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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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ハッケヨイ!

「座っている時間が長い人は病気や死亡のリスクが高い」

これ、海外の研究筋ではすでに定説のようです。しかもこのリスク、いくら運動してもさほど軽減されないとのこと。つまり “高度な運動自体は良いことだが、長時間座ることの悪影響は残ったままであるらしい” と、購読している会報誌に連載されている檀ふみさんのコラムにありました。

檀さんは、
「ステイホームも自粛も性に合っているからずっと家でゴロゴロと幸せでいられた。一方で、毎日の体操は欠かさない」
とも記しています。これは私も同様、バーカウンターに手を置き、足元には少し高めのしっかりとした風呂椅子を置いて踏み台昇降を片足ずつ25回、1日3セット。プラス、家内が還暦祝いに子どもたちからプレゼントされた腹筋のできるリクライニングチェアーで20回の腹筋を3セット。また天気の良い日はマスクを二重にしてウォーキング用のストックを両手に自宅周辺を小一時間散歩。これでストレスやコロナ太りとは無縁の健康的な生活だと思っていたのに「座り過ぎは運動で挽回できず」の一節に、うーんと唸ってしまいました。

ステイホーム中は週1回の本コラム執筆と積み上がった未読の新刊を約3時間読み、その合間に芸能ニュースのない木下アナのワイドスクランブル視聴が日課です。夕食後は録画したTVドラマを家内と一緒に楽しみ、私は麦焼酎の炭酸割りを飲りながらWBSとZEROをチェックして午前零時に就寝というルーティンですが、明らかに “座り過ぎ” ですね。週2日程度の出社は電車通勤を心がけているものの、立っている時間が少ない気がします。ということで前述のコラム書きと読書をバーカウンターでのスタンディング・ワークに移行しました。

いやはや、立ち読み(書き) がこんなにも気持ちが良かったとは。思考スピードは鈍ることなくページがどんどん進みます。時おり片足を振ったり屈伸したり、ページをめくる間に外を見やれば新宿のビル群が一望でき、遠くを見れば目もいたわれます。眼下の病院へサイレンを鳴らしながら到着する救急車もここ数週間はぐっと減り安堵しています。実直にルールを守ってきた大多数の我慢のおかげで、確実に収束に向かっているようです。
 
14日から始まった大相撲も、手を後ろに組み足踏みをしながらの立ち見観戦。音や振動を一切出さぬよう階下に遠慮しながら小さなシコを踏むのも一興ですね。

ハッケヨイ! 行司の掛け声が心地良い。大相撲は日本を元気にしてくれます。

ケニアの思い出

いつかはアルバムに整理しようと、虎屋の木製羊羹箱3つ分に詰め込んでいた昔の写真。面倒な事は何でも後回しという私の性分ゆえ気付けば収納スペースはすぐに一杯になります。O型=大雑把という典型的な性格の表れでしょうか。

先日もクリーニング上がりのワイシャツを袋から取り出すと、プラスチック製のカラーステイがありません。買い置きを探すも見当たらず、“デパートでまとめ買いしたはずなんだけど?”  と記憶も曖昧で……それがなんと、写真しか入っていないはずの羊羹箱から出現! こんな調子で物忘れがひどくなっていますが、決して忘れる事のない思い出があります。
 
15年ほど前に農林水産大臣でご活躍されていた故・中川昭一元大臣のアフリカ視察に同行させていただいた時の写真がありました。ケニア共和国の農業視察の光景が箱いっぱい、かなりの枚数です。

現地でご活躍されている日本の商社支店長、JICAの代表者など50名あまりを駐ケニア日本大使館に集めての懇親会、ケニア日本人学校訪問で地球儀のお土産を渡される姿、日本にも輸出しているバラの切り花を生産する巨大温室の視察、そして当時のキバキ大統領との2ショット写真等々。懐かしくも緊張の中で中川先生の様々な表情を見据えシャッターを切った数々の写真それぞれに思い出があります。この体験は私にとって貴重で有意義な “時” であったことは間違いありません。

プロペラ機で草原の滑走路に発着するエアタクシーで、ケニア国定公園やマサイ族の農村視察にも同行しました。着陸時に滑走路ではヌーの大群が横断中、上空旋回で通過を待つ、なんてやりとりもドアのない操縦席越しに目の当たりにしました。これぞケニアのサバンナだ! と感動し、翌日は熱気球に乗って自然公園での美しい日の出を眺めるワンショット。眼下には野生動物たちの群れ。

