fc2ブログ

コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
速報製パン情報の定期購読お申し込みはこちらからどうぞ。

パリ祭

7月14日はフランス共和国のナショナルデー、通称パリ祭です。2023年のこの日、コロナ禍による自粛のため3年ぶりの開催となりました。

南麻布の駐日仏大使公邸には千人を超える政財界はじめ関係者がフィリップ・セトン駐日大使のお招きで集う中、私達夫婦もレセプションを楽しみました。

会場には日仏両国を “食” でつなげる多彩なジャンルのブースが並びます。まずベーカリーは、パリゴの安倍竜三シェフ、メゾンカイザーの木村周一郎シェフ、コム・ン東京の大澤秀一シェフが出展。それぞれ世界に誇るパンを参加者にふるまい、製パン企業からも敷島製パン系のレアールパスコベーカリーズのPAULがドネーションブースを出展し賑わいをみせていました。

シャンパンやワイン等をフランスから直輸入している各商社のブースでは、とりわけモエ・ヘネシーディアジオ社のヴーヴ・クリコが大人気でした。他には生ハムやチーズなども輸入販売店各社が数多く出展、なにせ千人超えの来場者を楽しませるのですから、館内をシャンパン片手にお目当てのブースへ辿り着くのも一苦労です。中止が続いた3年分の鬱憤を晴らすかのように皆さん笑顔で語り合っています。

フード関係では、すしざんまいもフランスからマグロを輸入している縁で出展しており、8名の寿司職人が参加者を待たせることなく手際よく握り続けます。職人たちを指揮する木村清社長のご長男の奥様が満面の笑みと流暢な語学力でブースに集う外国人を応対する姿が印象的でしたね。

フランス料理店の出色は、コロナ期間中ながら果敢にも人気店ひしめく表参道にオープンした、信太竜馬総料理長率いる「エラン」。昨年ミシュラン一つ星を獲得、今年は二つ星が噂される人気店だけあって注目を集めていました。フィリップ駐日大使も開店以来たびたび訪れており、私の周りでも続々と常連様が増えています。

信太シェフはレストランが入るビルの屋上で養蜂に取り組んでおり、収穫したハチミツを参加者の前で遠心分離機にかけてふるまっていました。私もバゲットにたっぷり塗っていただきましたが、とてもおいしい!

貴重な “表参道産” を堪能しました。

墓誌

私と家内と母はプロテスタントとして洗礼を受けた、池の上キリスト教会の教会員であります。

弊社創業者である父・菅田松司は享年七十二歳、平成5年9月15日に天に召されました。江戸時代初期から菅田家先祖代々の菩提寺は東京都品川区小山にある法華宗の長應寺です。

10日ほど前に長應寺の住職より、「お盆 せがき(施餓鬼)大法要のご案内」の手紙が届きました。これは先祖の精霊、新盆の精霊の追善供養で、自身の仏道修行のために参詣して下さいとの連絡なのですが、母はクリスチャンとして池の上キリスト教会が八王子の霊園に建立した、立派な墓所にて眠っています。その石碑には天に召された教会員の名が刻まれており、“菅田つる子 平成15年10月没” という教会員の証でもある碑文を前に、年2回の墓前礼拝を行っております。

父が亡くなった時、父はクリスチャンではなく、かといって熱心な仏門徒でもなく、会社の応接室には神棚が祀られていました。そして私もまた “ノンポリ” の無宗教人間として生活していました。ですから父の葬儀は先祖代々のご縁で法華宗長應寺の住職が通夜、告別式、そして社葬という段取りを組み、弊社関係者が取り仕切ってくれました。社葬の折、故・舟橋正輝フジパン前社長が直々に葬儀委員長をお務めくださり、盛大な葬儀が執り行われました事、改めて感謝申し上げる次第です。

父の死から10年後に母が天に召された際は、キリスト教式のお別れ会を行いました。池の上キリスト教会にて大勢の業界関係者にご参列いただき、素晴らしい会となり感動いたしました。

