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コラム 三寒四温

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ティナ カヌメ

これはジョークなのかアートなのか?
いや紛れもなく食品への“異物混入”です。



ネット上にアップされている、エノキダケの袋に水色の歯ブラシが丸ごと1本入っている画像を見て、食品に携わる方々は唖然としながらもこの事実を目視して「まさか!」と口走り、すぐさま工場内全域を再点検なさった事でしょう。

この事態、従業員による故意の混入なのか、あるいは偶発的な事故なのか。食品への異物混入は昨年度だけで5,000件を超える事例が確認されたそうです。

エノキダケの事例は包装機械のメンテナンス用として、本来は所定の場所に置いてあった歯ブラシが機械の振動により包装ライン上へ落下し、えのき茸と一緒に包装され、出荷前の検品で見落とされて流通した……という認識だそうです。

翻って海外では中国で生産された冷凍餃子に農薬成分が混入していた事件、同じく中国でナゲットを生産している工場では期限切れの鶏肉を使用、そのうえ床に落ちた肉もそのまま手で拾ってミキサーに投げ入れる映像が世界に向けてスクープされました。その映像が流れるや、製品を輸入販売しているファストフード店には甚大な被害をもたらし、とてつもない重い試練となりました。

ヒューマンエラーの他にも、従業員の中の、たった一人の反社会的な行動が異物混入を招いた事例も多々あるようです。食品生産に携わる従業員のモラルが問われる問題は、多くの監視カメラを設置し、かつ無感情のロボットが全工程を作業するのであれば、異物混入は限りなくゼロに近づくと思われます。しかし感情を持った人間はストレスや不満など様々な問題を抱えて生活しています。従業員教育の一環として彼らの不満をすべて解消することは難しいでしょうが、これらの試練を乗り越えられない企業が消費者からの信頼を得ることはないでしょう。

日本パン工業会主導による製パン企業各社は、平成12年の虫混入クレームを試練として、すぐにAIB(米国製パン研究所)のフードセーフティ指導監査システムによる徹底した工場管理を行った結果、その後のクレームは皆無といってもいいほど、工場内での事故は激減しています。

いま世界経済はギリシャ問題で揺れ動いています。日本では深刻な少子高齢化問題があります。この試練を乗り越えるには、計り知れないさらなる努力が必要なのは誰もが理解しています。

ユーロ問題でTVインタビューを受けるギリシャ国民が、両手を広げてこう言います。「ティナ カヌメ」。これはギリシャ語で“仕方ない”という意味なのですが、世界の誰もがティナ カヌメで済ませてはいけない現実を直視して前進する事が大切ですね。

9回裏2アウト


行って来ました東京ドーム球場。



今日のゲームは巨人VS広島です。

「いやー、それにしても超満員だね」
「本当ね。向かいの外野は赤一色で、ライト側はオレンジ一色よ」

年に一度くらいの割合で、野球と大相撲、サッカーを観に行くのですが、このくらいのペースですと、毎回、視界に飛び込んでくるもの全てが新鮮に写るんです。いや、脳が反応するんですね。声とも音ともつかない、“ウワーン”という、地響きすら感じさせる迫力、そして腹の底から絞り出すような「オー、オッ!」なんて声援に包まれると、自分も何かしなくては、という錯覚というかワクワクしてくるんですね。

家内は早速、ヘルメットとグローブを付けてマウンドを見やっています。そうなんです、私たちが陣取った座席は「エキサイトシート」。ファウルゾーンにせり出して作られた座席で、防御ネットがありません。という訳で、打者が放ったフライはもちろんライナーが飛んで来る事もあるので、一投一打から目が離せないんです。

さて、目の前の巨人軍の選手は誰かな? と見ていたら背中に「CHONO」の文字。実は私たち夫婦は野球をほとんど知らないのです。ですから選手の名前も顔も判りません。CHONOと言えばプロレスの蝶野選手、あのイノキボンバイエで毎年年末に国技館で大暴れしてファンを楽しませてくれるレスラーが頭に思い浮かぶのですから、もう笑ってしまいますね。巨人で詳しく知っているのは原監督と高橋由伸選手くらいです。広島となると監督は古葉さん? 衣笠選手? くらいの知識で止まっています。

