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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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バナナモッチ

近所の行きつけの寿司屋の近くにある酒屋で見つけたスクリューキャップのワインのラベルを見て驚きました。
WOOD BRIDGEと書かれた下には
小さくby ROBERT MONDAVI のクレジット。

「ウソでしょ!?」

私は思わずそのワインを1本購入して、寿司屋に持ち込んだのです。

キャップを開けてワイングラスに注ぎ、いざ“実飲!”です。

はやる気持ちを抑えつつグラスを家内と2人で見つめながら

「スクリューキャップのワインってハズレが多いからなぁ」
「1本910円だったわよね?」
(2人同時に)
「おいしい訳が無い!」(笑)

「…でも、色も香りもとてもいいわ。
 ちょっと期待したい気持ちよ。では、乾杯!」

「おっ、なんだこのワイン、まさにロバートモンダヴィだよ、ママ!」
「カベルネソーヴィニヨン2013年、
 カリフォルニアとしか書かれてないのはナパバレーではないのかしら?」

「輸入者はメルシャンか。今度調べてみよう。シャルドネもあったな」

以前、ハワイのワインセラーで買い求めたロバートモンダヴィのヴィンテージワインは1本99ドル、他にも50~60ドルくらいでリーズナブルなモンダヴィが購入できたのですが、日本で、しかも“カクヤス”で1本910円で買えるとは!

本マグロにこだわりのあるこの寿司屋での楽しみが増えました。
次回はシャルドネでマグロ三昧といきますか。

と、そこに店主が割り込みドヤ顔で

「シンコがありますよ、そのワインに合いますかね?」
「エッ!? 本当? ちょうだい、ちょうだい」
「もうそんな季節なのね」

そうなんですね、先週までのうだるような猛暑日から一転して秋がいきなりやってきたような今日このごろ、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚の幼魚“シンコ”が夏の限られた日にだけ食べられる幸せ。そして910円のロバートモンダヴィを見つけた幸せ。

ちょっと酔ってしまった帰り道、家でTV桟敷での飲みのアテをファミリーマートでお買い物……という訳で、お目当てはいつものジャムマーガリンパン。無いな。 十勝レーズンスティックは? これも無い! 午後8時で欠品だらけのこの店は失格だ! なんて思いながらふと目に入った菓子パン…

それはファミマの「こだわりパン工房」の
“バナナモッチ”税込125円。

ヘルシアウォーターも欠品だったので、バナナモッチとダイエットコーラ1本を買った酔っぱらいおじさんは、レジを済ませて家に帰りました。

最近、家内は“兼八”という焼酎に凝っています。私のグラスにも氷が入り、就寝前のチョイ飲み会の始まりです。バナナモッチの袋を開けて仲良く半分ずつちぎり、焼酎のアテ(?)にかじってみると、2人同時に

「旨い!」
「しかもモッチモチよ」
「ヘェー、ファミマも頑張ってるな」

袋の裏をじっくり見ると製造者は大手製パンメーカーです。
そういえば先週サンクスでチュロスと思って買った
“ミルククッキードーナツ”も同社の製品でした。

各社揃って広域流通部はパワー全開ですね。


■■■

子雀のピーちゃん

家内と一緒に編集部が表で何やら騒いでいます。

「どうしたの?」と私がそこへ行くと、
家内の手には小さな“子すずめ”が一羽、羽を弱々しくはばたかせていました。皆が心配そうにのぞき込んでいます。

もう一度、どうしたの? と尋ねると、

「巣から落ちたみたいだわ」と家内が答え、皆が頷きました。

「親鳥が心配しているんじゃないのかしら」
「まずは巣箱を作って…」
「お腹を空かせているんじゃないかしら?」


日頃の業務にも増して迅速な連係プレーで各自役割を果たし、あっという間に子雀はクッション替わりにちぎった新聞紙が敷き詰められた小箱の中へ。ネット検索で「巣落ちした子雀のエサへのやり方」を調べ、嘴を開けさせてハチミツ水を一滴ずつ飲ませています。

