日々是好日
うだるような暑さの中、杖をつきながらブラブラと渋谷を歩いていると、通りすがりに大きなガラス張りの入口から美しい内装が伺えるお店が目に入りました。「オヤッ? この空間は何だろう」と思わず中へ入ってしまいました。
心地良い涼風が体を包みます。まず目に飛び込んだのは、さりげなく、そして品良くディスプレイされたドッグパンの数々。これでもかとナポリタンスパゲティが詰められたドッグパン。焼きそばやコロッケなど色々あります。レトロでノスタルジックな昭和の香り漂う具材の詰まったドッグパンが、こんなお洒落なところで売られている驚き!
真新しいビルの1階は、大胆なレイアウトが目を惹くベーカリーカフェ。そして2階にファッション雑貨、3階にはホテルという複合ビルです。
(詳細は弊社発行の日本パン菓子新聞・8月1日増刊号で紹介している「koe lobby」を御覧ください)
スタイリッシュな外観で抱いた期待を裏切らない、実に良い風景。最近流行りの“コト消費”やインバウンド観光客の受けも上々といった趣きです。
こちらを手がけた社長は岡山を拠点に海外進出も視野に入れる新進気鋭の若き企業家で、本業はアパレル。いやあ、最近では複数企業とのアライアンスで経営多角化戦略のもと、異業種タッグを組むのが当たり前になってきましたね。ただし、必ずしも効果が得られるかは未知数。まずは“人材”の確保と起用法にあるのは古今東西間違いありません。果たしてシナジー効果のほどはいかに?
ところで、私はこのカフェベーカリーを自ら取材した訳ではありません。編集部に「こんなパン屋ができたよ」と教えただけ。いつもこんな調子で、知らないパン屋さんへ入る“冒険”が日常になっています。それはパン屋にとどまらず「オヤッ?」と何かを感じた店には、中に客がいなくても勇気をもって探索するのが好きなのです。特に食べ物屋さんの場合、“ここだけの味わい”に出会う楽しみも。いや、楽しめない事の方が多いかな。皆さんも“冒険”という感覚で実践してみてはいかがでしょう? 私の言っていることがお分かりいただけるかと思います。
お客様にも、製品にも、従業員にも「敬意」「責務」「大志」「勤勉」を以って向き合う。そうすればおのずと“日々是好日”で過ごせるはず。
私もそんな風に生き(行き)たいものです。
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