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コラム 三寒四温

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忍び寄る冬

こがらし。


“こがらし”って、小さな嵐みたいな風の事?

と、最近まで深く考えることもなくニュース番組では聞き流していたのですが、毎朝開くPCのトップページ(YAHOO! JAPAN)のニュースで

“木枯らし”

の表記を見るにつけ、いままでの知識というか思い込みが不信になり、検索。「なるほど!」とようやく理解したのが先月25日の朝でした。

「昨夜24日深夜に東京で木枯らし1号が吹きました」

でも、どうして「木」が「枯れる」と書いて木枯らしなのか? なにか変ですね。周りに尋ねても

「木が枯れるくらい、大きな風が吹くからかしら」
「北風が吹くと寒くなって木が枯れるからじゃないの?」

…何はともあれ、木枯らし吹けば、“たちまちに木の葉を吹き落として枯らすほどに吹き荒れて、冬の到来を告げる”という説明を読んで合点がいきました。

実りの秋を終えて木の葉が色づき始め秋が深まり、冬が一歩一歩近づいてくる。“木枯らし”とは、孤独、淋しさ、せつなさ、侘しさといった感情を表現する素晴らしい季語なのです。

と、薀蓄が語れるようになった私がさらなるネットサーフィンにて探し出した、同意語なのに表記の異なる“こがらし”を詠んだ俳句を2つご紹介しましょう。

凩や 海に夕日を 吹き落とす (夏目漱石)

実に大胆で実に面白い。
豪快な中にも繊細な漱石の思いが伝わってきます。

いっぽう、芥川龍之介の俳句は大変興味深く、空想の世界へと導いてくれました。

木枯らしや 目刺しにのこる 海の色 (芥川龍之介)

解説によると、“イワシが泳いでいた海にも木枯らしが吹き渡っているのだろうか。目刺しを見つめながら思いは広漠たる冬の海に広がっていく”とありました。

これが私なりの解釈となると木枯らしが吹きすさぶ夜に風の音を聞きながら、火鉢で目刺しを焼いてしみじみと一人酒を飲みながら物思いにふけるさま、・・・と、食いしん坊ですから結局は食べて飲んでしまうのです。


iba2015視察研修旅行にご一緒した第一屋製パンの細貝理栄会長は、ゴッホゆかりの地、アルルや訪問した先々で見た、聞いた、感じたことを即興で俳句にしたためられて私にみせてくれました。

「菅田さん、これどう?」

遠慮がちに手渡されて拝見すれば、どれも素晴らしい秀作で感服させられました。一瞬に、いや刹那の世界で思い浮かぶ言葉が“詩”になる…。これが凡人にはなかなか文字にできない難解なことなのです。

古今和歌集からはじまることば遊びの文化の歴史は、室町時代に開花して以来、連歌、発句、そして俳句へと進化したそうです。不精な私も細貝会長にならって、現代俳句に挑戦しようと思っています。ではさっそく、初心者の私の一句を恥ずかしながらお披露目させていただきます。


木枯らしが 星空見せて 独り酒 (耕麻呂)


これ、どう?

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写真交歓会

弊社企画のiba 2015視察研修旅行から参加者全員が無事に帰国してから約1ヵ月が経った10月22日に、シャネルとフレンチの巨匠、アラン・デュカスシェフとコラボして10年前、銀座にオープンした「ベージュ東京 アラン・デュカス」にて参加者による写真交歓会が開催されました。

午後7時前にシャネルビル屋上テラスに三々五々集まってきたメンバーは、用意されたシャンパングラスを手に久し振りの再会を祝してグラスを軽く鳴らし、雲ひとつない銀座の夜空に浮かぶ見事な半月とネオン煌めく夜景に目をやりながら旅の想い出が次々と語られます。

フィンガーサイズのアペタイザーを一口頬ばれば、今宵の至高のディナーが予感されますね。さあ準備も出来ました。階下のレストランへ行きましょう。エレベーターのドアが開くと、アラン・デュカス・エンタープライズ・ジャパンのファブリス・ルノー社長が我々を出迎えてくれました。

「ファブリスのパパとママには、
 皆が大変お世話になりました。ありがとうございました」

「いえいえ、両親もとても喜んでいました。
 又、来てくださいと言づかっていますよ、菅田さん」



さあ、至高のディナーのスタートです。

シャンパンにはアミューズ・ブーシュ。赤ワインはブルゴーニュのG・Raphet2007年、それに合わせるのは季節野菜のクックポット、蓋を開ければフレッシュな黒トリュフがその独特な香りを漂わせて食欲をそそります。

