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コラム 三寒四温

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エシカルコンシューマーリズム

メリークリスマス。そして、ハッピーニューイヤー! 

激動の2017年も残すところあとわずか。振り返ってみると色々な出来事がありました。悲しい事。辛かった事。楽しかった事。悔しかった事。我が身辺はもとより、世界を見回してみても想定外の出来事が数多くありました。そして、私たち食品業界に携わる者として一人ひとりが、安心・安全はもちろんの事、安定供給、適正価格が問われた一年でもありました。

「過当な価格競争は品質にも及ぶ」

これは昭和23年4月発行の弊紙「日本パン・菓子新聞」創刊号に掲載された社説の一節で、創業者で私の父・菅田松司の苦言です。本人曰く“ズブの素人”が、遠い将来を見据えて始めた日本パン菓子新聞の創刊。公正かつ真摯をモットーに製パン・製菓業界へ発信し続けてきたからこそ、70周年を迎えた今日があると自負しております。

先日NOBU東京で開催した70周年記念レセプションでは、お土産にオーガニック食品の詰め合わせを参加者全員にお持ち帰りいただきました。世界中のBioに特化した食品を販売するミエ・プロジェクトのラインアップから私好みの商品を吟味しまして、手前味噌ながら評判は上々でありました。

環境や社会に配慮した商品を選ぶ消費行動を「エシカルコンシューマーリズム」と言いますが、最近では世界中で健康と地球環境に優しい食品や商品を選ぶ人たちが増えているそうです。元来エシカルの消費は英国から始まったそうですね。英国発のエシカルな食品や商品には環境保全や社会貢献、そして人間が健康な身体を保持するための創意工夫を新たに加味してゆく努力が見受けられます。私も今の所はほんの少しですが、なるべく率先して利用するよう心がける日々を過ごしています。

かのアインシュタイン博士が遺した「もしミツバチが絶滅したら、人類は4年で滅ぶだろう」という有名な言葉を思い出しました。地球上の植物全体の、実に3分の2の受粉をミツバチが請け負っているのですから、その結果たるや日本の少子化にも当てはまる大事件であることに間違いはありません。

2018年は我々業界にとっても、「エシカルコンシューマーリズム」を取り入れる絶好の年になるかもしれません。なぜなら私たちは家族、そして子孫のために、住みよい環境の礎を託す義務を履行しなければならない、という事です。

ますます広がる世界中の格差社会の中にあっても社会貢献や環境保全を全うし、オーガニックな食品を安定供給に努めるオーガニック大国・日本として研究・努力・実践する元年となる事を祈って、皆様、良いお年をお迎えください。


契り

惜しまれつつ亡くなられてから早10年。天才作詞家の阿久悠さんを偲ぶコンサートが東京国際フォーラムで開かれました。生誕80周年、作詞家デビュー50周年、没後10年というメモリアルづくしのリスペクトコンサートへ招待状を握りしめて家内と日間通しで行って参りました。とにかく驚かされたのが、豪華な出演陣。これはNHKの紅白歌合戦よりすごいんじゃないか?と思わせる顔ぶれです。

この歌謡ショー、司会者がいませんでした。なにより主役は「詞」ですから、ステージ上部に設置された巨大なスクリーンに注目すべき演出が施されていました。まず出演歌手名が流れ、スクリーンの後ろに隠れた生演奏のオーケストラがイントロを奏でると、いよいよ歌手の登場です。そして、歌い始めと同時に原稿用紙に書かれた曲名と歌詞が映し出される訳です。これは盛り上がりますね。

初日のトップバッターは私の好きな八代亜紀さん。歌はもちろん「舟唄」です。スクリーンの原稿用紙には〈作詞:阿久悠、作曲:浜圭介〉と記され、そして歌詞が続きます。

 お酒はぬるめの 燗がいい
 肴はあぶった イカでいい

説明不要、誰もが知っているこの歌詞をすべて記すのは控えますが、詞を目で読み追いながら、ステージ上の歌手の生歌を観て聴く。これは初めての経験でした。実に感動そのもので、日本演歌の真髄を実感させられました。

歌はもちろんですが、詞がなんとも良いですね。どんな感性を持ってすれば、このような詞が書けるのでしょうか? 「女は無口なひとがいい 灯りはぼんやり ともりゃいい」……すごい。すごい! すごい!