長應寺からせがき大法要の知らせが届いた日、私は家内と母の俗名と戒名を菅田家先祖代々の墓に刻もうと決意して、父のお盆参りを兼ねて夫婦で出向き、住職へその旨を伝えました。結果、クリスチャンの母を快く受け入れていただける事となり、後日供養することが決まりました。遺骨はそのまま教会の墓所に祀る形での供養ですが、なんだか心が晴れ渡り清々しい気分になれました。

長應寺の菅田家の墓は8基あり、それぞれに20を超える俗名と戒名、没年月日が刻まれています。私達夫婦もいずれ両方のお墓に名前が刻まれることでしょう。

味覚の変化

最近、食生活の微妙な変化に気付かされます。

これまで月に一度は楽しみに食していたトンカツの名店。あんなにおいしかったご飯が水っぽく感じたり、衣の固さが気になります。おかわり自由のキャベツの千切りも残す始末で、いつしか “あのトンカツが食べたい” という欲求自体が消え去りました。

自宅近くで食べたカツカレーも香辛料の配合が口に合わないと感じるのは年齢のせいなのか。この8年間で10回の全身麻酔での手術を経て、味覚に異変が生じているようです。毎日でも通いたい! と思っていた馴染みの店でも味覚の違和感は拭えず、特に濃い味付けや香辛料が効き過ぎていると拒否反応を起こします。おのずとさっぱりした味付けに食指が動き、最近ではそうめんや細うどん、二八そばなどを冷や汁でいただくお一人様自宅ランチが毎日続いています。野菜は生でそのまま、ドレッシングやマヨネーズも出番なし。缶入りの野菜ジュースとヤクルトの新製品の腸内サプリを朝晩に1本ずつ飲むようになりました。これが体に合うようで、ガンで胃を全摘出している私が手放せなかった下剤も不要になり、この習慣のおかげで快適に過ごせるようになりました。

手指の麻痺を改善する手術の経過は芳しくなく、医師の奨めでリハビリを1年ほど続けていますが、気休め程度です。何より生きがいだった料理への情熱が冷めてしまったのが至極残念。

そんな調子で、食べるのもつくるのも違和感だらけという生活の中でも、私好みにアレンジして見事に楽しませてくれる、行きつけのとあるレストランがあります。月に1、2度通うこの店の存在が、落ち込んだ気力を回復させてくれるのです。そしてまた新たに感動を呼び起こしてくれる味に出会いました。

先週、エコノミストの友人に誘われて家内と訪れた、神宮前3丁目にある51/2=チンクエメッツォという一見客お断りの創作イタリアン。文字通りの隠れた名店で、おもてなしも料理もすべてがパーフェクトなレストランでした。素材の魅力を最大限に引き出す魂を込めた料理はどれも美しく、目で舌で楽しませてくれる葉狩オーナーシェフの手腕は、我が75年の生涯においてもトップ5に入ります。店名に冠した、5 1/2=(ごはん)のセンスもお見事。

もちろんNOBUやエラン、紅葉川といった別次元の名店の味は飽きることがありません。というより、「菅田さん、今日はどんな料理を召し上がりたいですか?」という気遣いから料理の味は決まるのです。

真夏日が続く日々、体調管理は食事から、が肝要であります。

ローカルフード

MLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が29号本塁打を放ったライブ中継でスカッとした直後、チャンネルを変えると広島市の平和公園と、ハワイ・パールハーバー国立記念公園の間で姉妹協定が結ばれたこと、しかし協定締結をめぐって保留を求める声が少数ながら日米双方で上がったことを伝えるニュースを見て、途中でテレビのスイッチを切りました。

私はアメリカが好きです。この半世紀で北米の都市はほとんど訪れました。まずはその街を象徴するような料理を求めて地図も見ずに散策するのが楽しみです。中でもニューヨークのマンハッタンがベスト・ワン。ブロードウェイ観劇後、歩道にテーブルを並べたレストランでシーフードプレートをアテにライトビアーをボトルからラッパ呑み。食後は両開きのスイングドアを両手で押し開けて賑やかなバーへ。グランドピアノにウッドベース、トランペットのトリオが奏でるジャズに負けぬ大声でヒーヒー言いながら激辛のチキンウイングにかぶりつく喧騒のひととき、好きですねー。

