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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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イセパン2023

すべてのベーカリーにとって顧客のニーズを満たして売り上げを伸ばすことは理想形であり、日々経営戦略に思案しておられることでしょう。そんな成功例の見本市ともいえるのが、5月24日より東京・伊勢丹新宿店で開催される恒例のパンイベント「ISEPAN! 2023」(イセパン)です。全国有数の人気ブーランジェ、パティシエたちの味比べが楽しめる、パン好きにはたまらない5日間です。

“映え” 狙いの流行ものや、オーガニック素材で健康志向のパン、SDGs追求タイプなど製パン業界も多様化が進む中、やはり熟練の技術とアイデアが光る専業ベーカリーが提案する最新トレンドは見逃せません。

私が注目している参加店舗は、大阪の人気店「パリゴ」。オーナーの安倍竜三シェフはフランスで開催される国際製パンコンテスト、モンディアル・デュ・パンに選手・コーチとして出場を重ねる “優勝請負人” です。長年にわたる世界レベルでの活躍と貢献が認められ、昨年1月には駐日フランス大使公邸にて開かれたお茶会に招かれ、その栄誉を称えられました。今回はレ・アンバサドゥール協会前副会長、MOF(フランス国家最優秀職人章)として名高い、安倍シェフの師匠にあたるティエリー・ムニエ氏とのコラボ出店とあって、販売・イートインスペースともに大繁盛間違いなしでしょう。

コロナ禍以前のイセパン開催時、伊原靖友シェフ率いるZopfが販売するカレーパンを求める長蛇の列が階下フロアまで延々と続いていたことが懐かしく思い出されます。

製パン関連業界の皆様、久しぶりの賑わいに交じり、パン好きの人々と喜びを共有しようではありませんか!
(※盛況にて終了しました)

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感謝な良き日

本年は昭和22年に父が株式会社日本パン菓新聞社を創業して76年、そして「日本パン・菓子新聞」の創刊75周年という節目となります。これを記念して、5月10日に東京・虎ノ門のNOBU東京レストランにてレセプションを開催しました。

100名を超える製パン製菓関連企業様と私の友人を交えて、政官界からは山東昭子参議院議員、中曽根弘文参議院議員、中川郁子衆議院議員、農林水産省大臣官房総括審議官の高橋孝雄氏をお招きして開催。山崎製パン社長の飯島延浩氏には特別講演をいただきました。飯島社長には私からのお願いで「神の国と神の義をまず第一に求める、主イエス・キリストとともに歩む、いのちの道の歩み」について、そして実践的バイブルスタディーに則りヤマザキパン経営にて実践している、いのちの道に導かれる事業経営「経営基本方針並びに21世紀のヤマザキの基本方針」についてお話いただきました。

続いて、コロナ禍の時期に弊社より出版しましたレシピブック『大使夫人のおもてなし』のお披露目、そして不肖ながら私が本年受勲しましたフランス共和国農事功労章シュヴァリエのご報告を兼ねて、フランス駐日大使館経済部農務参事官のジェローム・ペルドロー氏により受勲セレモニーを行いました。

生涯においてひときわ光栄の至りとなる良き日を迎えられた喜びを胸に、これからも業界発展のために微力ながら貢献できればと決意を新たにしました。今後も鋭意邁進する所存ですので、かわらぬご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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月光仮面

長く続いたコロナ禍ですが、世界的規模でかつての日常生活へとシフトしています。日本もマスク着用が個人の判断に委ねられるようになって2ヵ月あまり、私も散歩の道中で往来が少なければ外しています。

とはいえ、まだマスクがない事への違和感や周囲の目に対する後ろめたさや、本来の “素” の自分をさらけ出すにはまだ少し抵抗感もあったりと、習慣とは不思議なものです。なお一緒に付き合ってくれる家内は今でも外出時はマスクを外しません。

マスクといえば、コロナ禍にあって昭和レトロが何度目かのブームを迎えていたようです。私にとって「マスク」「昭和レトロ」というキーワードで思い浮かぶのは月光仮面ですね。



