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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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クリスマス・ワンス・アゲイン

クリスマスに何を食べますか? そんな質問をぶつけると必ず返ってくるのは

「クリスマスケーキでしょ!」
「ケンタッキーのフライドチキンよ!」
「そう、どっちも!」


戦後70年、日本人の嗜好は驚異的な経済発展とともに様変わりしました。今日では世界一の品質とおいしさを誇る日本のパンとケーキは、私達の暮らしをあたたかく、豊かにしてくれます。

クリスチャンでない人々がイエス・キリストの生誕を祝う風習が日本中のあちらこちらで大掛かりに行われ、まるで昔ながらの伝統のように、しかも1ヵ月以上前からたくましき商戦と共にそれは始まります。道行く人々は街中に流れるジングルベルの曲に、心も体もウキウキと足取りも軽やかです。もはや「師走」は死語となっているかのようです。 

フランスではブッシュ・ド・ノエル、ドイツではシュトーレンを12月になれば毎日ひと切れずつ食べてクリスマスを〝指折り数える〟ように過ごします。イタリアではパネトーネ、イギリスではクリスマス・プディングが代表的なクリスマスケーキです。フライドチキンはファストフードのくくりで、やはりターキー料理が主流ですね。ターキーを感謝祭でも食べる習慣があるのは、キリスト教となにか遠い過去に因果関係があるのかもしれません。

いっぽう日本ではターキーは食肉としてメジャーではないのでチキンほど手軽に買えないのもイマイチ浸透しない事情かもしれません。ともあれ生クリームとイチゴの、日本を代表するクリスマスケーキを世界の国々に広めたいですね。

クリスマスに何を食べますかと訊かれたら、私も「クリスマスケーキ」と答えますが、チキンは食べません。グリルドターキーを買ってきて、アボカドと焼いたベーコン、そしてレタスを3層に順にマヨネーズ、マスタードをトーストした3枚のパンにたっぷり塗って作る、アボカド・ターキー・クラブサンドイッチが我が家のクリスマスを静かに祝う夕食、というか日頃でもよく食べています。それにホットワインをマグカップで飲れば、あたたかいクリスマスを心と体から癒してくれます。

クリスマス、それは2000年の時を超えた神秘的な言葉、そして神秘的な行事。クリスマスケーキをいただく前に、今年のクリスマスは教会へ行ってクリスマス礼拝の讃美歌をみんなで歌うのはいかがですか。

メリークリスマス・ワンス・アゲイン。
2016年が皆様にとって、良い年となりますように。

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サイレントナイト

クリスマスはキリストの生誕を祝う日なのですが、生まれた月日に関しては諸説があるようです。世界ではあらゆる国がキリストが生まれた年を起点として西暦を使っていますから、来る2016年はキリストが生まれて2016回目のバースデーということになります。しかしクリスマスはいつ頃からお祝いされていたのでしょうか。これまた諸説紛々がありそうですね。ちなみにキリストが生まれたとされる西暦元年の干支は酉(とり)だそうです。

キリストを信じるクリスチャンは当然のことですが、クリスチャンでない方も大勢の人々がクリスマスを楽しんでいます。電飾された大きなクリスマ
スツリー、街中にあふれるクリスマスソング、カラフルできれいで、おいしそうなクリスマスケーキ、だれもが楽しみなクリスマスプレゼント、そして恋人たちのとろけるようなクリスマスイブ。ジングルベルや聖夜などのクリスマスソングが道行く人々の心をほころばせているのかもしれません。なんだか今年の師走は“ゆとり”が感じられます。

空飛ぶトナカイに乗ったサンタクロースが登場したのはいつ頃からなんでしょうか。プレゼントがたくさん詰まった袋を良い子に贈るために、夜中に煙突から入ってくるなんて、いったい誰が考えたのか、でも、このユニークな発想が今日の経済発展に貢献しているのですから、考えた人はノーベル文学賞と経済学賞にも値するでしょう。そして誰もが一度は演じてみたいのがこのサンタクロースです。実は私も娘が幼い頃にサンタクロースに扮したことがあります。世の中のお父さん、お母さんも一度はサンタクロースになって楽しんだ経験がおありでしょう。

