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コラム 三寒四温

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ツーリズムの応援

本紙先週号にて、昨年に引き続き10月にハワイへ行く話を書きました。

実は今年の2月に全日空のマイレージクラブへ無料の特典航空券を申し込んだところ、奇跡的にビジネスクラスのチケットが2人分予約できました! しかし、今までに何度も訪れ、ひときわ思い入れが深いマウイ島の山火事、そこにハリケーン被害が重なってラハイナ町への大規模な延焼被害が続いていることには悲しみと戸惑いがあります。

連日の報道を見るにつけ、家内と「今回のハワイ行きは中止にしようか」と話していた矢先、次はモロッコの首都・マラケシュで大震災が発生とのニュース。多くの友人が住む街で2,800人を超える犠牲者と多数の負傷者、山間部ではほとんどの家屋が全壊という事態です。

著名な地震学会の報告によると、モロッコで大地震が発生する確率は100年に一度という予測困難なレベルであり、都市全体の耐震設計でいえば「震度5強程度の揺れで壊滅状態」という試算通りの被害となってしまいました。

私はTVニュースでモロッコの地震を知り、すぐに現地の友人たちにメールを送りましたが、3日経っても既読になりません。マラケシュに自宅があり、カサブランカで日本料理店の「ILOLI」(囲炉裏)を営むオーナーシェフの古川君、奥様のノエルさんとも連絡が取れませんでしたが、11日の午後、「お気遣いありがとうございます。私たち一家は全員無事です。救援物資や支援金のお申し出は誠に感謝いたしますが、我々の住むモロッコにとって、いま一番大切な事はツーリズムでの応援が何よりの支援だと考えます。ぜひ菅田様ご夫妻をはじめご友人の方々もお誘いの上、モロッコにお越しください」と無事を伝える返信がありました。

そうか、ツーリズムか! と私達は考えさせられました。差し当たっては10月末からのハワイ行きはキャンセルせず訪問し、支援の一環で現地のキリスト教会を訪ねて礼拝に出席し、皆さんと共に祈りを捧げる事にしました。モロッコには世界各国からの支援のもと復興が進み、観光客の受け入れ体制が整いはじめる2024年頃に訪問しようと家内と話しました。

ハワイ、モロッコへの被災支援はツーリズムの応援を以って、皆様も訪れてみてはいかがでしょうか?

マイレージ

コロナ禍やウクライナ侵攻など諸問題が続いたこの4年間で、日本円は歴史的な円安になりました。大概の投資家は日銀に対し強い不信感を抱いていることでしょう。私も老後資金の心配から株を運用していますが、異常ともいえる円安のため、普段の買い物も消極的になってしまいます。

されどたまには景気良く、ということで1ドル100円時代の頃にタンス預金していた約1万ドルが1.4倍になった昨年、3年ぶりにハワイへ行きました。チケットはANAのマイレージでビジネスクラスをゲットし、ホテル、レンタカー、食事、お土産代で1万ドルをすべて使い切りました。

円高ドル安で浮いた分をフル活用したのでさほど損失感はなく、円安のご時世にラッキーな海外旅行となりました。ただしブランド品はウィンドウショッピングで我慢、食事はもっぱらチップ不要のファストフードをテイクアウト。とはいえ夫婦揃ってジャンクフード好きの私たちにとっては特にケチっている気分でもなく、いつものスタイルを満喫できました。中でもアラモアナ・ショッピングセンター内のフードコートにはパンダエクスプレスをはじめ、大好きな料理店が目白押しです。

レンタカーでカパフルのレインボードライブインへ寄り、ミックスプレートを1つテイクアウトして近くにあるカピオラニパークの大きなバニヤンツリーの下にあるピクニックテーブルでブランチ。ローカルフードは家内とシェアしても食べきれないほど大盛りなので、円安の割高感はありません。定宿のプリンスホテルも特別割引&全額現金ドル払いで助かりました。

という訳で、来月下旬からANAのマイレージを使ってハワイ行きチケットを再びゲット! なおビジネスクラス2人分の償却マイルは13万マイルで、現時点で通常購入となると安くても1人往復70万円以上! 使用できず貯まっていたマイルさまさまですね。

しかし円安は止まらず、一時は1ドル147円まで下がりました。そんな歴史的な円安においても株価日経平均は上昇を続けていて、配当率の高い商社株価は天井知らずの勢いです。私はアメリカの投資家、W・バフェット氏の恩恵にあずかっている境遇ですから、海外旅行と老後生活にやや春の兆しが見られそうです。しかし、巨大バブルの崩壊があるかもしれません。

