焼きたてバゲット
2023年のお盆は、日本に上陸した2つの巨大台風がインフラに甚大な影響をもたらしました。超ド級の大荒れ天候を伝えるTVニュースを複雑な思いで食い入るよう見続ける休日になりました。
天災のニュースは国内のみならず、大好きなハワイでは大規模な山火事が発生しました。マウイ島ラハイナ地域を中心にハリケーンの強風にあおられて延焼が拡大し、現地に住む方々の “今までに体験したことがない被害” というコメントから深刻さが伝わってきます。ハワイ州政府は緊急事態宣言を発令、米国政府も総力を挙げて支援するという大統領の談話がありました。世界中から支援表明が届いていますが、ラハイナタウンの復旧には途方もない金額と年月を要するそうで、度々訪れていた私達夫婦にとって決して他人事ではありません。
お盆明けの17日、「日本国内の一部地域を除いて35度を超える猛暑が当分続く」と伝えるウエザーニュースのとおり、私の住む新宿界隈も強い日差しが戻ってきました。経済成長を最優先する結果、人類は地球温暖化のツケを溜め続けています。未だ理不尽な戦争を続ける国や自国第一主義を貫く利己的な大国のエネルギー政策、発展途上国の取り込みによる乱開発により、地球のオゾン層は悲鳴を上げています。
いま我々は何をすべきか? ……と考えても格好良い言葉は思いつかないし似合いもしませんが、せめて日々のルールを守り寄付と祈りを捧げ、“今を生きる” ことに徹する。そんな思いに至った瞬間、南仏の美しい港町・プロヴァンスにて、漂ってきた香りにつられて購入した焼きたてのバゲットの味を思い出しました。
思わず近所のデイジイ西新宿店に電話。
「バゲットの窯出しは何時ですか?」と訊くと、今焼き上げたバゲットが1本
だけ残っていますとのこと。すかさずキープをお願いして店舗へ車を走らせゲット! 帰りがけに行きつけのカフェに寄り、オーナーとたまたま居合わせた友人と分け合って、焼成60分以内のフレッシュな逸品を頬張りました。
フランスのパン職人M.O.F.(国家最優秀職人章)であるティエリー・ムニエ氏のレシピによるバゲットを、クーラーの効いた部屋で食べられる幸せ! 少々バチ当たりにも感じる贅沢に感謝しつつ、一日も早く世界中で穏やかに幸せを感じられる日常が取り戻せますよう祈ります。
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