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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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ブランド食パン

コロナ禍の折、新年度から食料品の値上げが実施されており、製パンならびに関連企業も対応に追われています。消費者にとっても巣ごもり生活でスーパーやコンビニ等での食パンや総菜への支出がかさんでいる状況ですから、値上げによる支出増は悩みの種でしょう。

しかし近年の統計を見ると、食料品購入の支出内訳は “高級志向” が目立ちます。もちろん安売りのセール品や安価な訳あり食品の売上等は以前通りで、消費者の支持は変わりません。それでも普段は固い財布の紐を緩ませる「プチ贅沢」を楽しむ傾向が出ているのも事実。マンネリになりがちなステイホームの食生活が高級食材・本物志向へと目を向けさせているのです。

外食もままならない逆境こそチャンスと捉え、内食は確実に進化を遂げています。日清、ニップンはじめ製粉会社が手掛ける冷凍・レトルト食品の高級バージョンや、ミシュランの星付きレストランのネット直販による高級メニュー。温めて器に盛り付け、季節の花を添えれば笑顔あふれる食卓に様変わりします。徐々にではありますが3月の街角景況感は改善、第4波が到来しているものの、必ずや値上げも乗り越えられるでしょう。

雨後の竹の子のような出店ラッシュや相場を覆す高値で話題が先行する「高級食パン」の一方で、製パン企業の長年にわたる研究開発の結晶ともいえるブランド食パンもロングセラーで好調を維持しています。おいしさとリーズナブルな価格の両立で、最安値で勝負するPB商品と同じ販売棚に並んでも消費者に選ばれているようです。各社とも食パンのみならず菓子パン、調理パンも値上げをむしろ好機と捉え、再活性化へと導く努力が店頭ウォッチングからもうかがえます。

今後の消費者ニーズを考慮すると、全粒粉や雑穀を配合した健康志向が第一ですが、他にも目に見えないヒントがあるはずです。何より大手は流通による安易な価格競争に迎合せず、リテイルでは客単価を維持しつつシェアを確保するためのアイデアを実践してもらいたいと願います。

ライフワーク

新型コロナウイルス、環境破壊、地球温暖化、世界各地の紛争や大国の強権発動など我々人類は未曾有の試練の只中に生きています。

私は製パン業界に身を置く者として思う所があったとはいえ、分不相応にもこれらの諸問題について聞きかじりの知識で本コラム上にてたびたび不確かな発信をしてしまった事を反省しています。自宅にこもってペンを走らせながらTVを見ていると、国内外の情勢について同じコメンテーターが同じコメントを繰り返す、そんな状況にいつしか違和感も薄れ感化されている自分を情けなく思います。

という訳で、本来のコラムのように、自分本位の世界に生きる私の人となりをさらけ出す覚悟を決めました。情報番組やワイドショーから卒業して、自然科学や宇宙をテーマとするCS放送のコンテンツに時間を割き、ステイホームを守りながらリラックスした状況でコラムを書き、自分らしさが伝われば尚良し、と考えた次第です。自分本位の世界に生きている私は、我儘かつ自己顕示欲が強いが涙もろく、時には図々しい男なのであります。でありますから、未だ完成には至っておりません。以前は「未来は自分自身ですべて変えられる」なんて本気で思っていたものです。本当に自分本位ですね。  

今年74歳を迎える私の目標は「自分自身で本物を探し出す事」。文章にすると理解に苦しみますね。我ながら呆れてしまいます。

製パン企業の生命線である「食パン」。これです!

 これをベースに取り組みたいのは「本物の食パン」。果たして答えは出るのでしょうか? 私の見解では、昨今存在感を増しているプロデューサーやコーディネーターといった方々が手掛けている「高級食パン」は問題外です。適正価格、栄養価、飽きない味、そして何より重要なのが世界の貧困生活下に生きる人々へ、食パンで命をつなぐ方法の構築です。ワールド・ビジョンやユニセフ、赤十字などとタッグを組んで、製造から平等に行き届く流通方法までフォローする。もちろんドネイションで全てを賄ってはいけません。発展途上国で小さいパン屋を開業させる経済の仕組み、それは材料の調達、技術者の養成、パン販売のマネジメント教育、返済可能な資金調達の方法等々、これらをあますことなく伝えるには無尽蔵のバイタリティと柔軟な発想が求められます。

