真実の行方
私はどうしても、某TV局のニュース番組の安倍政権(ひいては保守系、特に自民党)に対する、歪曲した報道姿勢に虫酸が走るような違和感を禁じ得ません。
歴代のニュースキャスターが上層部に洗脳されているのか、いやいや違う、そう解説せねばならぬように「制作」されているのだろう。決められたセリフを読まされていて、決して自身の意見ではない……そんな風にしか考えられないと感じるのは私だけではないでしょう。
“プロパガンダ”などという単語が頭をよぎるほど怖ろしい、まるで隣の国のニュース番組みたいです。TVから流れるニュースはあくまで一方通行です。「総理はこんな事を言っています」「これは政権の驕りですね」「庶民は皆怒っています」「この法案は決して通してはいけません」。キャスターとコメンテーターによる政策批判は止まりません。
という訳で晩酌しながら反面教師の思いで最初はついつい観てしまうのですが、こと保守政権の政策批判になるとチャンネルを変えてしまいます。この時間、NHK総合では「クローズアップ現代」です。この番組は素晴らしい。NHKの良さが凝縮されている番組だと思います。特に取材の観点が冴えています。それと「TVタックル」。これもいい番組ですね。是非を巡って双方が意見を戦わせ、決して一方通行ではありません。
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先日、久しぶりに神田の「薮蕎麦」へ家内と行ってきました。火災に遭って4年余り、新築された店の前には長蛇の列。中国語、韓国語や聞き慣れない言葉が前後から飛び交います。
15分ほど並んで店内へ入ると、古き良き時代の「薮蕎麦」の面影はもうありません。小上がりのスペースが少なくなり、内装やテーブルの配置も観光客ファーストに徹した様相には驚かされました。
小上がりで焼き海苔と板わさで熱燗を飲りながら世間話に花を咲かせ、最後はセイロをたぐって「おあいそ」。これが江戸っ子の “粋” でした。仕方ないか、と少々残念に思いつつも、日本の文化を後世に伝えるべく日本橋界隈の活性化に一役買っている某商社チームにはエールを送りたいですね
話は戻りますが、一般庶民をプロパガンダで誤った方向に導くのではなく、是非の論客を登場させてキャスターは聞き役に徹するのが真の報道のあるべき姿だと思います。歴史ある古き良き日本を支えているのは安定した政治、そして経済です。そして大衆の目と耳がそれを見守っています。偏った報道が日本の舵取りを誤らせるのが怖いですね。
最後に、元外交官の肩書を持つ評論家、色摩力夫氏の著作『日本の死活問題』(グッドブックス刊)のはしがきを引用します。
ある日、街を歩いていると平和を訴える一群の集団がデモ行進をしていました。「ママは戦争、しないと決めた! パパは戦争しないと決めた!」と唱えています。この人たちは戦争を拒否すれば戦争がなくなると、ほんとうに思っているのだろうかという疑問が沸いてきます。
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