極めつけは100万頭近くのヌーの川渡り。クラシックな改造ランドローバーに乗り対岸から一部始終を観察できました。先頭の一頭が水辺に口を付けて用心深く辺りをうかがう動作を入れ替わりで数十回繰り返した後、意を決して勇気ある一頭が飛び込むと、大群が一斉に続きます。

しかし十数分後、水中に潜んでいた巨大なワニ達が大きな口でヌーに襲いかかりました。噛み付いたら離さずにローリングしながら水中へ引き込むのです。たちまち川は血で染まり、凄惨な大自然の摂理を見せつけられました。無事渡り切ったヌー達だけが、生い茂る新緑の草原で草を食むことができるのです。

中川昭一先生が天に召されて十二年。その意志は郁子夫人に引き継がれ、先日の衆院選では見事に3回目の当選をされました。昭一先生が生涯のテーマとしていた水問題をはじめ、幅広い農水政策にご活躍されることを期待します。


メレ・カリキマカ

15年ほど前に、食通で知られるリョーユーパングループの北村俊策会長から、東京での拠点にしている広尾ガーデンヒルズ近くの日本料理屋に招待された時のことを思い出しました。

「分けとく山」総料理長の野埼洋光さんは、言わずと知れた日本料理界の重鎮。みずから腕をふるい至高の料理をつくりあげていく様をカウンター越しに目の当たりにした感動、一品々の料理の美しさとおいしさが忘れられません。

コロナ禍で外食もままならなかった緊急事態宣言下の今年はじめ、新宿の三越伊勢丹に家内と買い物に行った時のことでした。レストラン街で早めの夕食を、と店を探していた時ふと目に止まった「分けとく山」の看板。「懐かしいなあ、広尾の本店で北村会長にご馳走になったことがあるんだ。それはそれはおいしかったよ」と話したら家内も興味津々で即決。15年ぶりに「分けとく山」の味の探訪開始です。

店内へ一歩踏み入れると、パーフェクトな三密防止策でソーシャルディスタンスを徹底しています。アクリル板越しのカウンターはなんとも淋しく、全スタッフがマスク姿というのも非日常を満喫したい一流料理店の雰囲気が削がれますが、板前さんの鮮やかな包丁さばきと芸術的に盛り付けられた渾身のひと皿にケチな気持ちも吹き飛ばされます。

野崎さんは不在ですが、引き継がれた板長がおもてなしの気持ちを込めてひと皿々を提供してくれました。残念ながら酒類提供も休止でしたが、お茶で一流の日本料理をいただくのも一興でしたね。

それから半年後、緊急事態宣言が解除された10月中旬に再訪しました。まだまだソーシャルディスタンスを守っての飲食ですが、酒類提供は再開。これぞ会食ですよね! やっぱり料理に合わせて日本酒、ワイン、シャンパンを楽しみたいものです。それも一流店でのペアリングなら、神様は至福の時を与えてくれます。

秋の味覚を堪能したその日、木枯らし一号が吹きました。クリスマス商戦が本格化し、全国の洋菓子店・ベーカリー、そして製パン各社が腕を競うクリスマスケーキも出揃いました。ウイズコロナの日々を目でも味でも癒やし、楽しませてくれるデコレーションケーキは家庭に日常の笑顔を与えてくれます。

来年こそはウイズアウトコロナのもと、すっかりご無沙汰のハワイの地で “メレ・カリキマカ!” とハワイ語でメリークリスマスを交わしたいものです。

世界のグルメ

礼儀正しく真面目で相撲道一直線の明生関は、昇進して関脇の番付で臨んだ9月場所の千秋楽で見事に勝ち越し、11月の九州場所から大関獲りの期待が高まります。

2年ほど前、まだ平幕の明生関と共に山東昭子参議院議長の公邸へ訪問したのがきっかけで、山東議長は寡黙で恥ずかしがり屋の明生関のファンになりました。9月場所も忙しい公務の傍ら、明生関の活躍をTV観戦されていました。

