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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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関取はパンが好き

歳を重ねると、目や耳・歯などにガタが来るのはもちろん、物忘れなど脳の退化も避けて通れません。しかも私の場合、頚椎の手術と脊椎狭窄の術後経過が芳しくない上に、胃がんによる全摘出、さらには食道がん手術とくれば「風邪ひとつ引かない、病気知らずの不死身の男です!」と豪語していた頃が嘘のようです。

60代前半まで文句なしの健康体で文字通りこの世の春を謳歌していたのが、ここ6年間で状況は一変しました。今は私をとりまく皆様のあたたかいお気遣いをもって穏やかな日々を過ごしております事、誠に感謝であります。つけっぱなしのテレビから流れてくる、若かりし頃の堺正章さんが唄う「♪あのとき君は 若かった」という懐かしいフレーズにも思わず頷いてしまいます。

体の衰えが次々と表れる一方、鼻(嗅覚)だけはなぜか衰える事なく以前にも増して利くようで、食べ物や花に限らず人間関係を左右する「人となり」なども正確に嗅ぎ分けできていると、最近少し自信がついてきました。まあ家内に自慢する程度で人様に講釈を垂れるようなものではありません。ともあれ、いつ何時どんな場所でも人間ウォッチングは楽しいもの。長年の習慣の賜物といったところでしょうか

話を「鼻」に戻しましょう。私はご飯が炊けた時の匂いと、食パンをトーストして焼き上がる寸前の匂いが大好きです。ご飯は炊き上がりを知らせる炊飯器のアラームが鳴るや、すぐにしゃもじでご飯を茶碗にとり、両手で炊きたてのご飯を丸めるように茶碗を振っておむすびにします。塩をあてて焼海苔でくるんだら、出来たてをすぐに頬張ります。パリパリの海苔、程良い塩加減のおむすびに具材は必要ありません。

食パンは6枚切りがいいですね。トースターがガチャンと音を立てて跳ね上がり、キツネ色に焼けたところを何もつけずに香りをおかずにシャキ、バリッ、サクッと音も楽しみながら食べる。米とパン、いずれにせよ食事はシンプルが一番! もちろんソースに工夫を凝らす手の込んだフランス料理や贅を極める中華料理なども全ておいしくいただけるのですが、好きな時、お腹が空いたなと思い立ったら気軽につくれる炊きたてのご飯と焼き立てのトーストにはかないません! 文句なく私のグルメ番付における、東西の大横綱であります。

相撲といえば、初場所が始まりました。私の友人である立浪親方率いる立浪部屋からは、部屋頭の明星関をはじめ十両に天空海関、豊昇龍関と3人の関取が連日熱戦を繰り広げており、TV桟敷で楽しんでおります。彼らと先日食事をした時、「チャンコにご飯も良いけど、パンが一番好き」と3人が口を揃えていました。九州場所ではリョーユーパングループの北村会長が九州の後援会長をされていることもあり、場所中は稽古場と宿泊先に様々な食材と大量のパンが差し入れで届きます。さしづめチャンコがスープで主食はパンという感覚なのかもしれません。時代を感じますね。

 ***

天空海関・豊昇龍関 勝ち越しおめでとうございます!
無念の途中休場、明生関の快気と来場所の奮起に期待!


あしあと

※週刊製パン情報・2019年最終号の
「三寒四温」に掲載した詩を掲載します。

 ******

「あしあと」

ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
一つはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。
これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。

 主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
 あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
 わたしと語り合ってくださると約束されました。
 それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
 ひとりのあしあとしかなかったのです。
 いちばんあなたを必要としたときに、
 あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
 わたしにはわかりません。

主は、ささやかれた。

 わたしの大切な子よ。
 わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
 ましてや、苦しみや試みの時に。
 あしあとがひとつだったとき、
 わたしはあなたを背負って歩いていた。


著者:マーガレット・F・パワーズ
財団法人 太平洋放送協会 発行『あしあと』から転載

年頭にあたって

明けましておめでとうございます。

2019年は慌ただしく過ぎ、あっという間に2020年を迎えました。待ち望んでいた東京オリンピック・パラリンピックが開催される令和2年は明るく平和な一年になれば、と誰しもが思い描いている事でしょう。

私も含めて高齢化社会が佳境に入りました。地球温暖化による環境破壊が世界各地で起こり、また多くの天災被害が報告されたのも2019年の悲しい出来事でありました。この悪い流れは残念ながら止まることなく、引き続き気象変動による天災が起こることを覚悟する必要がありそうです。最悪のケースを防ぐために各国の行政機関や民間企業が諸問題に取り組んでいますが、COP25などで打ち出される方策にかかる途方もない年月と膨大な試算金額を見るだけで子どもや孫たちの行く末が懸念されます。

最初の一歩を一致団結して踏み出さなければ、決して明るい未来はやってきません。環境汚染では無責任に投棄されたプラスチックごみなどが世界中の海を漂流し、絶滅危惧種に指定される海洋動物が相当数増大するとの予測もあります。この問題は我々製パン業界にとって他人事ではなく、食パンの袋を留めるバッグ・クロージャー(クリップ)や包材などを水や土の中で確実に早く自然分解する素材に代替していくことが急務と思われます。幸いにして各企業が研究を重ねており、徐々にではありますが、地球にやさしく、耐久性が保たれる包材・容器の開発が進み実用化されているのも明るいニュースであります。

全ての人々が生きる事に美意識を感じれば、着実に地球環境は改善され、争いのない平和な世界が訪れると私は信じております。

大切な子どもや孫、その子ども世代のために。



弊社社長 菅田耕司のコラム


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