PLC、チュセヨ!
私の友人で “コストコ大好き韓国人” のイさんは、かつて一世を風靡した人気韓流ドラマ「コーヒープリンス1号店」の撮影時、カフェオーナーの知識と経験を生かして主演のコン・ユさんはじめ全スタッフにソウルでバリスタ指導をした人です。現在新大久保にあるカフェ「珈琲豆林(コーヒー・ドリーム)」には当時のスチール写真が展示されていて、韓ドラ好きが高じて訪れる日本のマダムや地元の韓国人で連日賑わっています。
イさんは私と同じプロテスタントで、大久保にあるヨハネ東京キリスト教会の牧師をはじめ、多くのクリスチャンの集いの場でもあるカフェなのです。
この店が “ドラマ巡礼地” としての役目を終えて最近リニューアルし、スッキリとした内装に様変わりしました。イさんの友人手づくりのチーズケーキと、クロワッサンにチーズ・ハム・トマトを挟んだクロワッサンサンドイッチが人気です。他にもコン・ユさんの名を冠した「コン・ユ焼き」なる焼き菓子はリニューアル後も引き続き好評です。
ある日、イさんがいつものコストコで “大物” を買ってきました。伊藤ハムのパストラミビーフの薄切りパック、約1キロです。私に見せて「味見をしてください」と感想を求めるので、さっそく一口。「おいしいね!」と伝えると「これでサンドイッチをつくってみます」と調理場へ。
出てきたサンドイッチは某メーカーの食パン8枚切りを2枚使ったもの。中身はパストラミとレタスにトマト。「どうですか?」私は正直に、
「8枚切り2枚より、10枚切り3枚がいいな。1枚にはディジョンマスタードを塗ってパストラミ、真ん中のパンには何も付けずに3枚目はマヨネーズを塗ってレタスとスライスチェダーチーズを1枚はさみ、バッテンにカットして綺麗に皿に盛ったらどうでしょう?」
とアドバイス。
翌日、イさんは
「まいばすけっと、セブン-イレブンには10枚切りの食パンがありませんでしたが、高田馬場のオオゼキスーパーにロイヤルブレッドの10枚切りがありましたよ。さっそく試作して妻にもすすめてみたら絶賛してました! 」
ふむふむ、手応えアリのようですね。
「問題はロイヤルブレッドが1斤198円……少々値がはります(笑)。でも、とてもおいしい食パンと妻の笑顔でメニュー化決定です」
どうやらお役に立てたようです。
「スガタさん、名前を付けてください」
アドバイスに続いて名付け親、という訳で、
「パストラミのP、レタスのL、チーズのC、頭文字3つで
“PLC(パルク)” ってのはどう?」
と提案すると
「パルクハンゲ、チュセヨ!」(パルクサンドひとつください)
イさん、お客さんになりきって元気にコール。
うん、いい響きだね!
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