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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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令和4年は「栄養」と「健康」

昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルスに振り回された一年でした。三密防止、ソーシャルディスタンス、ステイホームそしてマスク着用という非日常の生活様式も2年続けば不本意ながら心なしか馴染んでしまうようです。しかし、この不便さをほぼ全国民が粛々と受け入れ遵守しているおかげでパンデミックは避けられました。しかし11月までの感染者数減少から一転、12月からはさらなる変異種上陸の報道もあり予断を許しません。それでも経済は回復傾向、株価も好調です。製パン・製菓をはじめ、革新的な進化を遂げた冷凍食品などの家庭における購入単価が上昇している点も好況を示す一例でしょう。

コロナ禍で様変わりした食生活については当コラムでも繰り返し伝えてきましたが、行動範囲が極端に狭まる巣ごもり生活の一方でデリバリーフード等の嗜好性が高い食スタイルが招く栄養の偏り・過多に警鐘が鳴らされ、“コロナ太り” 解消は多くの人が抱える課題です。手軽さばかりを追い求めるのも危ういですね。飽食に一石を投じる形で黒米やスペルト小麦といった昔からある食材に、新たな付加価値を与える商品開発は、まだまだ掘り下げられるのではないでしょうか。

肉の代替食品として大豆が主原料のハンバーグやステーキもここ1~2年で市場拡大しました。また有機野菜は環境を好循環させる方法でつくられているので、自然に相反することなく資源も壊さずに良い役割を努めてくれています。いわゆるデパ地下、スーパーなどでもこれらの品揃えが増えて、コロナ禍の食スタイルを補う形で需要が伸長しています。

来年令和4年は、栄養・健康をコンセプトに消費者を応援しようではありませんか! よいお年をお迎えください!

イエスサー、 ボス

北海道日本ハムファイターズの新監督・新庄剛志さん。就任会見のコメントに思わず笑ってしまい、20年程前のとあるエピソードを思い出しました。

JR神田駅そばの内神田に弊社オフィスがあった頃、ICU(国際キリスト教大学)出身の女性記者が3名在籍していました。最初に入社した女性記者を編集長に据えて日々の業務にあたる折、ICUの同窓生を1人紹介され入社してもらいました。海外での経験、語学力は即戦力というわけです。

製パンおよび関連企業より30名を募集したフランス研修視察の際には、もちろん編集長と新人記者の両名も通訳を兼ねて同行しました。

世界的に著名なシェフ、アラン・デュカス氏がパリ市内に出店した高級食材専門店「be」取材時の事です。視察団30名を15名ずつ2班に分け、女性記者1名ずつを通訳として振り分けました。第2班に同行した際、入店前に私がいくつかの指示を伝えると、新人記者は私に「イエスサー、ボス!」と一言。私はゾクッと身震いし、心地良い気分になりました。

そうです、新庄監督も就任会見で「監督ではなく “ビッグ・ボス” と呼んでください」とコメントしましたね。ボスという言葉には人の心をくすぐる魔力があるのでしょうか。缶コーヒーの「BOSS」も根強い人気を保ち続けるロングセラーです。

ボスと呼んだ彼女に続いてbeの店内に入りました。女性店員による英語の説明を聞きながらほぼ同時通訳の日本語で参加者に説明しつつ、手にしたメモ帳に英文速記で要点を書き込んでいます。すごい新人が入ったと感心しました。そして、1班をガイドした編集長の敏腕ぶりも参加者からの報告で知りました。

帰国して数ヵ月後、「もう1人、同窓生を採用してくれませんか」と編集長。卒業後はワシントンDCの在米日本大使館勤務という経歴を聞き、即決で3人目に加わりました。入社後しばらくしてベルギー駐日大使館にて開かれる、自国製品を日本に輸入しヒットさせたベルギー企業の表彰式のプレゼンター探しを依頼されました。そこで当時懇意にしていただいていた中川昭一農林水産大臣にプレゼンターとお祝いのご挨拶をお願いすることに。

当日、大使館にて新人記者を中川大臣に紹介したところ、「オッ、何? いま菅田さんの会社にいるの?」と顔見知りのご様子。記者曰く、在米日本大使館に勤務していた時に中川大臣が訪米された際にも通訳を担当したとのこと。

表彰式から数週間後、中川大臣より「来週、韓国の駐日大使とテニスと会食をするので彼女に来てもらいたい」と電話連絡がありました。彼女に伝えると「イエスサー、ボス」と心地よい一言。

まるで示し合わせたようなリアクション、ICUの伝統なのでしょうか(笑)。

写真の整理 その2

※写真整理、前回のお話はコチラ

2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災。いまだ記憶に新しく、家内が宮城県松島町に住む親戚の安否を毎日気にかけ、つながらない携帯電話を辛抱強くリダイヤルしていた姿を思い出します。

