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コラム 三寒四温

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犬猿の仲

TPP(環太平洋連携協定)が今月9日、参議院本会議で承認成立したことは皆様ご存知のことでしょう。米国の次期大統領に決まったドナルド・トランプ氏がTPP離脱を表明しているにも関わらずです。

そこで考えてみました。日本にとってTPPは関税の撤廃引き下げによる貿易の自由化の推進、そして輸入食品が安価となるなどのメリットがあるとされていますが、果たして安価な商品が輸入されればデフレの危険が大きくなることは避けられません。そのなかでも最も危機感が大きいのは日本の農業でしょう。

以前、TPPについて詳しいジャーナリストから教わったTPPのひとつの規定が思い出されました。

「ラチェット規定」

これは「一度自由化・規制緩和された条件は該当国の不都合・不利益に関わらず取り消すことができない」という制度なのですが、どうでしょうか。トランプ氏は“離脱の意向”を“表明”しただけにすぎません。離脱手続きも煩雑になるでしょうし、離脱するとなるとその後は海外の企業から莫大な損害賠償請求が課せられる訴訟リスクもあるそうです。

私は、トランプ氏の“離脱の意向”に重要なメッセージが隠されているのではないかと考えています。そもそもTPPは各国の経済関係を強化して経済成長を促進させるのが目的なのでは? トランプ氏が一番に重要視しているのは米国内の雇用拡大です。トランプショックがささやかれる中、ソフトバンクの孫正義社長が5兆円、5万人の雇用というプレゼントを持ってトランプ氏と接見したのは参議院本会議で承認成立した前日のことでした。そうなんです。アベノミクスの「隠された第四の矢」が確実に的を射た証が、このことで実証されたと私は理解しております。

とはいえ、保護主義的な貿易政策という巨船の舵は面舵(右)なのか取舵(酉舵、左)なのか、予断は許されません。

来年の干支の酉は犬と申(猿)の間に位置しますね。米国がどちらかはわかりませんが、参加国との犬猿の仲が取り持たれて良い結果となりますように期待しましょう。
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弊社社長 菅田耕司のコラム


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