ヒラメのグリエ、セロリとオニオンヴィネガー風味のスープ・ド・ポワソンは、パリのプラザアテネやモナコのルイ・キャーンズよりも繊細な味だと私は思いました。

全てにおいて日本の食材を、日本の気候や風土を考慮して料理されるからなのでしょう。いわゆる食材の素晴らしさに、どう味を合わせるか。地産地消の見事な実践の結果が、このひと皿に美しく盛られているのです。

これ以上、メニューの評価は私の筆力には限界がありますので、コラムをご覧の皆様は、ぜひレストランへお越しいただきますよう、そして全てにパーフェクトな料理をハレの日に堪能できた事を、ファブリス氏にかわって宣伝させていただきます。


おいしいシャンパンやワイン、そして至高の料理をたくさんいただきました。デザートの「カレ・シャネル・ショコラプラリネ」は男性にとっても別腹でございました。

さあ皆様、弊社恒例でご用意した視察レポートを、帰りの車中にてゆっくりとご覧になり1カ月前にタイムスリップして下さい。近いうちに又このメンバーが揃って笑顔で会う日を楽しみに思いながら……。


来年の10月初旬にアメリカのラスベガスにて3年に1度開催される世界ナンバーワンの製パン・製菓の見本市
「IBIE2016(ベーキング・エキスポ)」の視察研修旅行を募集します。1年を切った今から、どこに立ち寄ろうか検討を始めています。皆様からのアイデアもぜひお聞かせ下さい。

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iba Cup 、悲願の優勝!

iba2015の展示会場。

安心・安全かつ、技術革新著しい最新の製菓製パンの機械メーカーと、それに関連するブースを巡る、いざトレンド探訪です。

日本からは、マスダック社がパンケーキラインを実演していて相変わらずの黒山の人だかり。もちろん毎回高い評価を受けてのことで、デモを見学した中東や西欧、アジアからの実業家から次々と質問が飛び、それが結果として注文の引き合いに発展するのです。

他にもレオン、オシキリといった日本メーカーの展示場も、熱心に説明を聞く世界各国からのバイヤーで賑わっていました。

さてさて、今日はiba Cupの最終日、いよいよ日本チームの出場です。そして夕方には世界ナンバーワンブーランジェが決定します。

世界予選を勝ち抜いて晴れの出場を果たした各国の競技ブース前には、大勢の応援団がかけつけていますが、なんといっても日本チームの競技ブース前が一番の賑わいというのがうれしいですね。日本から駆けつけたたくさんの応援団が声援を送っています。
 
3年前のiba Cupでは、くやしい想いをした日本チームと応援団、そして監督、コーチ陣。優勝をねらっていた日本チーム会長を務める倉田デイジイ社長は結果発表で入賞を逃した瞬間に両手で顔をパンパンとはたいて天を仰ぎ
「なんでなんだよ!」と一言。この光景は今でも忘れることができません。
(2012年9月28日号三寒四温〝涙の数だけ〟に掲載)

私達一行は、結果発表が遅くなるとのことで一足先にドイツ郷土料理の専門レストランへ移動。そして、まさに乾杯をしようとしたその瞬間に、弊社の吉本記者から

「社長、優勝です! 優勝しました!」

との一報が入りました。おめでとう!

それでは、さっそく優勝の乾杯に切り替えましょう。
倉田社長が今日は顔をくちゃくちゃにしてガッツポーズで天を見上げ涙している姿が目に浮かびます。

・・・と、宴もたけなわの時、私達のレストランの席になんと倉田社長が現れました。日本チームと応援団の会食も私達と同じレストランだったとは!


「倉田さん、本当におめでとうございます。
 今までの苦労が実りましたね」


すると満面の笑みで、

「ありがとう、本当にありがとうございました。
 皆さんの温かい応援のおかげです」


帰り際に2階の祝勝会場へ我々一行も日本チームを賞賛するため顔を出しました。選手をはじめ皆、とてもうれしそうでした。それもそのはずですね、優勝の現場に居合わせたのだから喜びもひとしおでしょう。代表選手の渋谷さんと浅井さん、帰国後は祝勝セミナーを数多くこなす忙しい日々が続くことでしょう。そのすばらしい技術を多くの方に伝えてください。

9日間にわたる視察研修旅行の最終日に、我々一行は、ミュンヘンで一番有名なホフブロイハウスにて、2リットルの超でかサイズのビヤグラスを飲みほして気持ちよく帰国の途につきました。

10月22日は銀座シャネルビル最上階のアラン・デュカス氏とシャネル社がコラボしたフレンチレストラン「ベージュ東京」にて写真交歓会が開催されます。とても楽しみですね。

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弊社社長 菅田耕司のコラム


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