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コラム 三寒四温

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新世界 <前編>

山崎製パン主催の「サマーコンサート2019」が8月23日、赤坂のサントリーホールを貸し切って開催されました。東京交響楽団を指揮するのは銀髪の名コンダクター、秋山和慶さん。前半の演目はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」でした。

「新世界」は私にとって想い出深い特別な曲。
それは、思い起こせば40年近く遡る、遠い昔の話となります。。。

タイ王国の首都バンコクの中心地に「ファランポーン」という、日本の東京駅のような中央駅がありまして、バックパッカーだった私は19時発の夜行寝台列車に乗ってマレーシアとの国境近くの港町「スラタニ」へ12時間かけて向かいます。夕食はキッチンカーからのデリバリー。どれもハイクオリティーなタイ料理をメコンで楽しみました。朝食はトーストとコーヒーのデリバリー、こちらもまあまあ。

到着後は駅前で待機する集合バスに飛び乗ります。2時間ほど舗装がいい加減な道を砂埃を上げながら100キロ近い速度で突っ走るものですから、眠る事もできません。とはいえぼんやりと水田、畑、塩田や放牧された牛の群れ、そして今にも倒壊しそうなドアすら無い藁葺き屋根の屋台が集まったレストランで食事をする人々を眺めているだけでも飽きません。そしてあっという間にフェリー乗り場に到着するのです。

フェリー乗り場には屋根だけの待合室と小さなレストランだけ。弁当などを売る子どもがひしめいていて、リュックを背負った外国人旅行客に声を掛けます。私は10歳くらいの坊やが肩からかけたズタ袋にたっぷり入っている竹筒の弁当らしきものを見つけて1つ買い求めました。坊やは小さなナタでやさしく縦に刃を当ててトントンと割りほぐすと、竹筒には炊かれたココナッツ風味のジャスミンライスがぎっしり入っています。お金を渡すと坊やは両手を合わせて「コップクン・クラップ(ありがとう)」と笑顔で近くの外国人の集団の中に入っていきました。

30分もするとフェリーに案内され乗船。後部デッキにリュックを置いて「竹ご飯」のランチタイムです。船はゆっくりと港を離れて、目指すは「コ・サムイ」。“コ” はタイ語で「島」を意味しますから、行き先はサムイ島ですね。

シャム湾に浮かぶコ・サムイまで4時間の船旅はとても賑やかです。ドイツをはじめヨーロッパ各国やアメリカ、アフリカ等々、世界中から集まったコ・サムイを目指す若者同士で賑やかに語らいます。勿論スマホやネットもない時代でしたから、お互い貴重な情報収集でもあるのです。船の売店で買ったタイの「シンハービール」をラッパ飲みしながら、船は一路コ・サムイに舵を切り、国立公園に指定されている緑いっぱいの島々(ほとんどが無人島)を通過します。

やがてコ・サムイの港町「ナトン」の浅橋が見えてきました。ほとんどのバックパッカーはリュックを背負い直して桟橋を見つめます。

「サワディー・クラップ!」
こんにちは、コ・サムイ。え? ここが新世界!?
いやいや、ここからがスタートです。(続く)


弊社社長 菅田耕司のコラム


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