もう一都市あげるなら、ジャズのメッカ・ニューオーリンズ。バーボンストリートを歩けば体が自然にスイングしちゃいますね。バーボンストリート沿いのホテルでは独特の “恒例行事” があります。2階のベランダから近所のスーパーで大量に買い込んだ小さなビーズでつくったネックレスを眼下の道行く人々に投げて配るんです。投げる側も受け取る側もバーボンで酔いが回って大騒ぎであります。

西海岸へは5年ほど前に弊社主催のIBIE視察研修旅行で訪れました。視察の合間をぬって観戦したアナハイムスタジアムでオータニサンが特大アーチを披露してくれた喜び!ホットドッグを持ったままバンザイしたらソーセージが飛んでいってしまったのも良き思い出です。

話は再び冒頭の姉妹協定について。広島の原爆ドームとパールハーバーのアリゾナメモリアル双方で祈りを捧げたことがある私が思うに、「ノーモア・ヒロシマ」も「リメンバー・パールハーバー」も、どちらが先とか後とかいう話ではなく、互いに訪問した方々の思いを尊重しつつ、時の解決を待つのが賢明だと思われます。

ハワイご当地グルメのベストワンは、レインボードライブインのミックスプレート。近所のカピオラニ・パークの大木の下で、レッドカージナル(紅冠鳥)にライスをあげながらのゆったりブランチは至福のひととき。

ホノルルマラソンのゴール地点でもあるカピオラニ・パークを、米日友好平和パークに指定するのも有りでしょう。

投資

65歳の時、株式投資を始めました。

当時は相場が乱高下していてズブの素人には見当が付きませんでした。さしあたり配当率が3%超えの銘柄を証券会社の担当者と相談しつつ取引するのですが、この段取りでは手数料が高く、「利益が出たら売り・下がったら買い」では割に合わず馬鹿げていることに5年ほど経ってようやく気付きました。購入・売却時の高い手数料に加え利益の約21%
が税引きと、負担が大き過ぎるのです。

そこで、デイトレーダーのような危ない橋を渡るわけではありませんが、「利益が30%を超えるまでは持ち続け、年2回の配当金を郵便局で現金化」というスタイルに変えました。コロナ禍の折、運良く配当の良い2大商社株を保有しました。すると個人資産が約1,000億ドルといわれるウォーレン・バフェット氏が会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社が「日本市場で商社株を取得」というニュースが流れ、私の保有する商社株が昨年度2倍近くの株価を付けたのには驚かされました。資産が倍となる上に年2回の配当という快挙に家内と喜び合うも、さすがに本年に入って予想を超えてなおジワジワと上昇している事態に一抹の不安を覚え、「ここらで売り抜けよう」と全株式を売却しました。

その他、投機対象でいえば「金」も高騰し続けていますが、なぜか興味が湧きません。都心の不動産価格が上昇を続けています。インフレ下での不動産投資はバブルなら有効だと思いますが、私は持ち家より賃貸派なので、いかに不動産価格が変動しようとも土地購入はありません。不動産信託も然りです。

株式投資をする以前から、日本橋三越の正規販売店で2年にひとつくらいの頻度で購入してきた趣味の腕時計が、今や正規販売価格より6~7倍の高値で二次マーケットで売買されているのをネットや店頭のショーウインドウ越しに眺めてニヤニヤしている自分がいます。この状況が長くは続かないでしょうが、購入価格より値が下がらない高級時計は株式投資より手堅いのではないか? と最近悟りました。ちなみに昨年だけで正規価格が3回値上げされるブランドもある中、それでも欲しい人は日々マラソン(販売店巡り)しているとのこと。

商社株を手放して以降、新たな投資対象として、配当も上々のとある一流化学メーカーの株が気になり購入しました。こちらも5ヵ月の間に20%超えを記録、現在も高騰中であります。とはいえ上がった儲けたとせわしなく売ることはせず、2年ほど塩漬けする予定です。

それにしても円がドルに対して143円を超え、ユーロに対しては156円! もう少しプラスが出ないと、とてもじゃありませんが海外旅行には行けませーん。

💰💴💰💴💰💴💰💴

弊社社長 菅田耕司のコラム


記事を検索
カレンダー
06 | 2023/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

管理者用