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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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メディアの責任

「アベノミクスは株価を押し上げて円安をもたらすなど日本経済は徐々に活性化の兆しが見えてきましたね」「でも円安はガソリンや灯油、電気料金値上げなど家庭の財政を逼迫しています」「そうそう、それが嫌よね! なんとかならないの!」と、ゲストのコメンテーターが得意げにアピールします。「この偽善者め!」自民党政権ではどうなの、民主党が与党のときはどうだったのとピーチク、パーチクうるさいこと、うるさいこと。結局、政治も経済もわからないクセに最後は正より負の方を徹底的に叩くのがマスコミの視聴率を上げる手法でして、なりふりかまわずかなり偏っている報道の仕方が目と耳にうるさい昨今のニュースショーです。ま、程度の低いショーだと見ていればいいのですが「そうだ、そうだ」と暗示にかけられ納得しちゃう視聴者には有権者の方も相当いらっしゃいますから、本当に怖い話です。
 ニュースショーといえば最近、よく耳にする〝フード・ファディズム〟。ウィキペディアによると「食べ物や栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること」とありますが、これもメディアがお茶の間に届ける最悪の情報であると私は確信します。「特定の食品を食べるだけですっかり健康になる」などというメディアの情報をそのまま信じて、偏執的な食生活に陥る恐れがあるのに、司会者もコメンテーターもそろって、得意げにその定かでない効用にまるで奇跡の特効薬が現れたみたいに、視聴者に誤解を与えるニューススタイルに私は腹が立つのです。メディアに操作されずに自分の責任で解決できればいいのですが。
 腹が立ち過ぎたのでおいしい話をします。一度行ってみたいなと思っていたイタリア料理の巨匠落合務シェフの店、日本一予約のとりづらい店としても有名なラ・ベットラ・ダ・オチアイに第一屋製パンの細貝社長夫妻のお招きで昨年の暮れに行ってまいりました。ゆったりとした個室で、落合シェフが料理について説明してくれます。記念写真も撮りました。おいしい料理とおいしいワインに家内は「これが噂の娼婦のパスタね、ウニのパスタも思ったとおり、フォカッチャもおいしいわ!」といつになくはしゃいでいました。
 おいしい料理には笑顔がつきものですね。

素材を知る

 〝自動サンド機〟この名称の由来はわかりませんが、製パン製菓業界では不可決なトレンドマシンであることには間違いないでしょう。昭和40年代の高度成長著しいこの時、新日本機械工業(現マスダック)の創業社長増田文彦氏が作り上げた〝自動サンド機〟は、その時流に乗り、日本全土へとそのマシンは広がりパン食普及拡大の一翼を担う重責を果たしたのです。消費者の方にはそのマシンの偉大さを理解される方は少ないかもしれません。そのためにもここでその仕組みのおさらいをしておきましょう。大小さまざまな焼成済みのロールパンがラインより流れて防御幕の中のカッターにて縦にスリットが入ります。次は自動充てん機にてロールパンの長さを感知してジャムやマーガリンを流し込むのです。それは横のスリットも可能で私の好物の一品でもあります。大手製パンメーカーのジャム、マーガリンサンドパンを思い浮かべてください。そして自動包装された製品は今でこそ当たり前の〝袋物菓子パン〟として流通していますが高度成長期の昭和40年代にはとてつもない発想のメリットがこの自動サンドされたパンの中に詰められていたのです。農作業の合間に手を汚さずに袋を破いて、おいしいサンドイッチがいつでもどこでも食べられる。正に今の〝携帯するランチ〟ランチパックの前身ですよね。
 私はこの自動サンド機の充填機能は、ジャムやクリーム、マーガリン、餡子などだけが搾れる具材だけと思っていました。しかし、先日マスダック本社にて2013モバックショウ出品機種を業界紙記者の事前説明会に呼ばれたとき私は衝撃を受けたのです。考えても見てください。スリットされたロールパンに充填機からナ・ン・ト焼きそばやマカロニサラダが、自動充填できるなんて思いもつきませんでした。このような流通のいかなる注文にも的確に応えられる技術陣の体制が整っているからこそ、不可能を可能にする知恵が出てくるものです。「素材を知ること、されば素材がベストな使われ方を教えてくれる」、素材と向き合う正しい姿勢がマスダックにはあるようです。これで3月のモバックショウに行く楽しみがひとつ増えました。