すると誰かが「アワやヒエでもいいかもね」と言い、十五穀米の小袋からより分けて巣箱に入れました。

桜の木の下に駐車している私の車の屋根に小箱を置いて、ひとまず室内から観察することにしました。すると親雀でしょうか、辺りを警戒しながら小箱の周りを飛んで、一度だけ中にサッと入ったかと思ったら、すぐに飛び去ってしまいました。

夕方になり、今度は庭の楓が枝分かれしているところに小箱を移して斜めに屋根をつけて置き、今夜は様子を見ることに。

「親が迎えに来て一緒に飛んで帰れるといいわね」

皆が「ピーちゃん、また明日ね。頑張ってねー」
と声をかけて退社します。

18時、夕焼けの茜色が広がる空の下、町内のスピーカーから“夕焼け小焼け”のメロディーが流れてきました。

翌朝、ピーちゃんは生きていました。ただ昨日、一度車の屋根から飛び上がろうとして落下した時に首を傷めたようで、痛々しく首が上がりません。それでもハチミツ水をあげると羽をパタパタさせます。

「獣医さんに診てもらいましょうよ」

皆の意見に応えて家内がネットで探した近所のペット病院へ、さっそく社員が自転車で連れて行きました。結果は……皆、息を飲んで聞きます。

「ブドウ糖を2~3時間おきに服用させる事、あとはこの子の運次第とのことです」

皆、ホッとした表情で「ピーちゃん頑張れ!」と励まします。翌日は土日をはさみ、日曜は私共も終日家を空けるので、3時間ごとのエサやりもままならぬということで、一日入院させる事にしました。



そして月曜日の朝。
病院から悲しい知らせがありました。
家内は涙目でバイクを走らせます。

冷たくなったピーちゃんを裏庭へお線香と花を手向けて皆で弔いました。思い返せば、親雀はあの時、別れを告げに巣箱へ来たのかも知れません。

東京の片隅でホッとあたたまる“小さな愛”を運んで来てくれたピーちゃん、天国へ飛んで還れたね。

.

見極める目

NHK朝の連続テレビ小説で、パティシエの主人公“まれ”が、匿名人気ブロガーのわんここと幼馴染の“いちこ”と対決するくだりです。コンビニで商品化されるのは素人のわんこが作る、安くてそれなりにおいしい99円のケーキなのか、いやいや、ひとつ350円と値段は張るが高級な材料でプロが作る、まれのケーキか、果たして勝者はどちらに!?


結果は接戦の末、安いわんこのケーキが勝利するのですが、食べずに判定するとしたらあなたはどちらに軍配を挙げますか?

「安いケーキは、何か欠点があるんじゃないの?」
「高いケーキはおいしいに決まっているわ」



 最近よく耳にする、レジスタントスターチ
「世界一受けたい授業」というTV番組で「ダイエットの強い味方が現れました!」と紹介されるなど、マスコミに連日取り上げられました。レジスタントスターチを簡単に説明すると…

 一度熱を加えたデンプン質は冷めてから
 食べると消化されにくい構造に変化して、
 小腸で消化吸収されずに大腸まで運ばれて
 排出されるのでダイエット効果がある


という事らしいのです。例えば「ポテトサラダのサンドイッチ」は最強のレジスタントスターチだそうです。

近年、グルテンが悪玉扱いされて久しいですね。
“グルテンは脳をはじめ、身体の機能をマヒさせるので摂取を控えよう”
と、一部のマスコミやワイドショーがここがチャンスとばかりに巷の話題を煽ります。

