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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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思い出

2006年、クリスピークリームドーナツの日本上陸が第2次ドーナツブームの火付け役となりました。さらに遡ること1971年のミスタードーナツ開店が第1次とすれば、久しぶりの新風に引かれた老若男女の長い行列が記憶に蘇ります。この行列がポイントで、トレイいっぱいのドーナツを携えた店員さんが行列客に1つずつ無料で配布するサービスが話題となりました。

かくいう私も17年前、購入前に行列の途中で初上陸の味に魅了された一人です。サクッと軽い口当たりと “大甘” なおいしさにハマって以来、時には30分を超える行列にも並んだものです。ワンダズン(平箱)を得意気に持ち帰って家内に見せつけ、一緒に食べた思い出は昨日の事のようです。

本国アメリカでは、かのエルビス・プレスリーが晩年にドーナツの食べ過ぎで寿命を縮めたなどという都市伝説がまことしやかに流れましたが、30年後の行列には何の影響もありませんでしたね。

さらに時を経て2008年には個性豊かな個人店が台頭した第3次、2014年の第4次ではコンビニでの展開が話題となり、今般のコロナ禍が収束に向かいつつあるタイミングで最新のドーナツブーム再来です。今回の発信源の一つは、韓流好きの女子が集う新大久保。駅前の「韓国ストリート」でコロナ禍以前に一世を風靡したタピオカドリンクやハットグ(ホットドッグ)の入れ替わりでドーナツ店が次々と出店、食べ歩きを楽しみながらコスメや推しグッズを買い求める人だかりで休日は交通整理の警官が出動するほどの賑わいです。自宅マンションにほど近いエリアですが、とても足が向きません。

さて肝心のドーナツですが、人気の理由は210℃の高温で揚げるフワフワの新食感とのこと。そこに韓流ならではのレインボーカラーのトッピングや伸びるチーズなどインスタ映えもバッチリ。その他、ブリオッシュ生地の生ドーナツなど新機軸のドーナツブームはしばらく続きそうです。

ちなみに私のお気に入りドーナツはオールドファッションです。ブラックコーヒーを注いだマグカップに半分に割りダンクインして楽しむ “オールド” なスタイルは40年前からの習慣です。

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創刊 75 周年記念レセプション

2022年に弊社は創業75周年を迎えましたが、コロナ禍の折、記念レセプションを開催する事が叶いませんでした。そして本年4月には日本パン・菓子新聞の創刊75周年と続きます。

また私事ながら1月には駐日フランス大使館から「フランス共和国農事功労章シュヴァリエ」受勲の連絡をいただきました。

こうした節目のご挨拶やご報告の場として、“久しぶりにレセプションを開いては?” というアドバイスを皆様からいただき嬉しい限りです。5月の連休明けには新型コロナウイルスの感染法上の分類が2類から5類扱いとなる時節なればこそ、対面交流・懇親の場を新聞社という立場から積極的に設ける好機とも捉えております。ご助言いただいたマスダックの増田文治会長、オリエンタル酵母工業の中川真佐志社長はじめ多くの友人に感謝します。

つきましては、来る5月10日、「日本パン・菓子新聞創刊75周年/菅田耕司 フランス共和国農事功労章シュヴァリエ受勲記念レセプション」を開催する運びとなりました。メインの記念講演には山崎製パン㈱の飯島延浩社長にご講演いただきます。次いで駐日フランス共和国のフリップ・セトン大使よりフランス共和国農事功労章の受勲式と、2020年に発刊したレシピブック「大使夫人のおもてなし」の紹介なども併せて、着席によるレセプションを、東京・虎ノ門のNOBU東京レストランを貸し切りで行います。

増田会長をはじめ業界を代表する皆様と3年振りに交流できる喜びに今から胸ときめかせております。5月8日を境にコロナ収束宣言が行われ、経済回復、製パン製菓業界のさらなる成長につながることを祈念します。

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ケンタコ

コロナ禍における海外渡航条件が緩和され、観光業や航空業はじめ日本経済にようやく活気が戻ってきました。5月8日の連休開けには新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行すると発表、すでにマスク着用に関しては公共施設等を除き個人の判断に委ねられています。