これが私に与えられたライフワークとして、様々な形で貢献できる新聞屋になりたいと願っています。

 不合理

緊急事態宣言解除の後は、一転して「まん延防止等重点措置」の適用開始。何やらドタバタ劇を見せられているかのような昨今の日常は、「自分本位」な多数の国民性と慎重すぎる政府の指針という歯車が噛み合わない状況に加えて、世界でのワクチン争奪戦にも問題があるようです。

手配はしたもののワクチン到着の予定が明確ではない。しかし摂取時期やその方法といった情報ばかりが錯綜し、世の不安を高めているのが実状であります。

新年度となる4月に入るとスポーツ界から明るいニュースが次々と報じられ、コロナ禍の中でも私達を元気に導いてくれます。大相撲では、不屈の努力で優勝を飾り大関に昇進した照ノ富士関への賛辞が集まりました。そしてゴルフ界ではなんと松山英樹選手が全米マスターズで優勝を飾りました! 日本人初の4大タイトル獲得、そしてアジア初のマスターズ制覇です。そして忘れてはいけない、フレッシュな新風も吹きましたね。マスターズの前哨戦となるナショナル女子アマチュア大会で17歳の高校生・梶谷翼さんが日本人初となる優勝を飾りました。
MLBでは右肘手術という逆境を経たアストロズの二刀流、大谷翔平選手の好調ぶり。連日の「ビッグフライ・オオタニサーン!」は頼もしい限りです。
そして競泳界では白血病からカムバックし、見事オリンピック400メートルメドレーリレーの代表入りを果たした池江璃花子選手。レース後インタビューでの涙にはもらい泣きしてしまいました。

聖書の教えに「命の道」があります。「試練や困難、苦しみ悲しみ、問題課題は解決し乗り越えるための尊き言葉が与えられる」。まさにすべての人間は不屈の精神で乗り切る覚悟を持ってすれば「成せば成る」ということなのかもしれません。諦めてはいけない、危機の時こそ挑戦すべし、という生き方をヒーロー達からも教えられました。

コロナ禍に乗じるかのような不合理な問題が世界各地で起こっています。しかし、すべての不合理な事案にも正義があるのだと私は祈ります。

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太古のウイルス

国が発出した2回目の緊急事態宣言を受けて、国民の多くは新しい生活様式を徹底して守り、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐべく不自由な日常を過ごしています。しかし一年以上にわたるコロナとの戦いに些か疲れ果て、「自分は大丈夫」と羽目を外して繁華街に繰り出す人も増えています。公共交通機関やデパート、オフィスビルのエレベーターなど不特定多数が行き交う場所でこそ守られるべき3密やソーシャルディスタンスも形骸化しています。宣言下で感染者の下げ止まりが続く中ですが、今月21日には解除となり、街に活気が戻る一方で感染拡大が懸念されます。

地球が誕生してから何十億年もの長い時をかけて、多種多様な生物が誕生と死滅を繰り返して現在の環境が成立しました。しかし人間が生活や経済を優先して限りある資源を利用し続け、すさまじいスピードで環境破壊を重ねています。その結果はご存知の通り、便利さを追い求めた代償として膨大なプラスチックごみが世界中の海と河に漂っています。それは海洋生物の体内に蓄積され、食物連鎖で人間にも悪影響を与えています。

BS-NHKの海外ドキュメント番組で、雪氷圏の氷河が大きく海面へ崩れ落ちるショッキングな映像が流れました。識者解説として添えられた和訳テロップには

「これは地球温暖化による人的被害です。犠牲者が各地で毎年報告されていますが、問題はそれだけではありません。永久凍土の中に眠っていた太古のウイルスが目を覚まして復活し、今までに人類が経験した事のない恐怖が襲ってくる可能性があるかもしれません」

とありました。これはミステリー小説の中の話ではありません。気候変動の問題は最優先で解決策を模索する努力が必要でしょう。前述の “多種多様な生物” にはウイルスも含まれるのです。数々の生命体を媒介して変異を繰り返し、人類の歴史など取るに足らない長い時間を生き抜いてきた、ある意味とても強固な存在です。

新型コロナウイルスが収束しても、しばらくはマスク必須の生活が続くでしょう。変異種の発見とワクチンの開発・接種というせめぎ合いも然りです。全世界の人々が知恵を絞り、我らの母なる大地を元に戻す取り組みが必要ではないでしょうか。

さしあたっての行動として地球温暖化対策の国際協定「パリ協定」の遵守であると識者は結んでいました。問題は山積していますが、一人ひとりが為すべき事を為し、守るべき事を守り尊厳をもって生活しましょう。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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