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コラム 三寒四温

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ハード

新大久保駅そばの自宅マンション周りを1.5㎞ほどタラタラと杖をついて散歩するのが日課になっています(じっくり90分間!)。マンション脇には鮮やかな人工芝と照明完備の区営野球場があり、連日大人や子どもたちのチームが威勢よく掛け声を発しながら試合をしています。

脇道を歩きながら横目で観戦していると、キラキラシールを赤いランドセルにたくさん貼った小学校低学年くらいの女子児童2人連れとすれ違いました。

「わたし、最近ハードなのよね」
「…」
「ねえ、ハードって知ってる?」
「…」
「ハードってね…」

答えを解説してくれる頃にはかなり離れてしまい聞こえませんでした。

よわい75歳、私にもハードを “痛感” する出来事が度々ありました。9年前の散歩中に両手・両足にしびれが走り、右太腿に激痛。思わず座り込んで痛みを堪えるも、その後は30mも歩けない状態に。少し歩いては休みを繰り返し、なんとか自宅にたどり着けました。翌週に受けた日赤広尾医療センターでの診断結果は「頚椎損傷による歩行障害」。思い当たる節は…… 10年以上前に信号待ちしている私の車にタクシーに追突された時に軽いむち打ちになった事を担当医師に伝え、CTやMRI検査を経たのちに提案された処置は、首の骨を10㎝近く削って治療する治癒率は五分五分の手術。決断して執刀を受け、現在では歩行障害3級の障害者手帳、東京都公安委員会からは「歩行障害者使用中」という駐車禁止場所除外者ステッカーを交付されました。おかげで車での外出時にはとても助かります。さらには都営バスや都営地下鉄の無料パス、1冊5千円のタクシー無料券が10冊という待遇も重宝していますが、手厚い分だけ少し複雑な心境でもあります。

翌年には胃がんによる全摘出なども経て、前述の頸椎手術以降、8年間で10回の全身麻酔による手術で体はボロボロです。

「そう、おじさんもハードな人生をおくっているよ」。

女子児童の小さくなったランドセルを見やり、心の中で呟きました。通りに面した野球場のバックネット沿いには立見の人が数人、忙しい中ちょっと息抜きの昼食兼観戦らしく、ジャムマーガリンのコッペパンにかぶりつきながら缶コーヒーを飲んでいる宅配ドライバーさんの姿も。なかなか良い光景ですね。

天才シェフたち

2004年に銀座シャネルビル最上階に位置するレストラン「ベージュ東京」のプレオープンレセプションに夫婦で招待された時、フランス料理界の天才シェフ、アラン・デュカスさんと交わした会話を思い出しました。

“私は日本人のフランス料理人、三國清三シェフは天才だと思います。いずれ世界にその名が知れ渡るでしょう”

その数年後、四谷のオテル・ドゥ・ミクニで食事をした帰り際、三國シェフにデュカス氏の言葉を伝えました。彼は、

「私は天才ではありませんし、ましてやフランス人でもありません。尊敬するデュカスシェフに少しでも近づければと精進しています」

と笑って話してくれました。残念ながらオテル・ド・ミクニは閉店しましたが、来年の秋頃には小さなレストランを開店するとの事。「食材と向き合い、自分のインスピレーションのおもむくままに料理をつくる」というコンセプトを聞くだけで今から楽しみです。

もう一人の天才といえば “NOBU” こと松久信幸さん。世界20ヵ国以上で展開する「NOBU」と「MATSUHISA」を名優ロバート・デ・ニーロ氏と共同経営する手腕も間違いなく天賦の才といえるでしょう。松久シェフは若かりし頃、南米ペルーの日本料理店での修業を経てアメリカ西海岸のロサンゼルス、ビバリーヒルズに自分の名を冠した居酒屋「MATSUHISA」を開店。その数年後に来店したのがデ・ニーロ氏との出会いでした。

マグロの握り寿司の上にハラペーニョ薄切りをのせるなど南米のエッセンスを取り入れた創作料理の数々、そして松久さん入魂の一品、「銀ダラの西京焼」に感激したデ・ニーロさんからの熱烈なラブコールを受けて、ニューヨークのダウンタウンに「NOBU New York City 」をオープン、その後も米国中に出店を続け、日本国内ではホテルオークラ横の虎ノ門タワー1Fに東京店をオープンしました。私達夫婦もNOBUさんの料理を気軽に味わえるようになったのです。

6年前に催した弊社70周年記念レセプションや、2019年には私の友人である大相撲立浪部屋の愛弟子、関脇豊昇龍関の十両昇進を祝うお披露目レセプションなどでお世話になっています。招待客の皆さんと楽しむフルコースディナーはまさにNOBUマジックです。コロナ禍にあってもNOBUレストランは世界中で出店が続いており、かつて夢みた “NOBU全店制覇” は叶いそうにありません。先月も「モロッコに新店がオープンしますよ」と直々にお誘いを受けましたが、笑うしかありません。

それぞれの道のりやキャラクターなど対照的ながら、2人の天才シェフの活躍には今後も目が離せません。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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