特別編ケニアパートⅢ
三菱商事ナイロビ支店の長嶋支店長が、マサイマラへの出発前に届けてくれた二個のおにぎりをゆっくり味わいながら、いざゲームドライブへ出発だ。ロッジを出てすぐにキリンと象の家族に遭遇した。キリンは木の上の若芽を食み、象は草を鼻で上手にちぎっては口に運ぶ。ゆったりと夕暮れのサバンナの時は流れる。草を食んでいるヌーの群れの中の一頭と目が合った。角があって、顎の下に長い髭が生えている。口をモゴモゴしながらじーっと私を見つめている。距離5m、シャッターチャンスだ。大自然のサバンナに暮らすここの野生動物たちはジープや人間に慣れているのか、何故か逃げようとしない。ジープが動けば道を空けるという塩梅なのだ。ドライバーがヌーの死肉に群がっている十数羽のハゲワシを指差して説明する。「このヌーは今朝ライオンがハンティングした朝食の残りだよ」。その向こうにお腹がパンパンに膨れたハイエナが食後の毛づくろいをしながら、まったりとしている。アッと言う間に二時間のゲームドライブも終了してロッジへ帰還。
何が出てくるか分からない〝ヤミナベ〟みたいな気持で夕食のためダイニングルームへ一人で行くと、なんとお洒落な! 各テーブルにはキャンドルが灯り、ドレスアップしたカップルがワイングラスを片手に談笑しているではないか。しかも野郎一人は私だけ。漆黒の闇が窓の向こうに広がっている。そのウィンドウには淋しくゆらめくロウソクの灯と私の顔が交錯する。オーマイゴッド!夕食はロッジ特製のロールパン(ボソボソしていて非常にまずい)とビシソワーズと茹で野菜(洗浄用の水が無いので生野菜は出さない)のポワレ。メインは〝ビーフ〟と説明されたが、スライスされた肉がマスタードソースで和えられていて、何の肉だか分からないのでグラスワインで飲み込んで早々に部屋へ。いよいよ明日は数万頭からなるヌーの川渡りだ。
何が出てくるか分からない〝ヤミナベ〟みたいな気持で夕食のためダイニングルームへ一人で行くと、なんとお洒落な! 各テーブルにはキャンドルが灯り、ドレスアップしたカップルがワイングラスを片手に談笑しているではないか。しかも野郎一人は私だけ。漆黒の闇が窓の向こうに広がっている。そのウィンドウには淋しくゆらめくロウソクの灯と私の顔が交錯する。オーマイゴッド!夕食はロッジ特製のロールパン(ボソボソしていて非常にまずい)とビシソワーズと茹で野菜(洗浄用の水が無いので生野菜は出さない)のポワレ。メインは〝ビーフ〟と説明されたが、スライスされた肉がマスタードソースで和えられていて、何の肉だか分からないのでグラスワインで飲み込んで早々に部屋へ。いよいよ明日は数万頭からなるヌーの川渡りだ。