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コラム 三寒四温

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河北新報

あの忌まわしい東日本大震災から4年が経ちました。

被災から約1カ月後、メゾンカイザーとデイジイからドネイションされた
1000個のクロワッサンを積み込んで、私と家内、そして愛犬を伴い石巻へ
チュニジア大使館の炊き出しのお手伝いに向かった事を思い出します。
2011年4月25日号当コラム参照

それは被災した松島に住む私の家内の叔父から毎年送られてくる
大根、長ネギ、ジャガイモや人参、玉葱が
どっさり入った段ボール箱が先日届いた時の事です。

自給自足のために育てられた野菜たちは、
太さがまちまちの曲がった長ネギや、不揃いのジャガイモ、
濡れた新聞紙に包まれたデコボコの大根です。

さて、何を作ろうかと思案しながら大根を新聞紙から取り出すと、
『河北新報』の題字が見えました。
しわくちゃになってまだ少し濡れている3月20日付の紙面には

「福島第一原発1号機、炉内燃料ほぼ全量溶解」

の大見出しに続いて、小見出しには

「東電 宇宙線利用し初確認」

とあります。なんでも宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線から生じる
“ミュー粒子”を利用して調査した結果との事ですが、
4年を経て事故に遭った原発内部の状況を知る術の
第一歩をようやく踏み出した訳ですから、これから先も
とてつもなく長い復興への道のりが待っている証なのでしょう。

その他にも「復興基金 2018年度に枯渇」の大見出しで
ワイド東北欄に記事がありました。
大手の全国紙ではここまで詳しく報道されることは少なくなりました。
東北に住む人々にとっては自分との戦いの日々がこれからも続きます。
大都市に住む我々は、この事故を決して風化してはならないという
覚悟を持って東北を応援することが責務でしょう。
いや、震災直後の悲惨な現実を見つめ直し共に取り組む姿勢が
肝要ではないでしょうか。それは“生かされた”我々の使命だと思います。

松島の叔父さんをはじめ、家内の親戚が
石巻の炊き出し会場に全員来てくれて
元気な顔を見せてくれたのが、つい先日の事のようです。

曲がった長ネギは5㎝ほどにたっぷり切って
オリーブオイルを熱したフライパンをゆすりながら
焦げ目をつけ塩を振って料理したところ、
家内から絶賛されました。
人参、ジャガイモ、玉葱はカレーとシチューでいただく予定です。

松島や石巻に住む親戚の家は、建て替えたり
なんとか修繕を済ませて日常を過ごしているそうですが、
心の傷はまだまだ癒える事は無いでしょう。
そんな中“生きている”実感の込められた野菜やお米を送って下さり、
反対に私たちを励ましてくれています。

心の中の温かさが伝わってくるおいしさです。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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