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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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あんバター

ステイホームが続くコロナ禍も、感染者数は高止まりながら収束の道筋が垣間見えてきたようです。気候も春めき、TVの天気予報では桜の開花が予想より早まると伝えています。しかしそんな中でもロシアによるウクライナ侵攻は続いており、無差別殺戮が毎日行われ、今日のニュースではロシア政府の公式発表で「ウクライナはアメリカと共謀してコウモリ等による生物兵器を研究開発している」と伝えていました。

こうした偽旗作戦といわれる侵略の正当性を訴えるフェイクニュースをいくら発信したとて、冷静に客観する我々にしてみれば卑劣かつ稚拙な言い訳でしかなく、開いた口がふさがりません。すでに260万人が国外脱出したと伝えられるウクライナ国民の大半はポーランドが受け入れたとのこと。ウクライナへの支援金や支援物資の寄付はもちろんのこと、ポーランドにも支援の輪が広がることを切に願います。

昨晩、スマホでレビューサイトをチェックしていると、ヤマザキパンの商品を「やばい! これば素晴らしいアイデアだ!」と絶賛する書き込みを見つけました。早速同社のHPへ移動すると……ありました。いま流行りの「あんバターのおいしい食べ方、つくり方」です。フライパンにバターを引き、『薄皮あんぱん』をヘラで少し押しながら弱火で両面カリッとするまで焼く。いやあ、いかにもおいしそうですが、私は主治医から糖質は控えるよう釘を刺されています。しかし誘惑に負けて本日、台所でレシピ通りに調理して試食。

「これは旨い、旨すぎる!」

今日だけ、今だけと食欲が止まりません。たちまち2つ平らげてしまいました。この他にもHPでさまざまなレシピが並んでいるのですが、「おや、このレシピは?」と思ったのは、食パンの『超芳醇』をおいしくいただく “海苔トースト” のレシピ。紹介動画を観たところ、私が50年前から通っている内神田の老舗ドリップ式コーヒー店「エース」の人気メニューである海苔トーストと全く同じでした。醤油のかけ方、焼き海苔ののせ方、トーストしてバターを片面に塗る、仕上げは三角形に半切り。念のため広報担当者に問い合わせたところ、HP制作・更新管理は大手広告代理店に委託しており、海苔トーストは代理店が発注したフードコーディネーターの作品でした。代理店はエースの存在は知らなかったようです。

私はエースのマスターに電話して顛末を告げると、笑いながら「いいんじゃないの菅田さん。こんな時期だから、皆が喜んでおいしい笑顔になれば僕も嬉しいよ」と太っ腹。広報によるともう5年前に
アップして以来、人気レシピの一つだそうです。ヤマザキパンさん、海苔トーストは無理でも、薄皮あんぱんをウクライナ難民の皆さんに贈ったら心強い支援になると思います。

私は苦しい

コロナ禍で宅配弁当の進出が目立っていますね。CMで頻繁に流れるウーバーイーツや出前館といったメジャーに続いて、雨後のタケノコのごとく宅配業界が攻勢をかけています。ひと頃のタピオカドリンクや高級生食パンに “儲かるビジネスチャンス” と安易に飛び付くのは結構ですが、素人経営は長続きしない上にモラルの欠如も見受けられます。

新型コロナウイルスの日本上陸直後、生産・流通の混乱で生じたマスク不足に乗じて価格高騰を引き起こした二年前の顛末なども同様でしょう。タピオカも高級生食パンも、あっけなく早期閉店する例を散見します。宅配事業も過当競争による値下げや人材確保に伴う人件費の逼迫等々、今後どうなるやら。我が家はコロナ禍に関係なく、新興のデリバリーは未だ利用したことがありません。ましてや法外な値付けの不織布マスクが店頭にうず高く積まれる光景には呆れるしかありませんでした。利益追求は商いの基本かもしれませんが、人の弱味につけ込む方策はいけません。非日常が続く現在、コロナ以前に旅行業界では通例だった繁忙期の横暴な値付けなども今一度見直すべきでしょう。

東京2020オリンピックはコロナ禍で一年間の延期を余儀なくされながらも無事終了しましたが、その半年後の北京2022冬季オリンピックは東京開催時より感染力が高い変異株の感染拡大にも関わらず、予定通り開催されました。いち日本人としてはIOCやIPCの判断に納得がいきません。どうにも巨大な利権の影が垣間見えます。そして北京冬季五輪が閉幕し、続くパラリンピックの開催中にロシアはウクライナ侵略を開始、停める気はないようです。一握りの独裁者が引き起こす惨状を報道で知るほどに暗澹たる気持ちになります。

国際的信頼を地に落とす侵略、戦争犯罪で苦痛を強いられているウクライナの人々のことは言うに及ばず、製パン製菓業界にとっても小麦の先物価格がシカゴ相場で高騰するなど、安定供給を揺るがす事態が今後も懸念されます刻も早い平和的な着地を祈るばかりで、何もできない私は苦しいです。



弊社社長 菅田耕司のコラム


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