盛り上がりをみせるショーの中盤、スクリーンに「山本リンダ」の名前が映し出されると今日一番の大拍手が起こり、大胆に美脚を披露するショートパンツの衣装で登場するや、大きなステージを縱橫に「ウララ ウララ ウラウラヨー」と歌い踊り会場を沸かせます。往年のリンダ様の顔がスクリーンにアップされても、リンダはリンダ。圧巻のステージでした。そして石川さゆりさんの「能登半島」には胸が熱くなりました。

初日のトリは五木ひろしさんの「契り」でした。

 あなたは 誰と 契りますか
 永遠の心を 結びますか
 波のうねりが岸にとどく
 過去の歌をのせて
 激しい想いが 砕ける涙のように

会場は水を打ったようにシーンと静まりかえっています。スクリーンの歌詞を読みながら、五木さんの生歌を聴き、注視します。途中の詞は略して、私の好きな一節を。

 朝の光が海を染める
 生きる夢に満ちて
 まぶしい願いが きらめくいのちのように

そして最後は

 愛する人よ 美しく
 愛する人よ すこやかに

リフレインで盛り上げてから、切なく静かに曲が“消えて”ゆきます。日本の演歌って、素晴らしいですね。そして、阿久悠さんの偉大さ。

きっと阿久悠さんの“うた”は後世にわたって歌われ、語り継がれることでしょう。


バチカン

サミール・アルール前モロッコ王国駐日特命全権大使とはとても親しくお付き合いさせていただいており、弊社の人気コーナー「大使夫人のおもてなし」では大使夫人の唱子さんより世界各国の大使夫人を数多くご紹介していただき、また皇族をはじめ政財界の著名人とともに公邸にお招きいただき、ご家族ぐるみのおつきあいが続いていますこと、感謝に尽きません。

アルール夫妻は2018年の2月にはモロッコへ帰国されるという事で、仲の良い各国の大使から食事に誘われてお忙しい毎日を過ごされている中、私たち夫婦も一緒に誘っていただける栄誉をたびたびいただき、恐縮しています。

最近では12月1日、バチカン市国ローマ法王庁の大使館でのランチに私たちもご招待を受けました。千代田区三番町の閑静な住宅街に佇む大使館、開かれたゲートの先には重厚な石造りの建物。車寄せまでわざわざ出迎えてくださった特命全権大使のジョセフ・チェノットゥ閣下みずからご案内していただきました。フランシスコローマ教皇の写真が飾られた応接室でしばし歓談ののち、リビングルームに案内され、6人でのランチに3名の日本人シスターが厳かに料理をサービスしてくださいました。メニューはサーモンがメインのイタリア料理で、どの皿も素晴らしい。デザートのティラミスはプリンのように柔らかく、品の良い甘さでエスプレッソがおいしくいただけました。

帰りには玄関先で記念撮影、ヴェネツィアン・グラスに入った長崎産テキーラのミニボトルをお土産にいただき素晴らしい一日を過ごせた事は、アルールさん、そしてジョセフ大司教のあたたかいおもてなしとともに生涯忘れえぬ思い出になることでしょう。最後に案内された礼拝堂にて、大司教と共にお祈りできた事も感激でした。

アルールさんはモロッコに戻り国王の外務顧問に就かれるとの事で、ご活躍を期待しております。2018年には家内とモロッコへ行く予定をたてています。ますます元気になられているアルールさんにお会いするのが楽しみです。

そして、ジョセフ大司教からは大使館内で毎日行われているミサにシスターと共に出席する素晴らしい機会もいただきました。カソリックとプロテスタント、教義の違いはあるものの、天の御国はひとつであると改めて実感した次第です。


弊社社長 菅田耕司のコラム


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