大手製パン企業をはじめ、街のパン屋さんやケーキ屋さん、スーパーやコンビニなどのクリスマスケーキの予約状況は順調のようです。24日のクリスマスイブには街へ繰り出してショッピングや外食を楽しんで、25日の聖夜は静かに家族揃ってキリストの生誕を祝い、おいしいクリスマスケーキをいただくことにしましょう。サイレントナイト、メリークリスマス。

ともしび

私の日本語のバイブルは、
言語学者の金田一春彦先生著の「ことばの歳時記」です。


移り変わる日本の美しい四季折々に触れ、ある日は遠くの万葉の時代を回顧し、ある日は楚々とした野辺の草木に想いを馳せ、ある日は私達が日常生
活の中で何気なく使っている言葉の真意と由来を平易明快に説明する…と本の帯にもあるように、パラパラとめくっては目に留まった月日が示されている頁を読んで“ことば”の素晴らしさを感じるのが、至福の時なのです。

今朝方、机上を雑多に占めている山積みした本を整理しているうち、久しぶりにこの本を手に取りました。いつものようにパラパラとめくり導かれたのは、くしくも12月21日は私の誕生日の頁でした。少し抜粋しながらご紹介します。


「もういくつ寝るとお正月 お正月には凧あげて 独楽(こま)をまわして遊びましょう 早く来い来い お正月」

~中略~「指折り数える」という言葉がある。これは原始人が物を数えるのに指を使ったというふうの実用の意味ではなく、やがて訪れる楽しい日を夢みて待つ心情を表すことばになっている。文部省唱歌「冬の夜」では、「燈火近く衣(きぬ)縫う母は春の遊びの楽しさ語る、居並ぶ子どもは指を折りつつ、日数(ひかず)かぞえて喜び勇む」は、その過渡的な用法である。~中略~
 古来日本人の祖先はせっかちに次に来るべき季節を待ちわび、そのために実に多くのことばを生んできた。そういう歌人や俳人の発想には「もういくつねると」と正月の来るのを待ちこがれる幼児の心情と共通のものがあったようだ。(以上引用)



さすが金田一先生の解説には説得力があります。
中でも、原始人を引っぱり出してくるくだりは実に面白い。まさに金田一先生こそ幼児の心情と相通じるものを思わせる例えには感服させられ、恐れ多くも共感するものであります。

それにしても、ともしびの傍らで母が語る、正月の遊びの楽しさを聞いている子ども達のはやる心持ちからは、ものすごーく寒い夜更けの冷え込みにも負けない活気がうかがえます。皆で指を折って“27、28 、29…”なんて声をあげて、切り干し大根やイワシの生姜煮なんかをおやつがわりに、はしゃいでいたのでしょう。「冬の夜」は子ども達の笑い声が聞こえてくるようですね。

昨日、今年のクリスマスカード第1号が届きました。クリスマスを迎える頃には、世界中から20枚ほどのカラフルかつ“合理的”なカードが届き、私の机まわりを飾ります。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。
(一枚で二枚分のごあいさつ)


薄墨のハガキ

紅葉して、かなり散ってしまったその枝で、揺れている葉つき枯れした桜の葉影から、冬晴れの朝日が燦々と私の机の目前の白い壁紙に影絵となってゆらいでいます。

もう12月なんだ、来週はホノルルマラソンだな。70歳までに一度走ってみたかった。いやいや、歩いてでも参加したいと願っていたのに・・・。あと2年あるから、マッいいか。今年も正月のTV桟敷で特番を楽しむ事にしましょう。

