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コラム 三寒四温

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懐かしい香り

 シュッ、シュッ、シュッ、小気味好い、鰹節を削る音と共に、えもいえぬ良い香りが居間に広がる。うたた寝をしていた我が家の愛犬「りゅりゅ」(ボーダーコリー雄2歳)が、ピクッと首をもたげ、私の足元に擦り寄ってきた。「りゅりゅ」の大好物は私と同じ「オカカ飯」なのだ。炊き立てのご飯に削りだしのオカカをたっぷりのせて、湯浅の生醤油を回しかける。ただこれだけ。一気にかっこむ。この充実感!日本人に生まれて良かったあーと感じる一瞬だ。「りゅりゅ」には冷や飯の上に、削り粉と共にオカカを混ぜた”猫マンマ“をお裾分けすると、猫マンマの器は居間の中央を、音を立てながら駆け回る。
  鰹節は、好みの薄さで、自分で削るに限る。パックのオカカは、見た目はきれいだけれど香りがない。味けない。お好み焼きにかければ踊りはするが味も香りも引き立たない。ここで一句。「削りたて、勝るものなし、オカカ飯」そうなんです。削り器のカンナを研いで、トンカチで頭をたたいて調整する。時を忘れますねー。極上の本ブシは2本でたたくと、備長炭のようにキーンと良い音がする。「どっちの腹から削ろうか」ここが思案のしどころで、インドマグロの中トロみたいに赤白はっきりと、血あいをしっかり入れて、美しく削らなければならない。もう“アート”の世界なのです。自己陶酔しているときに閃きました。軽くトーストした食パンにマーガリンはたっぷり塗り、削りたてのオカカもたっぷりのせて醤油をまわしかける。クルッと巻いてパクッと食べる。これは、はまりますよー。さあ、今週末は物置に眠っている“削り節器”を引っ張り出して“アート”を楽しみましょう。食欲と芸術の秋でもありますし。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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