ハニーコム
咋秋にIBIE視察ツアーで、米国カリフォルニア州のサンタバーバラの路上ファーマーズマーケットで出会った「ライムキャビア」がTVの情報番組で紹介されていたのには驚かされました。
日本人の “食” に対する探究心は本当に感心するほどに素早く、かつ「利」に敏いなと理解した次第です。同マーケットでもう一つ土産に買った「ハニーコム」は、私の大好物で普段でもキッチンに常備されている、ごく普通の食材なのですが、たまたま家で近隣の友人を招いたパーティーのテーブルに、このハニーコムとマスカルポーネとバゲットのスライスを用意したところ、ほとんどの友人がハニーコムの存在を知らなかったのには驚かされました。
「エッ? ハニーコム、知らないの?」
「ハチの巣のスライスなんて、初めて見たわ!」
「本当だわ。ミツロウというのかしら、この巣も一緒に食べられるの?」
こんな会話のやりとりがあって、私はスライスしたバゲットを手に取りマスカルポーネを多めに塗って、その上にバターナイフでそぎ取ったハニーコムをたっぷりのせて手渡しました。好奇な目を上目づかいにそらしながら、半分ほど齧ると
「ウワー、とてもおいしいわ!」
そりゃそうですよ、私の大好物なのですし、まずいものをおもてなしとして提供するわけがありません。次々と皆がマネをして舌鼓を打ち、ワインで乾杯、当然のように笑みがこぼれます。今夜の白ワインは、サンタバーバラ近郊のナパバレーで生産されているニュートンの『シャルドネ・アンフィルテッド』です。同じ土壌で育まれたもの同士なら相性もいいかな? と閃いたおもてなしの一品、皆様もお試しになってみてはいかがでしょうか。
サンタバーバラのハニーコムは別格として、日本でも通販、または広尾のナショナル麻布マーケットなどで販売しています。ハニーコムには全粒粉のパンが “合う”と私は思います。特に軽くトーストしたマフィンでは絶品ですね。ランチパックで販売すると単価が気になりますが、ベーカリーでも春の新商品として一捻りして創作してみてください。良いアイデアができたら教えてください。お便り、お待ちしておりまーす。
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