ときめきのデリ
コロナ禍にて外出を極力控えるステイホーム生活。思い返せば昨年の3月前半あたりから新しい生活様式という非日常生活が始まり、今ではすっかりに慣れた自分がいます。マスクは必需品、手指の消毒や買物はじめ公共機関でのソーシャルディスタンスは当然の事で、道行く人の中でノーマスクの人が近づいてくると、自然と体を遠ざけてマスク越しの呼吸をしばし止めてやり過ごす。過剰という気もしますが皆さんにも同様の経験があるのではないでしょうか。
「もしや、この人は陽性?」
「ひょっとすると私は無症状のコロナ患者?」
そんな考えに囚われるのが本当に嫌で、人混みを避けてマイカー移動が増えました。
ウイルス感染の被害者にも加害者にもなりたくないという葛藤は人間不信を生みます。そんな中、“私だけは大丈夫” という人が多数おられるのも現実で、緊急事態宣言下で新規感染者は減少は続いているものの、かつての日常を取り戻すには程遠い状況です。ともあれ日本でもワクチン接種が始まり、本格的な経済回復への期待も高まります。
我が業界ではスイーツや食事パン、和菓子なども元気ですね。ステイホーム下の楽しみとして一役買っています。そしてクラフト缶詰や冷凍デリ、各種レトルト食品などと組み合わせ、ちょっとしたアレンジを加えて楽しむ。そんな食卓に彩りを添える “技” を、皆さんもこの1年で身に付けたことでしょう。
デパ地下巡りも復活しています。私は週に1回程度、日本橋三越へ車を走らせてグルメショッピングを楽しんでいます。未知なる味に出会う自己探求はもちろんのこと、緊急事態宣言中に会えない友人や家族を思ってプレゼントを考える一石二鳥の楽しみ方です。特に初物は見た目から味を想像するワクワク感があります。
組み合わせのアイデアが閃いたら、まずは自分で試食するべく一つずつ購入します。せっかくの贈り物ですからアレンジ方法やお洒落な盛り付けを納得いくまで試行錯誤。
「このシャルキュトリのパテはライ麦とそば粉のカンパーニュに合う! バゲットにはタプナード(オリーブのペースト)に、国産キャビアをトッピングしたらどうかな?」
産地や価格帯がバラバラな異色のコラボは新発見でした! ヴーヴクリコが合いますね。
「虎屋のあんペーストをフォカッチャに塗って、ゲランドの塩をひと振り」
これは兼八の酎ハイがいけます。
パンは食卓を豊かにしてくれます。のせて、はさんで、塗って、トーストして、そしてそのままちぎって、デパ地下で買い求めた食材に合わせて楽しむ。そして納得のいったデリを見つけたら、友人や家族へのギフトに。私たち夫婦にとって、これが非日常生活における究極のストレス解消法であります。
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