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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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創業75周年

弊社は父が昭和22年に創業して、本年6月に75周年のアニバーサリーを迎えました。私も昭和22年に生まれたのでダブルの “節目” のご挨拶をと考えていますが、残念ながら節目の年には毎回行っているレセプションは開催できません。5年前にNOBU東京レストランを貸し切りにして業界の方々をお招きし、記念レセプションを開催したのが最近のことのように思い出されます。本年75周年のお祝いはできませんでしたが、令和5年は関連業界の皆様とノーマスクでお会いしたく、ぜひとも創業より半年遅れのレセプションを開催できたらと願うばかりです。

先週、国立競技場の広大なフィールドを舞台にタエアシダさんの2023春夏コレクションのファッションショーが盛大に開催されました。タエさんは、日本の服飾業界に数々の革命を起こしその名を馳せる故ジュンアシダさんの後継者であり、父親から受け継いだ斬新なセンスを如何なく発揮し、多くのファンがタエさんのファッションを楽しんでいます。

ジュンアシダグループの山東英樹社長はコロナ禍にも関わらず、国立競技場を貸し切るという前代未聞の英断で、素晴らしい壮大なショーを成功させました。競技場トラックの片側1本をランウェイに見立て、各国の大使・大使夫人や芸能界、スポーツ界から招かれたアシダブランドの顧客の目前をモデルたちが通り抜けます。そしてサプライズゲストで小室哲哉さんが登場、生演奏でショーミュージックを披露するなど、なんとも贅沢なスタイルです。終了後はシャンパンがふるまわれ、久しぶりに優雅な雰囲気を楽しみました。

この盛況ぶりに元気をもらい、私は確信しました。

「来年は必ずマスクなしで
 華やかなレセプションが開催できる!」

世界のパン菓子関連の展示会も必ずや活気を取り戻すことでしょう。そして各展示会会場内で繰り広げられる、モンディアル・デュ・パン、ibaカップ、クープ・デュ・モンド等での日本チームの活躍が期待されます。

円安もどこ吹く風? ~ハワイ旅行・その2~

(その1 はこちら)

2019年にアメリカ・ラスベガスで開催されたIBIE2019(通称:ベーカリーエキスポ)に、恒例の弊社主催海外視察・研修旅行で赴きました。製菓・製パンおよび関連業界からの参加者約30名と共に有意義なIBIE視察を経てラスベガスからロサンゼルスに移動、最終旅程日までの3日間は西海岸の有名ベーカリーなどを視察。

中でも「ピンクス」というジャンクな特大メニューで名を馳せるカジュアルレストランは印象深いです。参加者めいめい圧倒的なボリュームと対峙し本場アメリカンスタイルを堪能した翌日はMLB観戦へ。

おなじみ大谷選手が所属するエンゼルス本拠地での一戦、偶然にも翌日から左膝手術のためシーズン最後の出場でしたが、見事なホームランを放ちました。帰国後、“ビッグフライ! オオタニサン、コンバンワ!” と実況アナウンサーが絶叫する中継映像を見返して大笑いしたものです。

そして11月は夫婦でハワイで遅い夏休みを満喫。しかしこの “日常” を最後に、コロナ禍で世界中がステイホーム一色に。海外はもちろん国内旅行も制限される自粛期間中、何度か渡航チケットを予約するも、その都度緊急事態宣言等でキャンセル続きでした。

ようやく今年9月に出入国規制解除となり、前号の通り3年ぶりにハワイへ旅立つことができたのです。とはいえ突発の腸閉塞のためアンビュランスカー(救急車)で搬送、手術になるかもしれないとの診断でやむなく一週間早めて帰国。幸い容態が安定し自宅療養と服薬のみで事なきを得ました。

3年ぶりのハワイはせわしない日程となりましたが、ワイキキ周辺の変容ぶりに驚かされました。有名店の相次ぐ閉店はニュースで見聞きしていましたし、実際カラカウ大通りも閑散としていました。

それでもアラモアナショッピングセンター内のフードコートは活気がありました。記録的な円安で1ドル=100円の脳内換算は5割増しで要修正、さらに20%のチップもかかるのですが、日本人観光客は気前よく経済貢献の様子。皆さん3年ぶりの開放感も手伝って多少の出費は覚悟していますね。ちなみに私はレート103円の時点で1万ドルを確保しタンス預金していたので今回の旅程はすべてキャッシュ決済、割高感はありませんでした。毎回宿泊するアラモアナハーバー前のプリンスホテルは旧友であるGMの計らいでカマアイナ(現地人)料金でオーシャンビューの部屋を用意してもらいました。

実は12月に “リベンジハワイ” を予定していますが、マイレージ適用枠の予約なので厳しいかもしれません。それにしても燃油サーチャージが一人約10万円とは!

皆さん、年末年始はどちらに出掛けられますか?

