デパ地下
デパ地下は楽しい。
実に楽しい。という訳ですから、週に1回ないし2回程度はデパ地下を訪れます。とはいえ70歳を過ぎたら “徘徊” と言われても致し方なしでしょうか。いえいえ、探訪ですよ。
日本橋三越本店に出向く時は、いつも昼どきが多い、というよりランチ目当てに、そして食材を買い求めるのが目的です。上の階に「特別食堂」があるのですが、私は食品売場の中にある天ぷら店「てんぷら 山の上」が一番のお気に入りです。その名の通り、山の上ホテルが経営する小さな店構えの“小どんぶり”のかき揚げ丼、これがイチオシです。時折となりの鰻店にも食指が動くのですが、あいにく常に待ち人多し。寿司店も同じくウェイティングの椅子がいつも埋まっていて残念ですが、“ラッキー!”なタイミングもあるので、一応混み具合を観察してから、漬物などを買い込みに行くんです。
駐車場がある新館出口の道路を渡った真正面にある、最近リノベーションした「紅葉川」という蕎麦屋もいいですね。家内とはいつも鴨南つけそばと、カレー南蛮蕎麦をシェアしていただきます。リーズナブルながら味はもちろん雰囲気も良くて最高! であります。
自宅近辺だと、新宿の三越伊勢丹がいいですね。昔から母に連れられて買い物のあとはレストラン街で食事を楽しんでいたので、愛着もひとしおです。今では伊勢丹のデパ地下も見慣れたもので、顔なじみの店もあります。ベーカリーも様々に出店しているのが好ましいですね。アンデルセンのオーガニックコーナーは少々お高いのですが、ついつい購入してしまいます。そうそう、伊勢丹の地下2Fはオーガニック専門で、ここも私のお気に入りの場所、そしてオーガニックレストラン「HATAKE CAFE」のメニューはいつも斬新で美しく盛られ、身体にもお財布にも優しい設定で大満足です。
再び話題は日本橋三越本店。買い物と食事を済ませ、地下1Fの食品売場から駐車場へ向かうとき、オリーブオイルの商品コーナーに目を奪われました。いつも通り慣れているこのコーナーは時たま週替りで出品社の異なる催事コーナーとなっていて、この日の目玉は樹齢2000年のオリーブの木に成るオリーブを絞った、エキストラ・バージン・オイルです! イエス・キリストが誕生した頃に芽吹いたオリーブツリーが、未だ現役で実をたわわに付けてるとは驚きであります。この衝撃に、私は思わず購入してしまいました。250ccで1本約2万円という高価格にも納得です。
帰宅後、さっそくバゲットにつけて食べてみました。
オリーブオイルの緑みどりした濃い味ではなく、コーヒーに例えるなら酸味も苦味も抑えめ、サッとした喉ごしが嬉しいブルーマウンテンのような上品さ。2000年の時が実を進化させているのでしょうか。
デパ地下はいつも心ウキウキと楽しい思いにしてくれます。時にはこうした驚きの食品との出会いも楽しみにしつつ、これからも探訪は続きそうです。
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