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コラム 三寒四温

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フェズ

カサブランカから列車でモロッコ王国の首都ラバトを経由して3時間半、世界遺産の街フェズに到着しました。タクシーでメディナを目指します。赤地の真ん中に緑の星マークが1つ描かれたモロッコ王国の国旗が道端のいたるところで高くはためいているのは、カサブランカと同じです。


20分ほどでメディナ旧市街地の入口に到着すると、大型観光バスが数台停車していました。この界隈は道路の両脇にカフェが並び、地元の老人たちがエスプレッソ1杯でカフェの壁ぞいの椅子を陣取り、まるで観光客を人間ウォッチングしているかのように時間をつぶしています。

石畳の轍に落ちているエサをついばんでいた鳩が一斉に雲ひとつない真っ青な空へと飛び立ちます。そこへたくさんの荷物を背負ったロバが一頭、飼い主に引かれてポコポコと通り過ぎて行きました。古来よりのんびりと、悠久の時がこれからも果てしなく続いていくのですね。

さて、短パンにリュックサックという身軽ないでたちの私は迷宮都市といわれるメディナの中へ足を踏み入れ、リヤド(旅籠)を目指します。

そこはまさしくワンダーランドでした。ボコボコの石畳が細く曲がりくねって続く道のまわりには、小さなちいさなお店がひしめいています。人だかりで賑わうパン屋さんは10種類の具材が選べるサンドウィッチ専門店。

サンド1
よりどりみどりで挟みこんで・・・


コッペパンにマカロニサラダ、ニンジン千切り、スチームライス、ゆで玉子半分、フレンチフライ、トマトスライス。これだけ入って80円でした。

サンド2
しめて80円!


お隣は床屋さんですが、店主は1つしかない椅子に深々と身体をうずめて寝ています。金細工や錫の食器を売っているお店をよく見かけます。なかでも「バブーシュ」と呼ばれるモロッコのトラディショナルなサンダル屋さんにハッ! とするほどお洒落でセンスの良い色使いのサンダルが並んでいます。そういえば道行く人々の足元を見ると……本当だ! みんな履いています。

屋根が無くなり道がひらけてきました。まずは野菜市場です。見た事もないような色とりどりの野菜や果物が30℃超えの炎天下の下、軒を競っています。その先の小さな日陰に陣取っている露店は5~6羽のニワトリを紐で脚をつなぎ、これで1セット。土の上に無造作にたくさんの“商品”として雑然と並んでいますが、ニワトリは鳴き声ひとつあげません。


にわとり
おとなしいニワトリたち


少し坂を下ると、スピーカーから流れるコーランが聞こえてきました。
「ヒガーシ・ハクホー・ハクホーォ」と私には聞こえます。声を上げ下げして音程を取っているからでしょう。逆に、彼らにとって日本語はどう耳に入ってくるんでしょうかね。

アッ! 着いた。ここが今日から2泊するリヤドです。

(つづく)

弊社社長 菅田耕司のコラム


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