第一聖日
昨年の12月21日、72歳となる私の誕生日に日本相撲協会立浪部屋の親方はじめ関取衆や若者達が、毎年恒例となっているご近所感謝餅つき大会に合わせて、特別に鏡餅をついていただきました。正月の7日間を床の間に飾ったのち、14階の南側ベランダにて寒風日干し。手製の「揚げ餅」を約1ヵ月遅れのクリスマス休暇でバリ島へ持参するために1月いっぱい干しに干して細かく砕いて揚げました。
出発日の2月10日、除湿処理済みの空の海苔缶に詰めて準備万端。クタビーチ沿いのホテルのプールサイド、デッキチェアでスイカジュースを飲みながら醤油味の手製揚げ餅を食べる。私にとって究極の贅沢を楽しむ10日間でした。
この時期、まだ新型コロナウイルスに対する国や都からの指標指示は無く、すんなりと出国できたのです。しかし滞在中に刻一刻と状況が変わり、帰国前に日本へ連絡を入れると「マスクもトイレットペーパー、米も売り切れ」という家内の話。
さっそくホテル近くのスーパーに行くと、マスクは品切れどころか棚いっぱいに並んでいます。5枚入りパックの10袋入りのボックスが日本円換算で15円だったかな? 少々気が咎めつつもおよそ
10箱、500枚を購入して帰国。家内や社員に感謝されました。自宅近辺を散策すると、なんと八百屋さんの店頭でマスクを売っていました。しかも50枚入りで5,000円! それでも「まだ安い方だわ」と家内。スーパーではトイレットペーパーや米、冷食、インスタント麺や納豆にいたるまで売り切れ。不必要な買い占めの横行はかつてのオイルショック時に経験していますが、今回はさらに度を越している気がします。
3月に入ると15日に予定されていた中曽根康弘元総理のお別れ会が延期となり、各国の駐日大使館で開催されるナショナルデーも軒並み中止、そしてついにオリパラ延期が正式発表。この頃から小池都知事が「3密」をメディアを通じて呼びかけましたね。
4~5月は外出自粛要請にテレワーク推奨、国民1人当たり10万円の特別定額給付金の支給決定、株価は連日乱高下という異常事態。そして東京アラートから始まる新しい生活様式を強いられ日々。“尻に苔が生えそうだ” と先輩と電話で愚痴をこぼし合いました。
リビングから窓外を見やると、低空で羽田空港へ向かう旅客機が騒音とともに通過する光景や梅雨明けの美しい夕陽、路地で咲き競う紫陽花。いずれも日常そのものです。以前の賑わいや平穏が戻りつつも予断を許さない状況の中、令和2年の前半が終了しました。
会社のベランダから眼前にそびえる新国立競技場からの歓声は1年おあずけですが、一日も早く非日常から以前の日常へ戻れるようにと、7月の第一聖日となる5日の日曜礼拝で祈ってきました。
■■■■■■■■■■■■