7勝7敗で迎えた千秋楽、執念で勝ち越しを決めた瞬間、桟敷の最前列で観戦していた私の携帯電話に山東議長から「やったわね。凄いわ!」と速攻でメールが届いたほど応援してくれています。さらに後日、「日本を元気にしてくれているわ」と再びメールをいただきました。歴史ある日本の国技、大相撲の発展を視野に入れて若手力士を代表して見守ってくれています。大相撲はコロナ禍でも日本に元気を与えています。

新型コロナの感染者数が急激に減少しているのは日本国民の7割以上がワクチン接種を行った効果と、日常生活でも外出先でのマスク着用をほとんどの人々が行うといった日本人生来の生真面目さがウイズコロナの生活を守っているのでしょう。とはいえ全員マスク姿の子どもたちに驚くサンタクロースとトナカイさんも今年限りとなることを祈って、来る2022年は明るい希望に満ちた、穏やかな日常と経済の活性化が望まれます。
 
11月初旬に立浪部屋の力士一同は九州福岡へ移動します。という訳で、しばらくは力士たちとTV桟敷でしか会えなくなるので、先週、ランチ会を楽しみました。私と対面した明生関は相変わらずのハニカミ屋で、ステーキと大盛のご飯を「おいしいです」とかき込みながらニコニコ。隣席のやんちゃな豊昇龍関はジョークを連発し家内は笑いっぱなし、そこに天空海関のツッコミが冴えて、それはそれは楽しいランチの歓送会となりました。各力士とも九州場所での活躍を願っています。

その帰りに、新宿の紀伊國屋書店で以前から気になっていた地球の歩き方BOOKS発行「世界のグルメ図鑑」を買い求めたのですが……。甚だ手前味噌ですが、弊社が昨年発刊した『大使夫人のおもてなし』は改めて素晴らしい企画と充実した内容だと自画自賛してしまいます。


海老粥

今年の8月30日、久しぶりのハワイ渡航を6ヵ月前に決意。航空券、ホテル、レンタカー、そして英文のワクチン接種証明書に電子ビザ「エスタ」の新規取得と万全の体制で出発日を待ち望むも、日本では想定以上のコロナ感染者の多さと、ハワイでは米本土からの観光客による爆発的な感染拡大でハワイ州知事より「来ないでハワイ」のお願いがニュースで流れるに至り、出発7日前にすべての予約をキャンセルしました。

ハワイ行きを断念した翌朝、家内とレトルトのフグの雑炊を食したのですが、ハワイでの楽しいひと時を思い出して少し噴き出してしまいました。「どうしたの?」と家内。
 
20年以上前から私たち夫婦はハワイへ行くと、必ずダウンタウンのチャイナタウンへ繰り出し、吊るしチャーシューや豚肉の皮付き三枚肉のパリパリ揚げやハワイ沖でとれるマグロを買ってワインやビールのつまみとして楽しんでいます。チャイナタウンの川沿いにある飲茶店は朝7時から営業していて、ランチタイムは長蛇の列という人気店。大根モチや細かく切ったスペアリブ、そして私の大好物のチマキなど、味は一流。店員さんが料理をのせたワゴンを押しテーブルに近づくや、待ってましたとばかりに満載された飲茶の小さなセイロの蓋を一つひとつ開けて、湧き上がる湯気とともに中身を確認してオーダーするのです。

ある朝、チャイナタウンの小さな中華レストランへふらっと入ってみると、まだ早いのか客のいない店内では数人のおばちゃん店員が餃子と肉まんづくりに励んでいます。テーブルに着くとすぐに、大小の茶碗が運ばれて来ました。

「これは雲南茶よ」と言われたのはすぐに分かりましたが日・英語のメニューはありません。お茶をひと口飲んで、店員さんにお粥を注文しても、まったく通じません。私は中国特有の味付けした色付きの粥は苦手なので普通のシンプルな白粥を塩と餃子で食べようとオーダーしたのですが、餃子は「ジャオズ」でOK。問題はお粥です。

英語力はあちらも同レベル。しからば身振り手振りをと奮闘の末、「OK」と店員は厨房へ。そして出てきたお粥は、なんと海老粥でした。

ハハーン、なるほど!

「シンプル・ライス、スープ」は「シュリンプ・ライス、スープ」という訳ですか。昨今では日・英語のメニュー完備で問題なくオーダーできるようになりましたが、これも楽しい思い出です。一日も早くシンプル・ライス・スープを食べに、ハワイに行きたいと願っています。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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