自転車の荷台に道具一式を括り付けてやってくる紙芝居を駄菓子片手に楽しむのが少年時代の楽しみで、特に月光仮面は人気でした。白いマスクにターバン、サングラス姿でマントを翻し、疾風のようにバイクで現れて悪者たちを成敗する正義の味方に魅了されました。リアルタイム世代にとっては巣ごもり生活が人生を振り返るひとときとなったゆえのブームとのことです。

時を経た令和の時代、正義というものがいささか複雑になっているようですね。私としては、「正義の味方は力のバランスをとる者」と解釈します。

それは、「もし社会的に虐げられている “無敵の人” が暴走して周囲の人々を傷つけていたら? 弱きを助け巨悪を倒すのが正義ではなく、もはや逆上した弱者を食い止めるのが正義である」という理屈です。

悪者の姿がますます見えにくくなっている中で、正義の味方も単純明快とはいかないようです。街に出没する無敵の人に限らず、世界規模でも逆上したリーダーの悪行に翻弄されています。戦争や紛争、それに伴う理不尽な略奪と暴力に対して国連や民主主義国家間の中だけで発せられる批判決議だけでなく、実行力を伴う正義を行使する事も必要と考えます。

アリストテレスが論じた「正義には罪と罰の均等のような矯正的な正義と、能力や功績によって財貨を受け取る配分的な正義の2種類がある」。罪と罰のバランスは仕事と報酬のバランスという意味でしょうか。もはや過剰な力で制する者は正義の味方とは言えませんね。

本当のヒーローはいつ現れるのでしょうか?

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グリーンカレー

「人生最高レストラン」というTV番組がありますが、私が “人生最高” で思い浮かべるのは、食に興味を持つきっかけとなった学生時代の記憶です。神奈川県の油壷にあるヨットハーバー内のレストランを訪れるたびに必ず注文していたオニオングラタンスープは絶品でした。六本木のザ・ハンバーガー・インではカウンター席に座ると、まずは頭上に吊り下げられたポテトチップスの小袋に手を伸ばします。これを小皿にとったケチャップとマヨネーズにディップしていただく、小粋なセルフサービスで常連客のルーティンでした。2007年に復活、残念ながら12年には再び閉店。再々復活を望む声も多いようです。

ソ連(現ロシア)大使館近くにあったドライブイン麻布はマイカー所有の学生たちの溜まり場で、アメリカンクラブハウスサンドイッチがおいしかったです。アメリカンといえばロシア大使館真裏の東京アメリカンクラブには現在も家内と月1回のペースで通っており、時を経て縁深いエリアになりました。お気に入りのサンドイッチや蟹のスープをシェアして楽しんでいます。

今となっては残っていない店ばかりで寂しい限りですが、六本木の狸穴坂横の「キャンティ西麻布店」は今でも営業を続けていて、さすがは人気の老舗イタリアンですね。現在ビル建て替えのため一時休業中で、2024年11月にリニューアルオープンとのこと。こちらが古くから芸能人御用達なのは有名ですが、私も大原麗子さんなど錚々たる顔ぶれを何度となくお見かけしました。

人生最高レストランに話を戻しましょう。私の人生ベストワンは、およそ半世紀前に巡った一人旅で出会いました。バンコクの中央駅、フワランポーン駅を18時に出発する個室寝台車に13時間揺られ、さらに乗り合いバスで1時間の道中を経て港に着くと、スピードボートに乗船して小一時間でようやくナトンというサムイ島のメイン港に到着します。

レンタルバイクを借りて未舗装の道中を土埃を巻き上げながら走る宿探しの途中、ふと目についたのが簡素なトタン屋根と竹編みづくりの屋台。テーブルには2つの鍋と曲がりくねった生インゲンに錆びたペティナイフ。思わず停まって鍋を指してオーダーすると、店主は鍋から手づかみで素麺のような細麺をちぎりながら皿へとり、次に隣の鍋から冷めたグリーンカレーをかけて一丁上がり。付け合せは食べ放題の生インゲンで相性抜群! この豪快な一皿が私の人生最高の一品です。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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