無口な夫

 ある日、書棚を整理していると、新聞の切り抜きが一枚出て来ました。私はほとんど新聞の切り抜きなどした事が無かったので、この一枚に驚きました。それは多分、出張先で読んだコラムを無理やり、手で裂いたのでしょうか。縦は上手に破けているのに、横はギザギザ、新聞紙を横に破るのは難しい、と以前聞いたことがありますが、そこまでして残しておきたかったこのコラム、もう一度読んでみるとその時の思いが再び込みあげて来たではありませんか。という訳で皆様にもぜひ読んでいただけたらと掲載させていただきました。(二〇一二年二月一日付けの読売新聞朝刊の「ぷらざ」より)

 夫とは結婚前から会話らしい会話をしたことがない。非常に無口なので、ほとんど私がしゃべっている。最近は相づちすら打たない。食事中、「人生案内で相づちしか打ってくれない夫に不満、というのがあったけど、うちはそれすらない夫だね」と言ったら、息子や娘にウケた。(中略)先日、家の近くの一本道を歩いている時のこと。自転車に乗った夫が遠くに見えた。大きく手を振ったら、ふらふら蛇行しながらライトをピカ、ピカっとつけて応答してきた。私はすれ違いざまに「じゃあね」と声をかけた。ライトでの応答が、おかしくて、なぜかうれしくて、夫が通り過ぎてから、自分の口元がゆるんでいることに気付いた。お互いに年を取ってしまったけれど、まだ大好きなんだな、と自分の心に驚いた。(東京都・向井さち子 58)

 さち子さんご一家に、幸あれ。

 なんだかんだと言っても夫婦は夫婦です。人それぞれの人生ですが「愛」あってこその夫婦円満ですね。(できれば、二〇一二年一月二十日号の弊紙コラムも併せてご参照下さると、良くご理解いただけると思います)

相性

秋田比内鶏の生の白レバーのお刺身は絶品!ですよ。太白ゴマ油に岩塩を溶いただけのタレとの相性は抜群で、あー、もう、たまりませんね!そして小振りのグイ呑みで新潟の銘酒〝村祐のD〟をグイと飲る。至福の時とはこのことを言うのでしょう。ところが最近では滅多にこの白レバーが手に入りづらくなってきました。百羽に一羽、有るか無いか、とにかく希少な白レバー。しかも秋田比内鶏ですからなおさらです。フランスの高級なフォアグラにも匹敵する上品な味は一度食した人を虜にすることは間違いないでしょう。贅沢ですが串焼きで塩でもタレでもそりゃあもう食べた瞬間に背筋が伸びます。
 秋田比内鶏といえば家内の得意料理のキリタンポ汁ですが、これにゴボウは欠かせない相性抜群の食材ですね。汁の味とコクを引き出します。ゴボウはキリタンポ汁の準主役と言っても過言ではありません。このゴボウ、実は立ち食いソバにも相性がいいんです。チェーン展開している〝吉そば〟のゴボウ天ソバは極太切りのかき揚げゴボウ天ぷらが2つ乗っかっている超食べ得の私お薦めの一品です。食券を出すときに「ネギ多目でお願いします」と言えば、ベストですね、味がワンランクアップします。ちなみは私はこのゴボ天そばを食べに週一のペースで通っています。
 最後にこれ以上の抜群の相性はない!と断言できる料理があります。それは炒飯に入ったナルト。モチモチッとした食感は、かまぼこなのにかまぼこでなく、何も感動する味を持ってないのに炒飯と合体すると粗微塵切りされた紅白のナルトが目にやさしく、なんともノルタルジックにさせてくれる特技を備えています。「ありがとう」なんて言いたくなってしまう、そんな不思議な奴です。
 パンではクランチ入りのピーナッツクリームが〝コロネ〟と相性が良いですね。たっぷりと入れてください。全て、私好みの相性の良い食材ですが、あなたはどんな〝相性〟を知っていますか?

弊社社長 菅田耕司のコラム


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