アンビュランスカー ~ハワイ旅行・その1~

75年の人生で初となる
AMBULANCE CAR(救急車)体験!
・・・まさかハワイで救急病院に搬送される事になるとは。

3年にも及ぶコロナ禍にあって、ようやっと先進諸国では経済活性化を鑑みて入国制限を緩和する方針に移行し、世界一入国が厳しいといわれてきた日本も入国時の飛行機搭乗前のPCR検査陰性を証明する書類は9月7日以降、3回以上のワクチン接種証明で免除となりました。となれば私のリハビリも兼ねてバカンスを楽しもうと夫婦で3年ぶりのハワイへ意気揚々と出発しました。

3年ぶりのホノルル空港到着後、すんなりと入管を通過して荷物を受け取り、ハーツレンタカーのオフィスへ。レンタカー各社のオフィスが近代的な新しいビルに移転していたのには驚きました。ハーツのプラチナメンバー特典でVIPチェックイン。免許証や予約証の提示は一切不要、電光ボードで予約車のナンバー、駐車位置と私の名前を確認してパーキングへ直行、シート上にキーが置かれてあるのを確認して受け取り完了です。

ANAの搭乗機が空港にタッチダウンしてわずか40分後には、懐かしいH1フリーウェイで宿泊先のホテルがあるワイキキとは逆方向に大型のフォードRV車を走らせます。エアコンを入れて窓は全開、ああ空気がおいしい。どこまでも続く青空。山側に目をやれば山頂付近にかかった虹が歓迎ムード。

ハワイに着いたらまずはワイケレアウトレットへ、という家内の要望で、大学で同期だったハワイ在住の友人夫婦と合流。日本からの土産はリクエストに応えて魚久の粕漬セットを持参しました。

コリアンレストランで3年ぶりの再会を祝して近況報告。友人夫婦はリタイアしているものの若々しく、1日おきにゴルフを楽しんで健康維持しているとか。後日ふたたび食事の約束をしていたのですが……

4日後に激しい腹痛に耐えかね、友人に救急車を手配してもらい、家内とともに同乗してもらうという、とんだ再会となりました。こんなハプニングにも冷静に対応してくれた彼らがいなかったら、どんな結末になっていたのでしょうか?

「入院が必要になるかも」という診断ではありましたが痛みは和らぎ、幸い大事に至ることなく病院からの帰途、ドン・キホーテが買収したハワイの有名スーパー、タイムズに寄り、ガンで胃を全摘出し低血糖の私に必要不可欠な甘味食を物色。第一屋製パンのミニあんパン7個入を購入してホテルへ戻りました。

ちなみに海外旅行保険に未加入の場合、救急車を一回呼んだだけで1,500ドル必要だそうです。くれぐれも旅行保険は加入忘れのないように。
(その2へ続く)

サンジェルマン売却

ベーカリーチェーンなどを運営する「サンジェルマン」を保有していたJT(日本たばこ産業)が、9月15日に売却を発表しました。金額は23億円、買収したクリエイト・レストランツ・ホールディングスは和風居酒屋やレストランのチェーンが有名ですが、ベーカリーカフェ「ジャン・フランソワ」を展開するノウハウもあり、サンジェルマンのバリューを最大限に生かす経営手腕に期待したいところです。

サンジェルマンは1970年に1号店を出店、ルーツに1934年(昭和9年)に創業した東急百貨店の製菓工場という歴史を持ちます。戦後復興~高度成長、そしてバブルを経て令和まで、パンと消費者の関係が変遷を遂げつつも親しみ深い老舗の名が途切れずに続くのは立派です。

東急傘下からの独立、80年代のベーカリーブームによる店舗拡大、そして度々の買収劇という紆余曲折を、当時社長を務めていた印幡清氏との交友を通じて知りました。70年代、本格的なリテイル店舗の先駆けとして躍進するも、ライバルの台頭で劣勢となっていた経営の立て直し、そして有利な条件での売却という役目を果たすべく社長となった印幡氏は、起死回生の一手として2001年、カフェベーカリー「ブーランジェリー メゾンカイザージャポン」(木村周一郎社長)のフランチャイズ展開を決断。田園調布1号店の存在は象徴的で、新たな21世紀のベーカリーブームを牽引する存在でした(現在フランチャイズ契約は終了)。

その後、ドゥ マゴ等の他ブランドを維持しながらJTによる買収に漕ぎ着け、“大きく育てて、高く売る” というミッションを果たすこととなりました。ご存知の通りJTは食品メーカーともいえる業務拡大を遂げており、海外進出する冷凍食品メーカーとタッグを組み冷凍パン生地を製造、サンジェルマンでも一部販売していたのですが、小麦粉はじめ原材料のほとんどを現地調達という事態が問題となったこともありました。

こうした業界のルールや慣習に抵触しがちな異業種との協業で被ったリスクすらも糧に、サンジェルマンは今後、クリエイトという素晴らしい企業の傘下としてかつての勢いを取り戻してほしいものです。一生懸命働く従業員の皆様は心機一転、頑張ってください!

数年にわたるコロナ禍の折、我が製パン業界にもにわかに動きが見られます。神戸屋の包装パン事業を山崎製パンに譲渡など業界再編成が加速するのでしょうか。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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