チラホラと喪中を告げる薄墨のハガキが舞い込んでくるのもこの頃です。
ときにそれが、予測もしない親友の訃報で、そのハガキで初めて知った時は驚愕でした。

言葉になりません。

「なんで、なんで…」

ただハガキを何度もなんども繰り返し読むしかできないもどかしさ、目を閉じて顔を想い浮かべて独り、薄墨のハガキに頭を垂れて惜別するしかありません。

「密葬にて執り行いました」

の一文に、ご家族にも、きっとなにか“ご都合”がおありになったこととお察しします。年が明けたら訪ねることに決めました。時は駆け足で通り過ぎて行くのを身を持って体験するのも、寒さが身に染み始めるこの頃です。



        ☆         ☆         ☆



先週の28日にパナマ共和国の独立記念祝賀会が開催されました。

リッテル・ノベル・ディアス・ゴメス大使夫人の畑田紋奈さんのご協力で、弊紙企画の「大使夫人のおもてなし」インタヴューを先日大使館にて取材させていただきました縁でのご招待でした。

楽しいラテン音楽をバックに南国のあたたかさがパナマ料理のおいしい匂いと共に会場に漂っていました。ちなみにこのお二人、先月ご成婚されたばかりの新婚ホヤホヤでございまして、終始にこやかなお顔がキラキラしていたのが印象的でした。

2016年の10月に、ラスベガスで開催されるベーカリー・エキスポ視察研修旅行のキャッチコピーは

“パナマもいいね! ”

これでいかがでしょうか?

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日本の食パン

弊社創業60周年記念祝賀会ではウガンダ、エチオピア、ケニア、パプアニューギニア、モザンビーク、モロッコといった各国の大使にご協力いただき、それぞれの大使館の料理長がお国の代表料理を東京アメリカンクラブの会場内に持ち込み、設営したブースで300名以上の来賓に提供して喜んでいただきました。

2007年ですからもう8年前ですが、ついこの間の事のようです。時の経つのは早いものですね。

そして再来年の2017年には創業70周年を迎えますので、今回はより趣向を凝らした世界の料理をお楽しみいただけますよう、今から張り切っております。楽しみにしてください。

また、駐日大使夫人の手作りによる各国のパンとお料理を夫人とのトークを交えて紙面でご紹介する「大使夫人のおもてなし」は2006年に、当時ベルギー王国駐日大使であられたジャン=フランソワ・ブランデルス閣下の夫人、ジョセフィーヌさんから始まって以来、ケニア、モザンビーク、パプアニューギニア、モロッコ、ジプチ、チュニジア、クウェート、スウェーデン、マラウイ、アルメニア、カザフスタン、カタールと、世界各国の珍しいパンとお料理をご紹介する事ができました。今年はパナマ、コートジボワール、アンゴラ、トルコを予定していますので、どうぞご期待ください。そして各国に根付いている粉食文化から読者の皆様がヒントを得て新商品の開発につながれば望外の喜びであります。
 
11月11日は数字の語呂が良いこともあり色々な“日”になっています。それらの数ある中から面白い! と感じたのが、

「いただきますの日」です。

“1111”が、並べた箸に見える事から(見えるんかい!)2011年に普及推進委員会が制定したとのこと。とはいえ、おなじみといえば、やはり“麺の日”や“ポッキーの日”がそれらしいですね。

そんな11月11日に、東京マリオットホテルにてアンゴラ共和国のナショナル・デーが開催されました。アンゴラの首都・ルアンダは世界一物価が高い(食パン一斤が3000円!)って、ご存知でしたか?

へえ、資源が豊富でお金持ちの国なんだろうな…くらいの認識でしかなかった私をご招待してくれた、ジョアン・ミゲル・ヴァヘケニ大使閣下に感謝申し上げます。

会場には政財界の要人が多数お見えになっておられました。私の感謝の気持ちとして、第一屋製パンにご協力いただいて今年のヒット商品『日本の食パン』を400食ご協力いただき、ドネイションさせていただきました。

皆さん、お帰りの際に手渡されたお土産袋の中に食パンが入っていて、さぞ驚かれた事でしょう。なにせ商品名が「日本の食パン」ですから「いただきますの日」には実にタイムリーだと思ったのは私だけでしょうか?

それにしても、3000円の「アンゴラの食パン」、食べてみたいと思いませんか?


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弊社社長 菅田耕司のコラム


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