だったからかも知れません。私が人前で同じことをしていたら、「アホか!」と言われる事は間違いないでしょう。
 それ以来、我が家の食材庫には辛ラーメンのストックが必ずあります。そして、韓ドラの締めにおいしくいただいています。ちなみに私はこのカップ麺を、辛いので「カラ・ラーメン」と読むのだと思っていたのですが、転勤先の上海から正月に里帰りした息子に「これは〝シン〟と読むんだよ」と教えられて、大笑いしたものです。後日、会社の新年会で社員に質問したら、全員「カラ・ラーメン」と答えました。先入観は怖ろしい。

親子3代

「今、父を荼毘に付してきました」。15日の夕方、長男の木村周一郎君から電話がかかってきました。木村屋總本店の元社長、木村周正さんが肺炎のため12日、お亡くなりになりました。享年70歳。「眠るように静かな最期でした」と喪主となる周一郎くんの声は重く、会話には長い沈黙が流れた。
 15年前のある日、周正さんから電話がかかってきました。
「こうちゃん(私の愛称)、中川昭一君が農水大臣になったので、インタビューをしてきなさい。大臣に推した平沼先生の秘書から連絡が行くからな。男を上げるチャンスだぞ」そして前代未聞の、業界紙による大臣室での単独インタビューが実現したのです。その後も「こうちゃん、銀座の田むらが初競りで落とした祝儀のマグロ、一緒に食いに行こうぜ」と正月早々にお供した思い出。銀座の一流クラブを梯子する道すがら、ショーウィンドーのガラスに映る2人の腹、格好を見るや「オイ、やばいぞ。そろそろダイエットでも始めるか」と大笑いした事。趣味のゴルフと海釣りにもよくお供をさせて頂きました。そこで麻生太郎元総理や榮太樓總本鋪の細田眞社長など政財界のそうそうたる重鎮をご紹介していただき、可愛がっていただいた想い出は、一生忘れる事はありません。
 「こうちゃん、周一郎を頼むぞ」。千代田生命を退職した周一郎君と初めて出会ったのが、築地の本社社長室。確か12~13年くらい前の1月の寒い日だったのを覚えています。今では「メゾン・カイザー」と言えば超有名人気店ですが、私の見る限り並大抵ではない努力と苦労をされたのを私は知っています。実家の助けも乞わずわずか10年余りで海外を含め20数店舗を有するブーランジェとして、マスコミにも引っぱりだこの若手実業家となりました。周一郎君がパン屋を始めるにあたって、まずは周正さんも卒業した米国AIBを主席で卒業しましたが、当時は世界で初めて親子3代の卒業生として話題になったものです。 
 ここ数年は、脳梗塞を患ったことを聞き及び、連絡をするのは遠慮していました。私の父の72歳でも早いと思っていたのに、まさか70歳の若さで逝かれるとは…悔やまれてなりません。周一郎君が最後に言いました。「親父が愛した神楽坂の『牧』で皆で大いに飲みましょう。飲んで騒いで親父の供養をしましょう」。そうしましょう。合掌。

イミテーション

 映画〝二〇〇一年宇宙の旅〟のロケ地としても有名なハワイで3番目に高い3千m超えのハレアカラ火山の直径11㎞、深さ8百mの巨大なクレーターからサンライズを見ようと家内とレンタカーで登ってきたのはいいのですが、雨交じりの強風に車が飛ばされるのではないかと困惑する中、やはりサンライズは見られずに這う々の体で下山したのですが、下界は常夏のハワイでした。「それにしても山登りの前に買い求めたチョコバナナマフィン、おいしかったね」「帰りは店じまいしていたので買いそびれちゃったわ」「今まで食べたマフィンの中で3つ星の味だったね」「あまーいバナナのフレーバーに少しビターなチョコがマフィンの中でいい感じにコラボしてたわ。明日もう一度来ない?」「バカ言うなよ。朝の3時はきつ過ぎます」。どなたか、ハレアカラのサンライズを見に行かれる方は登山道の手前の移動販売車で温かいコーヒーとマフィンを買って、ぜひ試してみてください。サンライズが見られなくてもチョコバナナマフィンがあなたをきっと癒してくれることでしょう。
 日本に帰国する前日の夜、私の友人夫妻と一緒に中国料理を食べにアラモアナホテル2階のレストランへ繰り出しました。お目当ては飲茶のショートリブ、北京ダック、そしてフカヒレスープです。ところが、ところがですよ。ショートリブはお昼しか作っていない。北京ダックは皮に塗りたくった油がきつい、甜麺醤がなく、しかも包むのはピンではなく蒸しパンという体たらく。フカヒレスープに至ってはイミテーションシャークフィンですよ。意味わかります?イ・ミ・テーション。なんとハワイの法律では本物のフカヒレはご法度なのだそうです。理由はフカヒレだけ取ってあとは捨てるから。これは虐待だ!ということらしいのです。じゃあ鯨は捨てるところなく食べているのにどういうこと?シャークにさわります。ということで中国料理は日本に帰ってから以前にリョーユーパングループの北村会長に教えていただいた六本木の中国飯店に食べにいくことにしましょう。ここは全てが本物です。

『共教育』のすすめ

 あけましておめでとうございます。二〇一三年の元旦は、実に清々しい気持ちで迎えさせていただきました。それというのも昨年の総選挙で自民党が圧勝した事による効果で、経済回復が飛躍的に加速するであろうという安堵感があるからなのかもしれません。報道番組によると米国内での日本車を生産する各社は軒並み生産量を増して、まさに長い不況のトンネルを抜け出した感があると報じていますし、株価も今年最初の取引で1年10カ月ぶりに1万600円を超える高値が付きました。また円安が進み、80円台後半で推移するなど日本経済回復への好材料が目白押しとなる原因を創り出しているのは、やはり安倍新政権の誕生がもたらしたのではないでしょうか。新たに始まったNHK大河ドラマで注目を集めている会津什の掟である「ならぬものはならぬのです」という、過ちを認める会津っ子の潔さは現代の日本国民にも受け継がれているようで安心しましたが、〝失われた3年半〟を取り戻すのは容易な事ではないでしょう。それにしても昔の人は素晴らしい規律を作ったものですね。世界では開拓地にまず教会が建設され、主の教えとその規律を守る事により、治安の安定した町ができます。仏教も然り、まずは人の教育が先んじられなければ発展はない、という事なんですね。
 我々の業界も、景気が良くなったと安心していてはいけません。好機であれば尚更、真の人材教育が重要と感じます。ただし通り一遍のマニュアルを教えるだけでは真の人材教育とはいえません。天変地異に戦争や紛争、何が起こるか分からないのが現代です。そんな時こそ、教える者も共に学ぶ、『共教育』が必要なのではないでしょうか。共に学び、共に知れば、また新しいコミュニケーションが生まれます。感動も共に覚える事でしょう。
 政治家も経済人もパン屋も新聞屋も、共に喜びを分かち合える二〇一三年となる事を私は信じています。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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