絶望の中での資産運用は何が最善策なのでしょう? アフリカ諸国では軍事クーデターが連続勃発するなど、世界情勢を左右する大国の動きが気がかりでなりません。

進化するヴィーガンフード

そごう・西武のストライキ決行が大きく報道されていますが、世間はおおむね静観の構え、どちらかといえば冷ややかな雰囲気を私は感じます。今回のような騒動に至る複雑怪奇な経済の流れは、私のような凡人には理解の範疇を超えており、「今後の推移は?」という興味しかありません。

百貨店とはラグジュアリー感で差別化する商業施設であり、それを求める層にとって集いの場であると私は理解しています。デパ地下の食品フロアでは、買い物する楽しさ、喜びがスーパーマーケットとは数段違います。吟味された多種多様な品揃えゆえに当然ながら単価も高くなりますが、まさにワンランク上のひとときを満喫できます。普段の買い物とは一味違う、ゆとりや余裕を求めているのかもしれません。

私はデパートへ、買い物という単なる作業ではなく “お散歩ショッピング” という趣で週一回ペースで出かけています。高級時計や宝飾品、著名作家による工芸品や家具など、気軽に手を出せないハイブランドの美しい佇まいを見て歩くだけでも、一時の満足感が脳を刺激して元気になるものです。気分だけかもしれませんが。

話題は再び食へ。欧米発のヴィーガン料理に対してもデパ地下は敏感で、近頃はそれらを支持して買い求める客が増加しているという話を、外商担当さんから聞きました。進化し続けるヴィーガン料理をいち早く取り入れてきたデパ地下の戦略は、バイオテクノロジーを駆使して開発する食品メーカーと、優れた料理人の技術と感性を引き合わせ商品化するものです。その結果、馴染みのある風味と味わいに仕上がった、抵抗感なく楽しめるヴィーガン料理が続々とお目見えする訳です。

これらヴィーガン料理のように、ラグジュアリー感を感じさせるのには「新たな価値の創出」も重要です。日本の食品業界が日々の研究開発、また時には海外諸国との技術共有で生まれる商品(情報)の発信基地。それがデパ地下の役割なのでしょう。

今後、西武池袋本店には大手家電量販店が入店し、またLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン社)などの高級ブランド店がこれまでの売場を入れ替え・縮小されるとの噂に賛否が分かれていますが、デパ地下と高級ブランドの存在感を守り抜く事こそが、そごう・西武のアイデンティティであると胸を張って消費者に向き合っていただきたいですね。

そごう・西武の魅力もさることながら、私は日本橋三越派です。駐車場出口側にある「紅葉川」の鴨南蛮つけせいろを食べる楽しみも兼ねていますので。

戒名

私の父が昭和22年に日本パン菓新聞社を創業して今年で76年、私も76歳となりました。父は平成5年9月15日に亡くなり菅田家の菩提寺、品川区小山の法華宗・長應寺に埋葬されました。「秀鳳院慈源日松居士」の戒名をいただき、250年近く続く菅田家代々の墓、七基並んだ真ん中の墓石の下に遺骨が眠っています。

私は父の意思のもと日本パン菓新聞社を受け継ぎ、当時父と親交の厚かったオリエンタル酵母工業の竹澤勝三郎社長(当時)に薦められ、武蔵境に新たに献堂された「池の上キリスト教会」にて洗礼を受けました。

私の母も平成15年に救世軍中野記念病院に入院していた時に当時の島津牧師により洗礼を授かりました。洗礼の3年ほど前から認知症を患うも深刻な病状ではありませんでしたが、平成15年に脳梗塞を発症。以前より抱えていた胃ガンも進行が早く、救世軍杉並小隊朝野中将様のお祈りの中、穏やかな表情で天に召されました。

母の葬儀が終わり、遺骨は八王子霊園内の池の上キリスト教会の納骨堂に納め、墓誌には菅田つる子の名が刻まれました。

今年のお盆を前に、家内と相談して母も父の眠る長應寺の墓石に戒名をいただき、その生涯を刻もうと決めました。遺骨は八王子の納骨堂に残し、形見の品を父の骨壷の隣に納めましょうという事で住職に相談したところ、父と同格という「慈温院妙吟日容大姉」の戒名をいただきました。俗名・菅田つる子、平成15年10月18日、享年81歳。金色で筆書きされた立派な位牌も仏壇の父の対面に並びます。

なんだかホッとする気分で仏壇を見つめていると、時間を巻き戻しているかのように、今までの親不孝やさまざまな事が走馬灯のように巡ります。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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