レストランでは「グルテンフリー」のパスタやパンを使った料理を提供して、世の健康フリーク女子たちを喜ばせていますが、実際にはどうでしょう? きな粉やカカオ、最近ではココナッツオイルの効能をTV番組で取り上げるや、翌日にはスーパーの棚からそれらの商品が消えて、通販にいたっては3ヵ月待ちが当たり前となります。しかし3ヵ月待って商品が届き、いざ使い始めようと思う頃には次のブームが流行って大抵の方はその商品を使わずにどこかにしまい込んで、その存在すら忘れている人が多いみたいです。


連ドラのケーキ対決に話を戻しましょう。そのケーキが、正しい値段であるか否かをを決めるのは消費者です。おにぎりやケーキなどレジスタントスターチダイエット生活を続ける事を、そしてグルテンフリー生活に走る事が正しい事なのかどうかを見極めるのも自分自身なのです。

今春、「いつものパンがあなたを殺す」なんて悲しいタイトルの本が出版されましたが、偏った一部のマスコミ報道や出版物に感化されずに、自分で適正商品かつ適正価格なのかを「見極める目」を持つ事が大切なのではないでしょうか。

ボンヴォヤージ


「どうか、素晴らしい7月14日を
 過ごされますよう希望します」




ティエリー・ダナ駐日フランス大使の開会挨拶は、このように締めくくられました。

そうなんです、今日7月14日はフランスの革命記念日で、南麻布の大使公邸には各国の大使をはじめ政財界などフランスとのつながりのある関係者が多数招待されて、革命記念日祝賀レセプションが盛大に開催されました。

東京五輪、パラリンピック組織委員会会長を務める森喜朗元総理大臣が乾杯の音頭をとると、シャンパングラスを合わせる音が一斉に鳴り響き、大きな拍手と笑顔が会場に溢れます。私も家内とグラスを合わせ、辺りを見渡すと弊紙の「大使夫人の手料理とパン」でご協力いただいたアンゴラ共和国とモザンビーク共和国の両大使がニコニコしてシャンパングラスを掲げながらこちらに近づいて来られました。「グッド・イブニング」。それではご一緒においしい料理を頂きにまいりましょう。

最初に行くのは「メゾン・カイザー」のパンブースです。
創業以来、毎年の革命記念日祝賀レセプションにパンをドネイションしているのです。日焼けした木村社長がお洒落に決めています。

「ベビーは歩き始めましたか?」

そうなんです、木村周一郎さんはもうデレデレな子煩悩パパなんです。

「帰りにチョイ飲み行きませんか?」と誘うと、

「家内と子供が待っているので……」

すっかりマイホームパパになっちゃいました。

芝生が敷き詰められた庭にはテントが張られ、BBQやカクテルが用意されています。ヴァヒド・ハリルホジッチサッカー日本代表監督がなにやら楽しそうに談笑されています。

「あれー中山さん、お久しぶりです」

今年1月にイスラム国対応でヨルダンに留まって陣頭指揮をされた中山泰秀外務副大臣がお見えになったので、家内が友人2人を紹介して記念写真をハイ・チーズ。そこにビゴ東京の藤森二郎社長が現れました。ビゴの店もフランス大使館ご用達の常連です。ポンパドウルが経営するヴァン・ド・リュドも3年前からパンブースを出しています。そして、今年で創業110周年、そして本格的なフランスパンを発売して50周年という節目を迎えたドンクが革命記念日に合わせて“フランスフェア”を全国の系列店にて開催しています。もちろんパンのブースを提供しました。有名店4社がコラボした豪華なレセプションは、フランス料理と合わせ参会者を満足させたことでしょう。

「2015年11月30日から12月11日まで、パリ近郊のル・ブルジョで開催されるCOP21(国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)では、世界の気候変動、温暖化対策の大枠が合意される予定です」

と、ティエリー大使は力を込めて冒頭の挨拶で語られました。パリ合意は人類の未来のためにもエネルギー消費削減の大きな一歩となりますように。


美しき地球号の船出に、ボンヴォヤージ!



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弊社社長 菅田耕司のコラム


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