発生10日後にようやく連絡が取れたものの、「全員無事、しかし水や食料が足りず、周りの人達も含めて大変」との悲痛な言葉。ならば炊き出しや支援物資を届けようと、中沢フーズの中澤康浩社長(当時)とタッグを組み、さらに親しくお付き合いをさせていただいていたチュニジア駐日大使にお声がけしたところ、大使館の調理スタッフ同行を快諾。

発生から1ヵ月後、食料を満載した10トントラックに乗り込む中澤社長と共に、私は自分の車に家内とボーダーコリーの愛犬リュリュ、そしてトランクと後部座席にはメゾンカイザー・木村周一郎社長とデイジイ・倉田博和社長より託された支援品の焼き立てクロワッサン500個ずつ計1,000個を詰めて、朝7時にいざ出発。高速道路は福島あたりから地割れや歪みがあり、慎重な運転を強いられました。

やっとのことで昼前に炊き出し会場の石巻市役所に到着。すでに150人ほど並んで待っています。さっそくチュニジア大使館の料理人らが前日から仕込んでいたクスクスを温め直し、到着後1時間で炊き出しスタート。私と家内は行列の人々にクロワッサンを1つずつ手渡して「頑張ってください!」と声をかけ、中澤社長も1リットルの中沢牛乳を1本ずつ声かけしながら手渡していました。行列の先頭ではすでにクスクスを頬張りながら「あったけー」「旨いね」と笑顔が。家内の親戚はリュリュと一緒に少し離れたところでクロワッサンを食べ、牛乳をラッパ飲みしています。実はこの日、近くで石原軍団の炊き出しもあったとのことです。

中澤社長が石巻駅の駅長室へ牛乳1ケースを届けた際、小高いホームから石巻クリスチャンセンター兄弟教会という教会の前に並ぶ行列が見えたとの連絡。さっそく私と二人で牛乳とパウンドケーキを携え、瓦礫だらけの道のりを経て牧師と会えたのは神様のお導きだったのかもしれません。

炊き出しが終わった夕刻、海岸沿いの道路を通って帰ったのですが、TVニュースの画面で見たままの、大きな漁船やたくさんの車が田んぼに突き刺さっている様には言葉が出ませんでした。深い悲しみや憤り、不安の中でも笑顔でたくましく生きる姿が記録された写真の数々。10年の歳月を経た今でも涙なしに見ることはできません。

トーストにチョコレートソース

MLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が熱いですね。ア・リーグのタイトル10冠という文句なしの実績で球界最高の栄誉とされるMVP受賞。20年前に日本人初の受賞者となったイチロー選手をも超える記者会員の満票選出の一報は世界中を駆け巡りました。これを受けて日本政府は国民栄誉賞を打診したところ、大谷選手は「まだ早いです」と丁重に辞退との続報。改めて度量の大きさに感服し、ますます多くの人を魅了する結果となりました。

大谷選手は朝の練習メニューを済ませてから朝食を摂るそうですが、ある番組のインタビューで「トーストにチョコレートソースをかけて食べるのが毎朝の楽しみなんです」と言っていました。

MVP受賞者の発表は日本時間の朝8時30分過ぎにTV各局が生中継で放映しました。まだかまだかとじらされて食い入るように画面に張り付いていると、各局のコメンテーターは一様に「間違いなく大谷選手が選ばれるでしょう。問題は満票かどうかです」と期待を煽ります。ふと画面から目を離して外を見ると、新宿に立ち並ぶビル群の上にかかった薄雲の切れ間から一筋の日差しが。そして米国からの中継で発表が始まりました。

「ショウヘイ オオタニ!」

往年の名選手、フランク・トーマス氏のコール、そして満票! 我が子を祝福するかのようにヨシ! とガッツポーズをしたら家内が「親御さんは幸せね」としみじみ。互いに少し笑いながら青年の偉業をかみしめました。今日も一日良い日かな。

新型コロナ感染者が都内最少の5人となった11月24日、前日には贔屓にしている西の関脇・立浪部屋の明生関が全勝の大関・貴景勝関に土を付けました。NPB日本シリーズはヤクルト3勝、オリックス2勝で迎えた第6戦、延長12回の接戦をヤクルトが制して20年ぶりの日本一となりました。

スポーツは元気をくれます。経済も復調気配で、株価も安定して上昇傾向です。明日の朝食はチョコレートソースをたっぷりかけた “オオタニ・トースト” でポジティブにスタートを切りましょうか。それにしても今をときめくMVPプレーヤーのルーティン食、商品化すれば爆売れ必至の組み合わせです。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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