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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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義に従う正義

2022年にいただいたお歳暮のうち、ひとつの箱を開けると年越し蕎麦と年明けうどんに、つゆもセットで大量に入っていました。蕎麦は信州戸隠の無塩仕込みの乾麺で、賞味期限は今年の10月、うどんは讃岐の半生手打ちで、こちらは2月25日とやや迫っています。どちらも大変ありがたく、また少々困りました。大晦日はNOBU東京の年越し蕎麦を予約済みで、年明けうどんは私のルーティンにはありません。という訳で、松がとれても食卓に上がる事はなく食材庫で待機中、当コラムが忘備録です。

2023年の年明けはルーティン通り雑煮を食べてから、恒例の駅伝三昧です。元日は山崎製パン協賛のニューイヤー駅伝、2・3日は敷島製パン協賛の箱根駅伝と続く、TV桟敷で釘付けの3日間でした。駅伝ならではの全力で襷をつなぐシーンは見どころ満載、特に箱根駅伝の2日目、次大会のシード権をめぐる争いには応援も熱が入ります。

私達夫婦が通う池の上キリスト教会が1月8日に発行した「週報」掲載の牧師先生からの一言で駅伝について触れていました(以下要約)。

駅伝で若者達が力を合わせ挑んでいる姿には感動があり多くのドラマがあります。次回のシード権をかけた10位争い、それぞれの区間賞や新記録、そして襷を渡して次の走者に使命を託せた者と、襷を渡せずに涙する者。パウロは私たちの人生をレースに例えました。実際に走っている人と近くで見ている人はその感動を証明できます。今年もゴールを目指してキリストと共に走る毎日です。

私は度重なる手術による歩行障害で実際に〝走る〟事はできませんが、牧師先生や教会の仲間からゴールを目指す教えをいただき、一歩ずつ進みます。

干支の卯といえば童話「ウサギとカメ」がありますね。カメとのかけっこで大差をつけたウサギは油断して昼寝し、休まず歩み続けたカメに負けてしまいます。実際のウサギも夜行性で活発に動く反面、日中はのんびり昼寝する習性があるそうです。私も75年の人生において、大事な時に上の空だったりウトウトして好機を逃した事があったかもしれません。人生100年時代のあと四半世紀を生き抜く秘訣は、池の上キリスト教会の2023年の標語「神の国とその義を第一に求めよ」(マタイによる福音書6章33節)です。私利にくらんだ自分勝手な正義ではなく、“義に従う正義” に則って過ごせればと思います。

今も続く世界の紛争も、その思いが伝わればと祈るばかりです。

虹の祝福

昨年9月に施行した日本出入国時の規制緩和により、煩雑なPCR検査証明等の提出は不要、ワクチン3回接種の証明さえあれば海外渡航がだいぶ楽になりました。そこでまずは夏季休暇で3年ぶりのハワイへ。ホテルのプールにてウォーキングのリハビリに励む2週間としたかったのですが……。当コラムにてご報告の通り、腸閉塞による緊急搬送(人生初の救急車!)の結果、滞在わずか7日間で切り上げ帰国という苦い顚末になりました。

あれから3ヵ月間、十分な静養と良好な診療結果のお墨付きをいただいて12月にグアム島へ1週間行ってきました。しかし出発前日に家内がグアム島の週間天気予報を確認したところ、滞在予定の7日間すべて雷雨とのこと。 確かに雨季に入っているグアム島ですが、私は自他ともに認める晴れ男なのです。

「必ず晴れるよ」と家内を安心させたものの、いささか不安な気持ちもよぎります。到着先のグアム国際空港は曇り空。税関を抜けて現地スタッフの手を借りて車椅子でタクシー乗場まで送ってもらい、一路ホテルへ。20分ほどの道中で大粒の雨に見舞われました。せわしなく左右に振り続けるワイパーを眺めつつ心の中で “大丈夫、これはスコールだから” と言い聞かせます。プールウォーキングや食事、ショッピングなど楽しい予定がどうなることかと心配しましたが、ホテル到着の頃には無事スコールも上がり、ワイパーの止まったフロントウインドウ越しに虹が出ているのに気づきました。ホテルの先にある海へと続く特大の7色のアーチは私達を歓迎してくれているようです。

「あなたは本当に晴れ男ね。そういえば9月のハワイの時も空港からホテルに向かう途中、H1ハイウェイの山側に2本も虹がかかっていたわね」
と、家内は晴れ男の健在ぶりに感心していました。

幸い滞在中の7日間すべて快晴、連日30℃超えという素晴らしいお天気に祝福されて帰国しました。ハワイでは救急搬送された私の看病に終始した家内も、今回は存分にショッピングを楽しみました。グアム到着の翌日、入手困難という某ブランド製のレアなバッグを免税店で偶然発見して購入できたのも、幸運の続きかもしれません。

2023年はアクティブな一年とするべく、さっそく2月にはバンコク屈指のパンメーカー、プレジデントベーカリーへ取材に訪れる予定です。寒がりの私にはもってこいですね。

年頭にあたって ~ウサギの跳躍力で成長を~

明けましておめでとうございます。

2023年は一人ひとりが高いモチベーションを持ち、日常生活や仕事に取り組んで成長が実感できる、明るい年となるようにと期待しています。

昨年は弊社創業75年の節目の年でありました。創刊号からの複製版を読み進めていくと、創業者である父の筆致から製パン業界に対する強い意気込みが読みとれ、旗振り役としての使命感が社説をはじめとする記事の中に息づいています。時には語気厳しく容赦ない言葉もあり胸打たれました。

毎年末に熱海で開催され、もはや伝説となった新春放談会には大手製パン各社の代表や関連企業の役員の方々が参加、製パン業界の発展を見据えて忌憚なき意見、発言が活発に飛び交う様が克明に記されています。

また消費者サイドに立ち製品の品質向上や、適正価格などを当時の主婦連合会(奥むめお会長)と会合を行い、製パン企業各社にその情報を共有し、当時の監督官庁の農林省との連携も欠かさず、担当課長、局長等を招いて会合を重ねていました。こうした全体を見渡せる弊社の立場を請われて一時、主婦連の機関紙「主婦のしるべ」を刊行していた記憶なども蘇りました。

戦後から2年を経て、弊社創業と同時に発刊した「日本パン・菓子新聞」は、ブランケット版・旬刊のスタートでした。広島・大阪・仙台に支局を置き、旅行部をつくり、日本全国、世界各国へと業界発展のための視察研修旅行開催等の活動を続けていました。

この活動は私の代になっても継承され現在に至っておりますが、2020年よりの3年間は、コロナ禍により実施できませんでした。今年こそは実施したい意欲と周囲からの要望もあり、ぜひとも海外研修旅行を再開するべく企画を練っております。

その世界に目を向ければ、世界経済はウクライナ情勢の長期化が懸念される中、製パンの主要原材料や輸送コストの高騰が続き、米欧を中心とした金融引き締めを背景に急速な円安も進行して、未だに不安定な情勢が続いています。今後、物価上昇が継続すれば景気後退も懸念されます。世界の報道では、まだまだ先行きは不透明な状況が続くのではと言われていますが、ここはもうひとふんばりして、消費者とともに痛みを分かち合って良い製品を供給し続けることが肝要だと思います。

今年の干支のウサギのように、長い耳を立てて多くの情報を正しく判断して、ピョーン! と高く長い跳躍で成長できることを期待します。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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