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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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ゆらぎ

 桜花も散り、桜上水の遊歩道の脇には無数に散った桜の花芯が風に吹かれて波を打ったかのように不規則な吹き溜まりの風絵を描いていました。土手には〝花咲かせ隊〟というボランティアの方達が種をまいて大事に咲かせた初夏の花たちに混じって、ペンペン草に咲く花も風に揺らいでひときわ美しさを装っているようです。

「かぜに いろをつけたひとはだれ
かぜに はねのあるのをみたひとはだれ
かぜを みたいとおもったら
かざぐるまを みていてごらん
かざぐるまを ほしければ 
かぜのなかを さがしてごらん」
(かぜとかざぐるま・あかるい日の歌、青土社刊)

 純心無垢な幼児の好奇心が伝わってくる岸田衿子さんの美しい詩です。
 愛犬と散歩していると、日常を忘れて自然に親しめるのはなぜでしょうか。夕焼け空を見上げたり、公園の意外な場所に群生している可愛らしい野花に足をとめたり、突如頭上から〝ツクツクツクツク〟とせわしい鳴き声の小さな野鳥が電線に一羽、家族を探しているのでしょうか。自然の営みは心をリラックスさせてくれます。
 以前〝f分の1ゆらぎ〟が流行りましたね。ロウソクの炎がゆらぐくらいの風がちょうど心地よいのだと、どこかで聞いた記憶があります。土手に咲く野花も電線の上の小鳥も愛犬もそして私達も、f分の1ゆらぎの風に、また来るであろう明日の試練を一時、忘れさせてもらっているのかもしれません。

恵み

アベノミクスは“ショクパンノミクス”を引き起こす?!今年2月、写真週刊誌フラッシュからの企画「専門紙30社緊急直撃!アベノミクスで勝てる株」の取材を受けて、私の頭に2007年11月29日号の三寒四温がよぎりました。「食パンは日本の食品業界を活性化させる起爆剤です(略)。食パンは消費者の食卓に直結している主食であり、食品に関連する企業は食パンの運命に身を委ねているのです。一日も早く正常な値上げができることを願ってやみません」。
 デフレ、インフレ、どちらが経済を活性化して豊かなくらしを国民に与えてくれるのかはだれにもわかりませんが、デフレ社会がつくり出した、ただ安いだけのプライベートブランドの食パンと比べ、ナショナルブランドの食パンがおいしいのは当たり前のことです。それは長年にわたって研究開発され、消費者のニーズとも合致してでき上がったブランドの食パンは各社それぞれですがおいしいのは皆一緒です。
 日本の製パン技術は今や世界に誇れるほどにもてはやされています。日本パン菓子新聞2月15日号で私はケニア共和国のオグトゥ駐日全権大使にインタビューしました。大使は語ります。「世界一おいしい日本の製パン技術をケニアに教えてくれませんか」。首都であるナイロビの国立大学に製パン技術者の養成講座を創設したい、と熱く語られました。
 おいしいパンは心を潤して食卓に笑顔をもたらします。そしておいしいパンにはおいしいトッピングとなるチーズやハム、フルーツ等、経済政策の好結果による財布の中身の潤いがプチ贅沢を生み、さらにおいしい笑顔が増える。これが私の言う”ショクパンノミクス”効果です。アベノミクスは多分、今年の流行語大賞の筆頭候補でしょう。その強烈な経済政策は国民に夢と希望を与えてくれますが、一方でそれらを否定する人たちも大勢いることは確かです。皆でおいしいパンを食べて一日も早く目に見える“恵み”が表れると良いですね。でも、安売り競争はしていたらこの効果はありません。

宇宙

 宇宙にも「インフレーション」があるって知っていましたか?中学生の頃から、物理や化学が苦手だった私がその意味を知ったのは、つい最近の事でした。それは〝宇宙〟が百四十億年前につくられた時、物理学で言う、真空エネルギーによってわずか約一千万分の1ミリのそのまた1兆分の1の大きさの水素原子が加速度的膨張をして何百万光年という途方もない大きさになる凄まじい変化を遂げた出来事を意味します。そう、宇宙の誕生です。今頃感動していても少し遅咲きですね。
まばたき、なんていうものでない、とてつもない速さで宇宙を誕生させた真空エネルギーは光に満ちて方々へ転じて、有名な火の玉宇宙、いわゆる〝ビッグバン〟となり、その温度たるや百万倍度の1兆倍の1兆倍にも達する超高温となり、宇宙のすべての〝物質の素〟は、この凄まじい世界から誕生したのです。やがて宇宙は膨張と共にゆっくり、ゆっくりと冷えてゆき、中性化して光が自由に飛び交うようになり、百四十億光年をかけて、今、私達は銀河系の地球という惑星に生きて夜空を見上げ、その壮大なドラマに想いを馳せています。時たま夜空を見上げると、いつも満月なのはなぜなんでしょうか。引力ですかねえ。隣に輝く星の名前はなんというのかなあ。そして〝無〟の境地へと導かれる。ていうか、ただ〝ボー〟っとしているだけかもしれません。だって、考えれば考えるほど、わけがわかりません。
古代より世界中の物理学者や研究者達が宇宙の謎を、次々と解明してゆきます。その中でも我ら日本人の誇り、小柴昌俊・東京大学名誉教授が陽子崩壊を実証する事により、二〇〇二年にノーベル物理学賞を受賞して、一躍脚光を浴びた〝カミオカンデ〟はTVニュースの映像で、地下一〇〇〇mにつくられた巨大な実験施設を見るにおよび、ただただ圧倒されるだけで、超純水とかニュートリノとか、舌を噛みそうな〝チェレンコフ光〟とか、まったくもって意味不明なのですが、すばらしい発見に変わりありません。
 日本のJAXAが打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」の快挙は日本人の魂を揺さぶりました。宇宙空間に打ち上げられた重さ11トン、主鏡2.4mにも及ぶ巨大なハッブル望遠鏡は、今でも休みなく地球を周回しつつ宇宙を探査し続けています。主鏡が5mを超える宇宙望遠鏡の開発も進んでいるとか。どんな発見があるのでしょうか?国際宇宙ステーションに提供された山崎製パンの〝羊羹〟や、各社が競い合って作る〝スペースブレッド〟など夢のある宇宙食を宇宙に出て食べてみたいものですね。夢もパンも膨らみます。
(参考資料:ナツメ社「宇宙の事典」)

弊社社長 菅田耕司のコラム


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