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コラム 三寒四温

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特別編ケニアパーⅤ

 一頭が川渡りを始めると、次々とヌーが川にジャンプしてワニの待つ浅瀬を駆け抜ける。なぜ危険を冒してまで川を渡るのだろうか。サムに質問すると、顔の黒さから比較すると異様に光る白い歯を出しながら笑って答える。「新鮮な草を求めて移動するのさ」。10分も経つと最初は一列の川渡りが五列、六列と後続の大群に押し出されるように、深場にも飛び込んで溺れるヌーもいる。その時一頭のヌーが水中に引き込まれるのを私達は目撃した。オー! 双眼鏡を手にしたドイツ人の若い女性の悲鳴とも聞こえる絶叫がサバンナに響き渡る。ヌーを咥えた巨大ワニは体をよじり、水中にヌーを引きずり込む。ワニの尾が何度か大きなしぶきをあげながら回転する。壮絶な大自然の摂理を目の当たりした参加者は、ただ、ただシャッターを押すしか為すすべが無い。
 こんな壮大な自然のドラマも一つのシーンだけ30分も見ていると飽きてしまうのは私だけではなさそうだ。サムは車をUターンさせ、双眼鏡を覗き込む。「いたぞ!」今度はゆっくりと慎重に車をすべらす。広大なサバンナの一画にそこだけ長く伸びる草むらに近づいて行くと、風にゆられて草の隙間から美しいチーターの勇姿が現れた。行儀良く座って、遠くを見ている。その周りには2頭の子供と母親がいる。雄は獲物を探しているのだ。アッと言う間に5台のサファリカーが集結して全員がシャッターを押しまくっている。このサファリパークでもチーターの家族にめぐり合うのは珍しいらしい。それにしても暑い。車を止めていると、太陽が服を通して全身が焼け付くようだ。車を川べりの木陰に移動して、気持良さそうに水浴びをしているカバのファミリーを見ながらムパタロッジで用意してくれたランチをいただく。この弁当が私の今回の旅の運命を左右するとは。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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