コッペパン2
入院していた日赤の売店で見つけた、YBCの『PRIMEルヴァンサンド』。実食してみると、「わさび&カマンベール味」はワサビの主張、強すぎ! (でも、止まらない)もう一つの『ゆず明太子味とチェダーチーズ味』は、わさび味を食べた後なのでフェアなコメントできず、残念? それにしてもこの妙味、もしかして……飯島延浩社長がバイブルスタディで語られた「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」ことから生まれた新商品なのか?
この発想にあやかって私も考えました。パン需要が伸び悩む中でキラリと光るコッペパンブームの今、新たな需要となるもの……100歳世代の私達にとっては懐かしい、さながら“日本そば屋の黄色いカレーライスに、テーブルに置かれた中濃ソースを混ぜ合わせる”ような、ノスタルジックな昭和世代のおいしさを目指したい。そう、歴史は繰り返すのです。
前号で紹介した自称ベーカリープロデューサーが提案されていたのもコッペパンでした。狙い所は見事です。でも私は、正攻法で世のパン屋さんが共感し、つくりたくなるメニューを提案したい。
コッペの具材はコロッケ、ハムカツ、ナポリタンにソース焼きそば! コッペパンの大きさは昔の3分の2ないしハーフサイズで、ちょいハード系や全粒粉入り、キヌアやアマニなど体に良い世界の穀物も使い、具材と引き立て合う“主役”としてのパン。消費者の選択によるキャスティングも面白いでしょう。
具材で一品、私の一推しを。それは「スパム」です。とんかつのようにキャベツの千切りをたっぷり添えて味付けは中濃ソースなんて如何でしょう? またスパム缶にもハラペーニョ味やポチギスソーセージ味もあります。「オー、スパム、ありがとう!」というハーレムを舞台にした楽曲が全米ヒットチャートでベスト10入りしていた当時から、米国のハワイではマクドナルドやバーガーキングの朝食メニューに「スパムプレート」がありまして、パサパサのご飯とスクランブルエッグに、3~4枚ほどの軽くソテーしたスパムが入った一皿は現在でも大人気商品です。が、ご飯は相変わらずイマイチ。使い放題の小分け醤油をご飯にたっぷりかけないと日本人観光客には合わないでしょう。でも、それがおいしい食べ方。
色々なアイデアの調理済みコッペパンを店先の目立つ冷蔵ケースに、お洒落なラッピングを施して並べてみては? コッペの横にスリットを入れて、色とりどりの具材をたっぷりとサンドした昭和の哀愁が漂うコッペパンサンド。さあ、召し上がれ。
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