先日、幕張メッセで開催された2023モバックショウではフランスはじめ海外からの来場者・スタッフの多くがノーマスクであることに若干の戸惑いを感じましたが、少々遅ればせながら3年以上にわたる制限下の生活も一区切りといったところです。

世界的ベーカリーショーの1つとされるモバックショウの盛況ぶりに刺激を受け、私は家内とともに台湾最大級の食品メーカー、台湾南僑グループの創業者インタビュー、そして世界レベルのヒット商品を連発する台湾の食品市場視察に赴きました。入国制限もなくコロナ対策は街中すべて個々の自由意志とのことでしたが、マスク着用率は日本より高かった印象です。

渡航中も日々のリハビリを欠かさぬよう宿泊はプールとジム完備のホテルオークラでしたが、ランチは本場の “町中華” をと、家内と街中を散策しました。そんな中で見かけたのが面白い立て看板で、おなじみケンタッキーフライドチキンが台湾やシンガポールなどで販売するタコス「KENTACO」です。通常のタコス生地のかわりに薄くのばしたフライドチキンで具をサンドした、「ケン(タッキー)+ タコ(ス)」という変わり種。



これは食べるしかないとセットメニューを注文。MサイズのペプシとSサイズのポテト、焼きたてのエッグタルトもついて275台湾元(約1,200円)。奇抜なコラボですが味は満足、エッグタルトは本場と遜色ない出来栄えで感動しました。タコスの油が少々キツく感じられましたが、そこは胃を全摘した身ですから、家内と1セットシェアで十分でした。翌日のランチはワンタン麺で有名な屋台チェーンへ。大さじスプーンくらいのボリュームがある肉ワンタン10個入で60台湾元(約270円)という安さも魅力で常に満席状態、テイクアウト客も多くさすがは人気店という賑わいでした。

3月中旬で気温は28℃くらい、体感ではすでに30℃超えという真夏日のような気候の中、街中を気軽に散策できる治安の良さもあり、おいしく楽しいフードメニューの数々を楽しむ台湾視察となりました。

サステナビリティ

バーカウンターの内棚を整理していたら、懐かしいキャビネサイズの写真が数枚出てきました。その中の1枚にケニア共和国で当時環境大臣を務めた環境保護活動家のワンガリ・マータイさんの姿がありました。

MOTTAINAI=“もったいない” という言葉を世界に広め、植林活動などサステナブル啓蒙が認められ、のちにノーベル平和賞を受賞した方といえば皆さんご存じかと思います。来日時に目黒区にある駐日ケニア大使公邸にて2ショットを撮ってもらいました。ディナーをご一緒し、通訳を介していろいろお話した記憶が次々と蘇ります。残念ながらその3年後に亡くなられたことは悲しくとてもショックでしたが、彼女の意思は現在も脈々と受け継がれ、植林活動は世界中で行われています。

70年代のケニアではガス・水道・電力などのインフラ整備が停滞し、燃料確保を森林伐採に依存していました。改善に向け、マータイさんが植林活動に立ち上がった訳です。彼女の意思は世界で賛同の輪を広げました。日本企業ではイオン環境財団が中国、東南アジアでの植樹活動を行っています。こうした活動は地球温暖化対策を包括的に取り組む流れへと発展し、彼女の死から4年後、2015年には国連サミットが開かれ、「2030年までに達成すべき持続可能な開発のための17の目標・169のターゲット」が定められました。“もったいない” を合言葉に飢餓や貧困、差別をなくそうと活動したマータイさんはまさにSDGSという概念の礎といえる存在でしょう。

3年超に及ぶコロナ禍、ロシアのウクライナ侵略等で穀物や燃料が世界中で高騰し世界的な物価高が続いています。さらに直近では鳥インフルエンザにより鶏卵価格が高騰し、生産量調整の名目で乳牛の早期リタイアや生乳廃棄のニュースが続きます。マータイさんも天国からこの現状を憂いていることでしょう。

一人ひとりの行動は小さいかもしれませんが、「もったいない」の精神を見失わないよう心がけたいものです。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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