攻守交代時の大応援合戦も圧巻です。7回の巨人の攻撃前にはオレンジ色が鮮やかな特大の垂れ幕がスルスルと観客席を覆います。試合前に何度も練習しているのでしょう。観客の大合唱による応援歌もいいハーモニーです。

試合はいよいよ大詰め9回裏2アウト。
3対2で広島がリード、巨人はランナー一塁のチャンス。

そして「満を持して」とはこのことか! というタイミングで、

「ピンチヒッター、高橋由伸 背番号24」

というウグイス嬢のアナウンスに、オレンジ色で埋め尽くされた1塁側のファンは「カッセカッセ、ヨシノブ」の大合唱。場内の熱気も一気にボルテージが上がります。

「ママ、すごいね、ヨシノブだよ!」
「本当! 野球は9回2アウトからってこの事ね!」

しかし巨人ファンの願いの灯は高橋選手が打ち取られて、はかなくも消え去りました。

試合後、立ち寄るよう言われていた球団関係者受付へ。いただいたのは、広島カープ・黒田投手のサインボールと丸選手のサイン入りバット。双方とも試合で使用された本物仕様で、サインも直筆です。私の友人の粋な計らいに感謝した次第です。

でも、なんで原監督と由伸じゃないの?

.

チョイ飲み

最近流行っている“チョイ飲み”って、飲んだ後の締め飯の前に一杯飲む、アレのことですか?

ファミレスやファストフード店ではドリンクバーと焼酎1杯のセットメニューなんてのをはじめています。
「ダージリン割」とか、お洒落な飲み方が人気らしいですね。

また女性一人でも入れる小奇麗で、かつメニューも気の利いたお店が増えました。あるハンバーガーのお店ではワインと生ハムの1時間食べ放題プランなどを目玉にしつつ、最後はハンバーグもついついオーダーしてしまうという・・・
「締めはラーメン」=酔っぱらいの定説が覆りつつあります。

雨後の竹の子のごとく出現した居酒屋の開店ラッシュも、旧態依然の取り組みを続けていては閉店ラッシュに追い込まれるご時世、なんとも摩訶不思議なものでありますね。

「少子高齢化で取り組む課題は?」 なんてタイトルのセミナーを開く “〇〇コーディネーター” などという訳の分からない、なんちゃって講師やコンサルティングたちが闊歩する業界は危ないですよ。


「チョイ飲みでシニア層を取り込め」

とか

「とにかく若い世代の取り組みが必要なんです!」


などと、偉そうにどこへ行っても同じことしか話さないコーディネーターに振り回されないことが肝心でしょう。


コンビニ業界もチョイ飲み、チョイ食べに参入してきました。
ファミリーマートはイートインスペースを3年で2倍の6千店に増やすそうです。駐車場スペースや雑誌コーナーを縮小して、イートインスペースを確保するというのですから、外食産業もうかうかしていられません。

ペコちゃんの不二家レストランにはワインのミニボトルが置いてあり、日曜日の昼間からでも孫の食事に付き合うのは楽しい限り、いやいや付き合ってくれているのかもしれません。まずは生ビールと枝豆、鶏のから揚げは孫のお皿から1つ失敬、なんて楽しいじゃありませんか。



ギリシャ問題で、世界経済はどう動くのか。
これを書いている6月29日の日経平均株価は一時500円下げてユーロは4円安、ドルに対して急激な円高の推移はシニア投資家をヤキモキさせています。株価ボードを見ながらチョイ飲みできるスペースが証券会社にできたら面白いかも。
(とはいえホロ酔いで実際の取引はしないほうが身の為でしょう)


不透明な世相と食文化の進化。両者には何やら関係があるのかもしれません。


弊社社長 菅田耕司のコラム


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